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海の家『みなとねこ』の一日 《夏本番編》
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防風林に朝いちばんから響き渡る蝉の鳴き声のカーテンを潜り、砂まみれの小路を歩く。波音近い海の家『みなとねこ』に着くころにはもう、額から汗が流れ落ちる。
「おはよう、ございます」
軒先につり下げられた風鈴の音と簾の影にほんの少しだけ涼しくなったように感じながら、
恵御納 夏朝
は店内に顔を覗かせた。
「夏朝先輩、おはよーございまーす!」
「おはよう、紗雪君」
バイト仲間の
紗雪 幽
や店の皆と挨拶を交わし、夏朝は張り切って開店準備に取り掛かる。店内清掃に風呂掃除、開店前にもやることはたくさんある。
店内に取り込んでいたビニール風船人形の猫とおばけを外に飾り、『準備中』の札を『商い中』に引っ繰り返せば、今日も海の家『みなとねこ』は開店だ。
鮮やかな青空の下、朝から海水浴客で賑わい始める海を一眺めして、幽はシャツの腕を捲る。海の人出は上々、今日も一日忙しくなりそうだ。
「よっしゃ! 俺も頑張って働きますよー!」
開店時から焼き台に並ぶ新鮮採れたてトウモロコシの香ばしい匂いに釣られ、夏休みの学生たちがふらふらと寄って来る。海の家が空くより前から海で泳いでいた小学生たちも、『みなとねこ』周辺をうろつく猫たちに引き寄せれてわあわあと寄って来る。
「いらっしゃいませ! 『みなとねこ』にようこそー!」
「いらっしゃいませー!」
夏朝と幽の朗らかな声が店内に響く。
「すっきりさっぱり塩レモンスカッシュにかき氷! がっつり食べれるロコモコ丼もありますよー!」
席についた学生たちに幽が人懐っこい声を掛ける。
「かき氷に塩レモンスカッシュ、海鮮塩焼きそばですね。少々お待ちください」
夏朝が手早く注文を取り、厨房に声を掛ける。出来上がった料理を運び、空いた席を片付ける。その合間には浮き輪やパラソルの貸し出しやレンタル品の状況把握にメモを取ることも忘れない。
目の回るような忙しさの中、返却されたレンタル品を手にぱたぱたと駆けよって来た幽が弾けるような笑顔を見せる。
「あれっすね」
「?」
「みんなで綺麗にした海の家がにぎわってるのを見るとメッチャ嬉しくなりますねー!」
レンタル品のパラソルと浮き輪を丁寧に拭き上げて元の位置に片付け、夏朝は大きく頷いた。
「そうだね。お客さんも猫さんも沢山いて、僕も嬉しい!」
厨房から漂う焼きモロコシや焼きそばの匂い、小上がりの長机の前で寛ぐ海水浴客たち、土間やゴザの上で長々と伸びては欠伸する猫たち。
遠く聞こえる波の音や蝉の声とも相まって、目の前の光景は正に夏休みそのもの。
商売の手伝いでもしている気分なのか、猫たちの中には愛想よくお客の膝に乗ったり隣に転がったり猫じゃらしを咥えて近寄ってみたりする子たちもいる。猫触り放題な客たちの嬉しそうな顔も見えて、夏朝はほんのちょっぴり唇を尖らせる。本当は、ちょっと羨ましい。
(でも、今の僕はバイトだから……)
頭をぶんぶんと振って仕事に戻ろうとする夏朝の脛に、ふわり、ふわっふわで柔らかであたたかい猫の身体が触れた。ぐいぐいと膝に頭を寄せて来る猫に、夏朝は膝をつきそうになる。ふわふわの身体を撫でて抱き上げさせてもらいたくなる。
(バイトだからー! ……ああ、でもっ……)
猫の優しさに歓喜して我慢も限界、うっかりほんわか和みそうな夏朝の耳に、
「こんにちはー!」
店の入り口に立つ女子二人組の声が聞こえた。夏朝は弾かれたように立ち上がる。大入り満員なお店の様子と猫の接待に和むその前に、
(お仕事ー!)
「はーい、いらっしゃいませー!」
「水着で入れる温泉で、猫と混浴、いかがっすかー?」
仕事に励む幽のそんな呼び込みの声も耳に入って来て、夏朝は気合いを入れ直す。来てくれるお客様のためにも、集まる猫たちのためにも、働く皆のためにも。いっぱい頑張ってバイトに勤しもう。でも、
(休憩時間には水着に着替えて泳ごうっと)
休憩時間を楽しみに、夏朝はお客様のもとへ足早に近づく。
「『みなとねこ』にようこそ!」
入り口立っていたのは、豊かな黒髪を高く結い上げた大人びた風貌の女性と、肩までの波打つ黒髪の優し気な瞳の女性。
「ここで着替えさせてもらっても大丈夫?」
「奥にシャワー室がありますので、そちらでどうぞ!」
夏朝に案内され、
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
のふたりは扉を一枚潜った奥に並ぶシャワー室に通される。
「そんなに広くないので、二室使って頂いても構いません」
それでは、とぺこりと頭を下げて引っ込む夏朝にありがとねー、と軽く言い、理緒は隣の紗月をちらりと見遣る。悪戯っぽく、笑う。
「一緒に着替えよっか」
「え、でも、狭いって」
いいからいいからとふたりでシャワー室に入り、熱気の籠る狭い一室で水着に着替える。
「紗月、今日は思いっきり海で遊び倒すからね!」
ぴっかぴかの青空にも負けないくらいキラキラにはしゃいだ笑顔で砂浜へ飛び出して伸びをする理緒の横顔に、紗月はそっと安堵の笑みを零す。
――仕事と勉強まみれじゃ窒息死しちゃうよ!
グラビアアイドルの仕事と受験勉強を並行して進めている恋人が、電話口でそんな風に不穏な言葉を洩らしたのが今朝早くのこと。息抜きしないと、と海水浴デートに連れ出されたのがつい先程のこと。
(海の来るのは、今年は三回め)
海を訪れたときのことを頭になぞり、紗月はちらりと首を傾げる。高校三年生の夏休みにしては遊びすぎな気もしないではないけれど、
「やっぱ夏は海で水着着てはっちゃけたいよね」
夏空を背負って太陽のように笑う恋人を見た途端、受験生の不安は吹き飛んでしまった。そもそも、根を詰めて勉強するのは彼女の性に合わないのだろうと理緒を見て思う。適度に息抜きもしなければ、それこそ息が詰まって勉強どころではなくなってしまう。それに、元々の頭の良さのお陰もあるのか、最近は急激に成績も上がっている。
――ちょっと怖いくらいー
得意げに笑ってから、だから、と理緒は電話口で懇願口調になった。
――ね? 海、行こうよー!
恋人の懇願を断り切れず、こうして揃って海に来ている。紗月はほんの少し困った顔になる。でも、理緒の息苦しさはよく分かっているつもりだ。
(お仕事もしているから、きっと尚更よね)
海に来てから笑顔の絶えない恋人を見つめ、控えめに微笑む。
確か二日前にも房総半島で一日がかりのグラビア撮影をしたと言っていた。幾度となく水着を着替え、いい加減飽きたー、と電話口で話していたその癖、今日の理緒はとても楽しそうだ。
(私と一緒だから、……)
ふと思って、紗月は頬を赤らめた。
(だと、いいな)
伏せた視界に映るのは、理緒が選んでくれた水着。ささやかな胸と油断したお腹周りを上手く隠して飾ってくれるデザインの水着姿で太陽の下に立ち、紗月は頭に被った麦藁帽子の縁を両手でそっと引き下ろす。影になった視線に捉えるのは、ほんの少し先を颯爽と歩く理緒の姿。
たわわな胸と引き締まった腰から下の曲線美を持つ、正にグラビアアイドルな理緒は、シンプルな水着姿でビーチを歩くだけでとても絵になる。人目も惹く。
理緒に集まる視線が自然と自分にも向けられて、紗月は麦藁帽子の縁をますます引き下ろした。元より引っ込み思案で人見知りも激しい。集まる視線も、そこから想像してしまう誰とも知れないひとの言葉も、恋人と一緒であってもこの場所を居心地悪く感じてしまうには充分な要素。
(いつものこと、いつものこと)
呪文のように繰り返す紗月が見えないかのように、理緒の前に数人の男が立つ。ナンパな言葉が掛けられるよりも先、理緒はグラビア撮影のときと変わらぬ大輪の花のような笑顔を浮かべた。
「今日はお友達と遊びに来てるから、邪魔しないでねー」
悪戯っぽくウインクもしてみせる。もしかしたらファンであってくれるのかもしれない青少年の夢をぶち壊さない程度に甘え上手なところを見せ、
「ね?」
またねと手を振って追い払う。
野次馬じみたナンパを軽やかにやっつける恋人の綺麗な背中から紗月は目を逸らす。理緒目当てに寄って来る人々を理緒自身が上手に追い返すのも、
(いつものこと)
その際、理緒が『お友達』という言葉を使うのも、
(いつもの、こと……)
それなのに、いつだって少し傷ついた気分になるのは何故だろう。
「紗月!」
名前を呼ばれる。手をぎゅっと握られる。一緒に海辺を歩く。それだけで、付いたような気がしたつまらない傷は跡形もなく消えた。
波打ち際を一緒に駆けて、寄せる波を蹴とばしながら青い海に飛び込んで。太陽の光みたいな水飛沫を上げながら並んで泳いで、肩をぶつけあいながら波に浮かんで。それだけのことがたまらなく嬉しくて楽しくて、紗月はいつもの自分では考えられないくらいにはしゃいだ笑い声をあげる。
「理緒ちゃん、こっち!」
水に潜り、探す理緒のすぐ傍に浮き上がる。びっくりして笑う理緒と一緒に声を上げて笑う。少し疲れたら海から上がって、波打ち際に腰を下ろす。なんでもないような話をするうちに盛り上がって、肩でえいえいと突きあい戯れるうち、
「わっ」
「きゃっ」
もつれあって倒れ込んでしまった。結果的とは言え押し倒した格好になって、紗月は慌てる。
「あ、紗月ったら」
組み敷いた身体の下、理緒がくすぐったそうに笑った。
「意外と大胆なんだー」
「っ……」
濡れた黒髪を乱して赤面する紗月を見上げ、理緒はまた笑う。押し倒されたのはこちらの方なのに、
(あたしが襲っちゃったみたいね)
焦って身体を退ける紗月が可愛らしくて、起き上がるなり一度ぎゅっと抱きしめる。
「からかってごめんね」
「う、ううん、ううん!」
必死になって首を横に振る恋人は、やっぱり堪らなく可愛かった。麦藁帽子の影になるのをいいことに、理緒は恋人の唇を一瞬奪う。身軽に立ち上がり、尻についた砂を払い、心なしか呆然とした顔の紗月を見遣る。
「ちょっと休憩、しよっか!」
泳ぎ疲れた身体を休めるのは、もちろん海の家。
凍らせたフルーツを飾ったかき氷と塩レモンの風味が美味しい炭酸飲料を半分こして小腹を落ち着かせたその後は、潮風が吹きこみ風鈴の音が鳴る小上がりで一休み。にゃうにゃうと寄って来る猫たちを撫でているうちに眠たくなって、ふたり並んで転がって猫と一緒にしばらくお昼寝。
――そんな風にして、夏休みの一日は過ぎて行く。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月26日
参加申し込みの期限
2019年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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