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夜闇にあかく、ほおずき市
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しばらく歩いて、夜祭りの空気にも慣れてきた。
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
は、途中でそれぞれかき氷のメロン味とイチゴ味を買って、近くに用意されていた二人並んで腰掛けられる椅子に座った。
頭上から、ガラスが奏でる音色が響く。
耳を澄ませば、傍に飾られていた風鈴が繊細ながらも祭りの喧噪に負けることなく、涼やかな音を二人に届けているところだった。
「綺麗な音……」
紗月の眼を細めた呟きに、かき氷の最後の一口を食べ終えた理緒が、そっとその耳に唇を寄せ、いたずらめいた様子で告げた。
「この鈴の音、まるで紗月がささやいてるみたい」
「え……えっ……!?」
それは完全に想定外の言葉。紗月の頬が一瞬にして上気し、どう言葉を返して良いのかも分からず、混乱と共に本当のほおずきのように赤くなってしまった。
(うん、やっぱりあたしの紗月は本当に可愛い)
その思いの再確認をしながら、理緒は小さく笑って一旦席を立ち、その音を奏でていた隣の風鈴屋さんに声を掛けた。
「あ、今鳴っていたその風鈴、二つくださいなっ」
そして購入して箱に入れられた風鈴の内の一つを、理緒は紗月に手渡した。
『柔らかいのに澄んでる音が、紗月が本当にささやいてるみたいだったから』と、心から嬉しそうな顔をして。
(理緒ちゃんが笑ってくれるのも、元気に色んな表情を見せてくれるのも──本当に、好き)
二人で神社の本殿へ向かいながら、紗月は僅かにその過去へと想いを馳せる。
──好きになった時からも幸せだった。だが、それを切に感じるようになったのは、
理緒が記憶喪失になった瞬間
からだ。
記憶がなかった理緒は、今とは天職と定めているグラドルすら蔑視した。倫理観すら異なっていた。紗月のことも全てを忘れ去っていた。
それを紗月が知った時は、落とし穴に落ちたように理緒の全てを失った気がした。
だが、それが本当に失われ掛けたその時、紗月ははっきりと自覚したのだ。
『絶対に、大好きなひとを諦めたりしない』
今いる理緒は、その想いの結果と言っても過言ではなかった。
こうして己の傍にいてくれる、喜怒哀楽が眩しいほどに輝いている、自分の恋人。
(──今、こうしている時間が、本当に幸せ)
だから、お参りに向かう本殿に着いて、掛けた願いは昼間のそれとは異なるものだった。
『どうか、ともにつないだ手が離れ離れになりませんように』
そうして、紗月は隣に並んでお祈りをした理緒が顔を上げるのを待って尋ねた。
「理緒ちゃんは何をお願いしたの?」
「昼に合格祈願したばかりだから、
『これからも紗月と一緒にいられますように』って」
理緒と図らずとも同じであった想い。紗月はそれを心から捧げるように祈る神様へと感謝した。
「ここまで来ると結構静かですね」
「距離的には殆ど離れていないのに不思議だね」
卵城 秘月
と
吉住 志桜里
は、ほおずきと透き通るガラスにそれが描かれた風鈴を購入して。それから少し目的を変更し、散歩がてらに夜の境内へと足を向けていた。
祭りの喧噪は聞こえるのに、静寂の圧を強く感じる。日常と非日常の狭間を確かに感じながら二人は歩いた。
そこで志桜里が、その体格や立ち振る舞いの差から、どうしても呼吸するように生まれてしまう秘月との開いた歩幅を合わせて、小さくため息をつく。
「足は妙に大きさの違いが際立つわね。何ということもないのだけれど……ごついとか言わないで」
「うん? 足?」
秘月は、歩幅が揃えられ再び隣に並んだ志桜里との距離に気付いて、言葉通りに足を見る。
浴衣に隠れているが、秘月はシルエットからも日常からも、その脚の凜々しさを良く知っている。
「大きさの差異は気にしないけど鍛えすぎると体を痛めるからね、もう少し贅肉着けたっていいんじゃないかな?」
志桜里としては、好きな事をしているだけで贅肉の方から逃亡していく毎日だ。しかし、確かに秘月の言うことにも一利ある。悩ましい秘月の提案に、志桜里は複雑そうな様子で小さくうなる事しか出来なかった。
「そう言えば……」
境内の散歩中、そろそろ戻ろうかとなった際に、どちらからともなく話し始めた噂がある。
時々、本当に時々だが──確かに、あの賑やかなほおずき市の中に『ここには幽霊がいる』と話している人がいるという話題だった。
実際に、人混みの中を訳も分からず逃げ惑っている人を見たという目撃情報があるという。
これから帰る為には、その話通りならば、あんなにもライトアップで華やかなのに、その内実、幽霊が跳梁跋扈しているというほおずき市を通り抜けなくてはならない。
「……」
「……」
それを自覚した双方の内、どちらかの手が硬く強く握られた。
どちらからかは分からない。だが、二人が気付いた時には双方の手は固く握り合っていた。
「あら、怖くなった? そんならこのまま握ってなさいな」
志桜里としては、むしろ離されてはどうしようもない不安に襲われていたが、幽霊が怖いなどと言えば、向こう一ヶ月、この同居人による話題のネタにされかねない。
傍らでは、怖くなったのかと問われた秘月が語る。
「いやいや目を離すとまた無駄遣いまたしそうだしね、このまま監視させてもらうよ」
無意識に握られていた手が、その互いの言葉をもって固く握られた。
そのまま、お互いが怖気を白状せずに隠しつつ。それでも手を離さない理由は相手にあり、自分が怖い訳ではないのだという対抗心を力一杯に強く主張をしながら、二人はほおずき市の中を通り抜けて帰途についた。
緊張がずっと付きまとって、寝子島神社を抜け、夜の街並みを過ぎ、家に着くまで。二人の手はうっかりずっと握ったままだった。
本当は怖かったかは内緒にしておこう。
──たまには、そんな夜もまた好し折──
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担当ゲームマスター
冬眠
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月23日
参加申し込みの期限
2019年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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