this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
#彼女の曖昧な考察 ~接近遭遇~
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
【1:02】
院内は変わらず、静かです。何人かの仲間たちが同じように調査を進めているはずが、すれ違うこともなく物音のひとつも聞こえてこないのは、なぜでしょうか?
志波 武道
はあたりを見回し、その原因へと思考をめぐらせます。
「オカルト。超常現象、怪奇現象。都市伝説……どうも、さ。思い出しちゃうんだよナー」
「なにをです?」
尋ねた
八神 修
が羽織っているのは、なぜだか白衣。ナースステーションで借り受けたもので、彼らを見かけた事情を知らない入院患者さんたちが驚いてしまわないように、といった配慮です。
武道は暗闇の中でも微笑を返して、懐かしい名前を口にしました。
「
みえっぱりラジオ
を、ね」
「ああ。その言葉もまた、懐かしいねぃ」
どこかで聞いたようなあの偽名。人を食った態度に、どこか憎めない茶目っ気。
呉井 陽太
の脳裏にもまた、『彼』の顔が浮かんだかもしれません。
あの顔も、名前すらも、本物ではなかったけれど。それでも、簡単に忘れることなどできないキャラクターであったことは確かです。
「もしかして、武道くん……今度の怪異は、彼が関わってるって考えてる?」
「イヤー、違うよ? 彼は、無差別な人へ一方的に被害を及ぼすようなことはしないと思う。ただ……自分を忘れられたくない、自分を誰かに認めてほしい。彼はずっとそれを願ってたんだよな……って思ったら、サ」
半ばひとり言のようなその言葉に、修はふむ、と首を傾けて。
「……あるいはそういった存在が、ここにもいると?」
問いに、武道自身は肩をすくめたのみで、言葉を返しませんでした。もちろん確信はないのでしょう。
代わってそれに答えたのは、
「んふふふ……」
「あ。秘子ちゃん」
にたりと笑う、彼女でした。
「嬉しいです。皆さんが、あの方のことを覚えていてくださって」
口を開けば唾液が糸引く音。けれど、
「わたくし、思うのです」
その笑みはいつもと少しだけ違って、ほんのりと柔らかく見えました。
「もし誰にも顧みられず、声すら上げること敵わず、ただひっそりと消えゆく存在があるのなら。そんな子たちを、わたくしもあの方のように、日の当たる場所へと導いて差し上げたい……」
「…………」
陽太はすう、と細い目をさらに細めました。武道も修も、気持ちは同様であったかもしれません。
彼女の言うような怪異には、人になんらかの被害を及ぼす者もまた、いないではないのです。『彼』は直接的な危害を加えたりはしませんでしたけれど、それでも武道の心に傷を負わせ、陽太の過去を抉るような現象も体験しました。全てはやがて解決に至ったのだとしても。
「なるほど」
修だってもちろん、仲間たちといっしょに、あの奇怪な深夜番組をなんらかの解決へと導こうと尽力したひとりです。痛い目を見たことだってありました。思うことは少なからずあったはずです。
それでも、
「胡乱路先輩がそれを望むのなら、俺たちは付き合いますよ。それに、そうして現象の謎を探求することは、得てして解決へと繋がるものだ」
「ん~、確かにそうかもねぃ」
陽太もなんだかんだで、異論はなかったりします。武道だって、
「オッケー☆ それならますます、調査を頑張らないとな!」
ぐぐ、と力こぶ。
頼りになる友人たちに囲まれて、秘子はやっぱり、にーんまり。微笑みました。
「それで。田村さんは、なにを見たんですか?」
陽太、修、武道の三人を連れて、
深倉 理紗子
は病室を訪れました。
「無理はしないで。話せることだけ、ゆっくり、話してみてくださいね」
医師として患者を気づかうのは当たり前ですけれど、今は理紗子のほうが少々緊張していたりします。
関わるべきではない、という思いは拭い切れません。理紗子だって幾度となく奇妙な現象を体験しているだけに、直感めいた嫌な予感はどうしても消えてくれません。
206号室に入院中の、この田村さんの怯えようを見れば、それも無理はないことでしょう。
「ち……近づいてきたんだ。少しずつ。歩いているのか、滑っているのか。飛んでいるのか。分からなかった。ともかくあれは……大きな目をした、まるでフクロウみたいに真っ黒な大きな目をした、なにかだった」
「それに、なにかされたんですか? ひどいこととか……」
そう尋ねることはまるで自分の役割であるかのように、理紗子は眉をひそめながらも重い言葉を紡ぎます。
「なにも……なにもされない。いや、分からない。覚えていないんだ。ただ……」
「ただ?」
食い入るように身を乗り出し、武道が思わず口を挟みます。
田村さんは、自身が小刻みに震えていることに気づいてはいなかったのかもしれません。
「ベッドの脇に……そう、すぐそこに立って……じっと。じっと。俺を」
見ていた。そう吐き出すように言って、彼は自らの身を抱きしめました。
「……ここまでにしておきましょう」
「ええ。そうね」
尋常ではない彼の様子に、修が理紗子へ進言し、短い聞き込みは打ち切られました。なにか話してくれるのだとしても、時間が必要でしょう。
「田村さん、深夜にごめんなさい。ありがとうございました。今夜はみんなもいるし、安心して眠って……」
「ま。待ってくれ!」
みんなで病室を出ようとした、その時でした。
「待って。待ってくれ。信じては……くれないかもしれないが。手を。あれは、手を伸ばして……俺へ……」
「なんですか? 大丈夫ですよぅ、話してみてくださいな」
すがりつく相手を見つけたとて、彼のこわばりが消えゆくわけではないのでしょう。陽太の襟首へ半ばつかみかかるように、田村さんは目を剥きながら、
「……指」
「え?」
か細く喉の奥を絞りました。
「細くて、やけに節くれだっていた。鈍色の……六本指が。俺を」
【1:34】
スマートフォンは、夜の病棟において本来の役割を果たしてはくれません。
「やっぱり、ダメやね」
「うん。こっちも通じないわ」
伏見 真
も
水上 桜
も、ほかの仲間たちへ情報を共有しようと考えましたけれど、通話はひどいノイズで使い物にならず。ならばとメールやインターネットを介しての連絡も試してはみたものの、いずれも上手くはいきませんでした。
「どうも、機械に不具合が出とるみたいやねぇ」
「昼間はなんともないみたいだから、夜の間だけってこと? ヘンよね……」
首を傾げつつも廊下を歩くと、扉を開け放した病室が目に留まります。ほのかな明かりが漏れていて、患者はまだ起きているようです。
「ちょっと話を聞いてみましょうか」
後藤、と書かれたネームプレートが掲げられた病室を覗き込み、開いた扉をノックすると、初老の女性が顔を上げ、ふたりを穏やかな眼差しで見返しました。
「あら、こんばんは。調査は順調かしら?」
「うん、上手くいっとるよ。安心してな。えっと、後藤さんやね? ちょっとお話聞いてもええやろか」
「どうぞ。お入りなさいな」
にこやかな女性の手招きに従い、桜と真は病室へ足を踏み入れます。
「まあまあ、こんな夜中に大変ねえ。お菓子でも食べる? 差し入れなんだけど、私は食べられないから」
「あ、いえ。おかまいなく……」
「ほかの患者さんは、大きな目を見たとか言うてたね。なにか見た? それとも、なにか聞いたり感じたり? やけに寒いとか、身体が動かんとか、そんなんなかった?」
真が矢継ぎ早に質問をぶつけると、女性はくすりと笑いながら差し出したクッキーの箱を引っ込め、ふと思案するそぶり。やがて、
「そうね。私が見たのは、光ね」
「光?」
「色とりどりの、まばゆい光。あるいは青白い、とても強い光。窓の外から、突き刺さるみたいに照らされて。思わず窓を開けて空を見上げたら……」
女性はかぶりを振り、ふたりを見つめて、
「ぱっ。スイッチを切ったみたいに、見えなくなってしまったの。あの音も消えてしまったわ」
桜は、女性の語るあの音という言葉に少し引っかかりを覚えました。けれど特に気にすることはなく、次の質問をぶつけました。
「…………? あの音、ってなんですか?」
「え?」
「今、あの音も消えてしまったって」
「あら。そんなこと言ったかしら?」
真は女性の表情から柔らかさが失せ、やけに無表情なのがいささか気になりつつも、あの音について訊ねるのはやめておくことにしました。
「あの、音? なんやろ……なんか、覚えがあるような」
桜は質問を打ち切り、よそへ行くことにしました。まだまだ探さなければならないものがあるし、宿題もまだ残っているし、明日の授業の準備もしなければなりません。
「授業……? 授業なんて、今はどうだっていいじゃない。後藤さん、あの音って? 音……そう、音。私、なにか、忘れて……」
真は後藤さんが身じろぎもせず、黒目がちな大きな瞳でこちらをじっと見つめていることには特に違和感を感じず、質問を切り上げ、家に帰ることにしました。この事件のことはもう忘れよう、そう心に決めました。
「そうやね、お母さんも心配してはるし、もうこんな事件は忘れて家に……帰って……違う。そうやない」
「音……音が。ねえ、聞こえる?」
桜はあの音のことなど忘れ、すぐにも家に帰り、お風呂に入って明日に備え早く寝ようと思いました。
真は母を安心させるためすぐにも家へと飛んで帰り、こんな事件のことはさっさと忘れることにしました。
「聞こえる……まだ、鳴っとるんや。あの音は、頭の中で」
「まだ止んでない。続いてるんだわ。私たち、まだ……」
桜は。真は。
「「高周波が聞こえる」」
はっと我に返ると、目の前に看護師の笹原さんが立ち、心配そうにこちらを覗き込んでいました。
「ねえ、ちょっと。大丈夫? どうしたの?」
「……あっ?」
突然おぼつかなくなった足元に、桜はバランスを崩し、真がとっさに彼女の肩を支えます。
「大丈夫? 僕ら……いったいいつから、こうしてたんやろ?」
「私が見つけたのは、1分前くらいだけど……ぴくりとも動かないで壁を見つめてるから、驚いたわ」
心配そうに見つめる笹原さんへ、桜は、尋ねます。はっきりと、自分の意思で。
「この病院に……今。後藤っていう人は、入院してますか?」
「後藤、さん? 佐藤さんだったら、二階の病室にいらっしゃるけど。後藤さんは、今はいないわね。どうして?」
経過していたのは、ごくわずかな時間です。その短時間に、これほど記憶が曖昧になっているのはなぜなのでしょう。
ふたりの脳裏へ、光の向こうから伸びてくる、鈍色をした六本指の手が映りこむような錯覚を覚えたものの、すぐに忘れることに決めました。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
#彼女の曖昧な考察 ~接近遭遇~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月16日
参加申し込みの期限
2018年11月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年11月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!