this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島の風にのって、ぱたぱたぱたぱた
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
目の前に広がる光景を、誰が想像し得ただろうか。
皆が皆息を呑み、言葉を忘れ、光へ魅入られた。
空は月と星、それに自ら輝きを放つ発光植物が灯す淡い光に彩られ、異界からの花見客を歓待した。
星幽塔の宴、かくも賑やかで華々しいことか。
「ふわ……ぁ」
放っておけば彼女は、いつまでもそうして口を開けていそうだ。
工藤 耀
は苦笑いしつつも、傍らの
七音 侑
の手を取り、ついと引いた。
「すごいね、工藤君! 草も花も、全部光ってるにー!」
「おー。すごいよな」
「ねー!」
ぽすん、と自然に自分の胸へと収まった侑へ、耀は鼓動を悟られまいとしてか、努めて冷静な声を発した。
もちろん、侑の感動を耀もまた共有している。何しろ星幽塔における絶好の花見所だというこの場所は、まさしく見所が満載だ。
一面に咲き乱れているのは、ただの桜ではない。日本で、また寝子島でも見る桜と形は良く似ていながらも、その花弁はうっすらと自ら発光し、縁には桃色の淡い輝きをたたえている。
この一帯では、ありとあらゆる植物たちが、夜空に光を放つのだという。地面に生えているちょっとした草であっても、葉の模様をたどるように、青や緑の光が常に明滅している。長く伸びたつる草には鈴蘭めいた小振りの花がついていて、か細くなる鈴のような凛とした音を奏でながら、カンテラのような優しい光を内包する。桜は星々の明かりにも負けじと光り輝き、事あるごとに燐光を弾けさせては空を照らしている。
あらゆるものが光を灯す、生体発光のまばゆい営みが、彼らの宴をも演出してくれた。
「ほら、侑」
「あ……!」
耀が侑の手の甲をすくい上げるように包み、空へ掲げさせると、ふわふわり。枝から離れた桜の花弁が、風を拾って侑の手のひらへと降り立った。花弁はまだ淡くあたたかな光を帯びていて、侑が耀の手もろともにそれを胸へ抱き込むと、なんだか芯から温まるような気がした。
侑は耀の胸へ身体を預け、耀は侑の肩を抱き込んだ。
それ以上、言葉は無かった。この風景と互いのぬくもりがあれば、それ以外に何もいらない。満たされて、ふたりはまるで溶け合うように、いつまでもそうしていた。
環 的子
のもとにも、花びらは舞い降りた。
「まるで、星が落ちてきたみたい……」
星空を眺めること。そしてSF映画鑑賞が趣味。そんな少女の感想はどこか硬質でありながら、どこまでも詩的だった。
「うん……綺麗だね」
その友人たる
瀬名 由枝
もまた、手のひらにいくつかの花弁を受け止める。
他人には気を使いがちな由枝であるが、口から飛び出した言葉は本心だ。お気に入りの遊びを通じて、的子との間に築かれた信頼関係は本物だ。
心よりの安堵が、由枝の瞳を優しく細めさせた。
「あ、そこにも花びらがひとつ……そっちにも。あっちにも」
「わ、わ! あはは、全部は受け止められないね」
由枝が指差したほうへ律儀に手のひらを伸ばし、的子はわたわたとしたものの、やがてくすりと笑い、舌を出した。
鈴蘭のような発光する花が、り、りん、と鳴った。途端、光が弾けて、近くの花弁から遠くの花弁へと、波紋のように順に光が伝わっていく。
「あっ」
的子は、見上げた由枝の瞳のなかへ現れた星の海を見つけて、ふわりと微笑んだ。きっと同じ光景を、由枝もまた的子の瞳のなかに見るだろう。
光が、ふたりを満たしてゆく。
目線は三者三様。
想いはいささかにちぐはぐであったが、三人の関係性は今のところ、そんなものだ。
「うわぁ、すごいね! こんなにまぶしいお花見は初めてだよ」
と
ロベルト・エメリヤノフ
が真っすぐな感想を述べたなら、傍らの
来島 アカリ
は彼の横顔を見つめてぽつり、つぶやくのだ。
「ほんと……まぶしいですね」
そうすると今度は、そんな二人を眺めて
胡乱路 秘子
が、むふうとご満悦に言ってのけるのだ。
「んふふ。今年の咲き具合も、見事ですね。んふふふ」
「えっ? 胡乱路、前にもここに来たことあるの?」
「いえいえ。確かに素敵な場所ですけれど……」
秘子の視線は、林檎のようにぽうっと頬を赤らめたアカリと、きょとんと首を傾げたロベルトの間を行ったり来たり。
「花は思いのほか、身近にも咲いているものですから」
「う、胡乱路先輩。もういいですから……!」
何やら悟っているらしい彼女が余計なことを口走らないうちに、アカリはそれよりもと、ロベルトの目を促した。
「ロベルト先輩、ほら。花びらがこんなに」
「ああ、本当だ! はらはら、はらはら……まるで雪みたいだね」
無邪気に笑う赤毛の彼は、やっぱりアカリの想いには気づいていない様子。方やピンク色の髪の彼女は、ふたりのやりとりを実に嬉しそうに見つめている。
「……むー」
これからも、アカリの苦労は続きそうだ。
けれどそれも、
「まあ、悪くはない……かな」
にっこり。ふわり。にーんまり。三者三様の笑顔が交錯した。
「すごいのー! きらっきらなのー!」
きらっきらなのは周囲の草花のみならず、
橘 明里
の紅水晶めいて輝く瞳もまた、きらっきらに光を帯びていた。
無邪気な彼女の背に、もし天使のごとく純白の翼があったなら。きっとすぐさま飛び立ち、光瞬く樹々の合間をふわふわと漂い、全身でその喜びを表現したことだろう。
目下そのような翼を持ち合わせていない明里は、代わりにうんと伸びをして、
「えいっ!」
手のひらいっぱいに集めたきらっきらな花びらを、ぶわっ! と空へ投げた。
きらきら、はらはら。ぴかぴか、ひらひら。
「ちひひー。幸せが、みーんなのところにも届けばいいの」
「ふふ。では、僭越ながら私が、お手伝いをいたしましょう」
ふわりと降り立ったのは、
アケーチ・タッマーキ
。ほしびとである彼の背中には確かに、純白の翼がある。
「天使さまなのー!」
「あいにくとそのようなものではなく、私は一人のド変態に過ぎません。しかしお嬢さんの願いを叶える、ちょっとしたお手伝いならさせていただきますよ。ふ、ふふ!」
明里は再び、両腕いっぱいにきらきらと燐光帯びる花弁を集めると、それをアケーチへと託す。
「よろしくお願いいたしますなのー、天使さま!」
なんにしろ、翼を持つ彼は明里にとって、天使のごとき存在に代わりはないのだろう。
アケーチはにこりと微笑むと、花びらを抱えたまま空へ飛び立つ。樹々の真上を滑空しながら、そのまま腕の中の花弁を、風に流した。
「ふわぁ……!」
光は川を描き、雪のように散って、空のあらゆるところを満たしてゆく。
少女が見上げた麗人は、実のところド変態ではあったが、今この時は紛れもなく、一人の天使と呼ぶにふさわしかったことだろう。
肩に手が触れた。それだけで、
綾辻 綾花
は飛び跳ねんばかりに身を強張らせてしまう。
「すごい光景だね……綾辻さん」
「そ、そうですね。珪先生」
早川 珪
にも、綾花の緊張は伝わっているだろうか。不思議な世界へ呼びこまれた、その驚きに翻弄されているのだと思っているのかもしれない。
本当のところは、他ならぬ彼自身がこんなにも側にいることが、綾花の胸を高鳴らせているのだが。
「こんな景色は、どんな本でも見たことがないよ。ほら、見てごらん」
「あ……」
宙を舞う天使が降らせた花の嵐を、ふたりは手のひらに受け止めた。
花びらは降り落ちてなお輝きを絶やすことなく、綾花や珪の頬をほのかに染め上げた。
「まるで、花の冠みたいだね?」
「え? あっ」
いつの間にやら綾花の髪を彩っている花弁たちのひとつを、珪は取り上げて見せた。
彼のしなやかな指が綾花の髪へと差し込まれることにもまた、緊張はある。しかし事ここに至っては、もはやそれも気にならなかった。目の前で繰り広げられる光景が、あまりにも……あまりにも。息を呑むほどに、美しかったから。
「……素敵ですね。珪先生」
背の高い彼を振り返り、見上げた。こくりと小さくうなずいたその微笑みに、心乱されることはもうなかった。
綾花は背を、彼の胸へと預けた。今だけは、そんな大胆な仕草も許されるように思えたから。
ただひたすらに安堵と、幸福感だけが、綾花を満たしていた。
まばゆく、そしてやわらかい輝きを帯びながらのお花見は、誰もが時を忘れたかのように、穏やかに続いた。
彼らの頭上に冠を描く花びらたちを。鈴のようにりん、りりんと鳴り続けるこの音色を。
淡く紫がかった月の威容を……それらに照らされる大切な誰かの微笑みを、彼らはきっと、忘れることはないだろう。
記憶の中にいつまでも、輝き続けることだろう。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島の風にのって、ぱたぱたぱたぱた
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
KAN
蒼色クレヨン
巴めろ
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
112人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月25日
参加申し込みの期限
2018年12月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!