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せんせいといっしょ:樋口先生のろっこんお悩み相談室
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【
桜 月
の場合】
あの日以来、
桜 月
は誰にも話せない悩みを抱えていた。クラスの友人にも、そして遠く離れた祖父母にも話すことのできない、恐ろしい体験。
それは、自分の『影』への恐怖と不信。
あの日以来、夜道を出歩くことは、できるだけ控えるようにしている。それでも、日傘を差して太陽の下に出る時、それに図書館の白々しい照明の下で服のデザイン画を描いている時。
黒々と落ちる自分の影が、ふと視界に入ってしまい、思わず叫び出しそうになる。
このままでは私はおかしくなってしまう──そんな時彼女は、とある噂を聞いたのだった。
それは、ろっこんという不思議な力を使う、もれいびと呼ばれる人たちの存在。
そして、そのろっこんについての相談を、自分のクラスの担任の、樋口先生が受けているという噂を。
(──この私の影も、もしかしたら)
もしそうでなくとも、この気持ちが少しでも楽になるのなら。
そんな願いを固く握りしめて、桜月はある日そのドアをノックする。
「先生──少し良いですか?」
「あら、桜さんいらっしゃい。どうぞ、座って?」
楽器の手入れをしていた手を休め、そうして樋口先生は月の相談を聞いたのだった。
「……実は、桜花寮での用事を済ませた帰り道に
変な人に会って
」
「変な人?」
それは、寝子島のとある一夜を騒がした、キョンシーと呼ばれる存在だったのだが、2人はそのことを知らない。
「その人とぶつかったら大けがすると自分では分かって居たのに、怖くて動けなくなってて。
もう駄目だって、誰でも良いから助けてって、そう思っていたら、急に誰かに腕を引かれて。
私は道の真ん中に居た筈なのに、道の端に移動してて助かりました」
「誰かって?」
「……分かりません」
白い髪に隠れた人形のような顔を、ふるふると左右に振る月。
「ただ、──私の、影が」
「えっ、影?」
「私の影が、街灯の下にうずくまっているのが、見えました。
まるで何かの獣……いえ、死神みたいに立体感があって。今にも立ち上がりそうだった」
「それから、あなたはどうしたの?」
「怖くなって、走って逃げました。結局、寮には無事に帰れましたが……、
その時から自分の影が怖くなって……それは今も同じで。
自分だけじゃどうしようもなくて、先生に話をしたら
何かわかるんじゃないかと思って、相談しにきたんです」
「来てくれて、ありがとう──とても怖い思いをしたのね」
ハッと顔を上げる月、
「信じてもらえるんですか? こんな夢みたいな話」
「ええ、信じるわ。怖かったのね──」
先生の長い指に両手を握られ、
(──ああ、)
と心の深い所で諒解する月。「怖かったのね」という言葉の、もうひとつの意味を。
自分はなぜ、クラスの友達にも、この話ができなかったのか。幼い頃に容姿のせいで両親から拒絶され、昼間は外を出歩くこともできなかった月の話し相手は、もっぱら屋敷にいた祖父母と、勉強を見てくれる家庭教師のみだった。
そのため月には、「他人に理解される」という体験が、極端に少ない。月自身、他人と話す時には無意識に壁を作るのが当たり前になってしまい、
(こんな夢みたいな話をしても、きっと誰にも信じてもらえない)
今回も、そう思い込んでしまっていたのかもしれない。
信じてもらえないことが「怖かった」。樋口先生の指の中で、固く握りしめていた両手がほどけ、いつの間にか月はその手をにぎり返していた。
(この先生も、もしかしたら──自分の言うことを信じてもらえなかった経験があるのかも)
そんなことを、どこかで思いながら。
温かい紅茶を飲み、ようやく落ち着いた月から詳細を聞いた樋口先生は、
「……断言はできないけれど。もしかしたらその影は、あなたのろっこんなのかもしれないわね」
と彼女に伝えた。
「強く念じることで、ろっこんが発動する──何人か、そういうもれいびの人を知っているわ。
あなたもその時、強く何かを思ったのよね?」
「はい。助けて、誰でもいいから助けて……って。
私、本当にもれいびなんでしょうか……?」
「怖い?」
「はい、それを知るのが。逃げられない何かに捕まってしまいそうで……」
「怖いのは、それが何かを知らないから。あなたがその恐怖から本当に逃れるためには、
その影がろっこんかどうかを、知る必要があると思う」
「影を知る──もう一度、同じことをしろ……と?」
ためらいながらも、やがて頷く先生。
「でも、桜さん。先生と約束して。最初のうちは、1人でその力を使おうとしないこと。
できれば、誰かに側にいてもらって……何かあったら必ず、その人に助けてもらうのよ。
いい? 先生と約束できる?」
【
知吹 しぶき
の場合】
「あ、せんせー……ひぐちせんせーって、あの……
えっと、ろっこんのこと知ってるんですよね?
相談したいことがあって……」
「ええ、私でよかったら、お話を聞かせて」
その放課後、樋口先生のもとを訪れたのは、1年2組の
知吹 しぶき
だった。いつもはくりくりとよく動く太眉が、今日はしょぼん……と何だか垂れ下がり、表情も浮かない顔だ。しかし、
「何か飲む? コーヒーでもいいかしら?」
と先生がお茶の支度をしようとすると、
「あっ! あたしがやりますやります!」
と反射的に立ち上がり、手際良く2人分のコーヒーを淹れる。
「あたし洋菓子屋さんでバイトしてるから、こういうの得意なんですよね」
「あら……ぬるいのに、美味しいわ。味が何だか、柔らかくなってる」
「ホットって注文されるとつい熱々にしちゃいがちですけど、
むしろぬるめでサーブした方がいいんですよ。水みたいに、すっきり飲めるって言うか」
「へえ……」
「冷めても美味しいのは、先生がいい豆使ってるからなんですけどね。
っとと、いけない。あたしついこんなふうに、お客さんとおしゃべりしちゃうんですよ」
「フフ、目に浮かぶようだわ。よかったら今度、お邪魔してみようかしら」
「ぜひご来店ください! じゃなかった、本題本題……でですね、相談というのは」
可愛らしい膝小僧をそろえて座り直し、神妙な顔でしぶきが話し始めた。
「あの、あたしのろっこんは、『他人の嘘が分かる』能力なんです。
分かるのは飴を舐めてるときだけなんですけど、ちっちゃい頃から飴を舐めるのが好きで。
今じゃ飴を舐めてないと落ち着かなくて……」
元気だったしぶきの声が、ここからだんだんとトーンが落ちてきた。
「だから教室でも何処でも、誰かが嘘をついてると分かっちゃって……
たくさん人が喋ってれば誰が嘘をついてるかまでは分かんないんだけど……
目の前で友達が笑顔で喋っててもそれは嘘かもしれない。
何処までが嘘なの?とか考えると不安になっちゃって……」
しぶきの能力は、「ろっこんの効果範囲内で誰かが嘘を言うと、舐めている飴の味が変わる」というもの。彼女の言う通り、誰が嘘をついてるのかまでは特定できないし、その嘘の内容が分かるわけでもない。
要は、疑いだせばキリがないのだ。
「それに、こんな能力だから。
他の人にバレちゃったときどういう目をされるのかって考えたら……
他人に嘘を暴かれるなんてイヤですよね? そんな人と関わりたくないですよね?」
メガネの奥から、クリッとした瞳で必死に訴えるしぶき。
「飴を舐めるのをやめればいいって思うかもしれないですけど、
好きだから不安なときこそどうしても欲しくなっちゃうんです……
ねぇせんせー。
あたしは大好きなものを捨てるべきなんでしょうか。
嘘とどうやって付き合っていけばいいんでしょうか?」
「そうねぇ……」
それから2人は、真剣に解決方法について話し合った。嘘というのは、樋口先生にとっても身近だったテーマだ。幼少期に、嘘つきだと言われ続けた経験。しぶきの場合は逆に、無実の友達を嘘つき呼ばわりしてしまう危険、あるいはそこまで行かずとも、常に友達を疑ってしまう自分への自己嫌悪だって、あるだろう。
けれど、彼女が飴を舐めるのをやめることができないなら、どれも解決は難しい話だ。
結局先生には、他の人にはなるべくこの能力のことは言わない方がいいだろう、というアドバイスができたくらいで、それでもしぶきはピョコンと立ち上がり、
「でも、話ができてスッキリしました!
それに悪いことばかりでもないんです。
賭け事するときには色々便利ですから! えへへ」
「まあ」
と先生を苦笑いさせるのだった。
最後に礼を言って、しぶきが退室しようとした時、
「知吹さん──ありがとう、ね」
と樋口先生が声をかけた。
一瞬、キョトンとするしぶきだったけれど、彼女は頭の回転が速い。すぐにその意味するところを察する。
(「先生の前で飴を舐めないでいてくれてありがとう」──、だ)
笑みを返すしぶき、そしてすぐさまドアからタッと取って返して、
「あたしこそありがと! せんせーにも飴あげるね!」
と先生の手にキャンディを握らせ、上機嫌で去っていくのだった。
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担当ゲームマスター
鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月01日
参加申し込みの期限
2013年08月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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