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せんせいといっしょ:樋口先生のろっこんお悩み相談室
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【
浮舟 久雨
の場合】
「お忙しい中、感謝します。まずは、私の能力について分かった範囲で説明しましょう」
事務的とも言える生真面目な口調で、
浮舟 久雨
が先生に相談を始めた。
「緊急事態や、危険だと認識すると……上手くは言えませんが、
思考速度が加速し、その場の状況や情報を基に、最も適した行動を弾き出します」
それが久雨のろっこん、【浮かぶ瀬は瞬刻にして】の効果である。
「正直な話、私自身この能力を把握しきれていない上、
有効に活用出来た例がありませんが」
と、そのキリリとした眉をひそめる久雨。何度かろっこんを試す機会もあったのだろう。
「悩みというのは、そのことかしら?」
樋口先生が水を向けるが、
「いえ……」
久雨が少しうつむいて、躊躇いを見せた。彼女には珍しい表情の揺れだ。
「私の悩みは……このろっこんで『自分の意に沿わない答えが出ても、従うべきなのか』。
例えばですが、誰かを危険に晒したり、犠牲にする方法が最も良い、との答えが出たら……
今までの私であれば、躊躇なく実行したでしょう。
しかし、今は……」
そこで目を伏せ、次の言葉を探しあぐねる久雨。
やがて、それでもきっぱりと顔を上げ、
「迷いが生じて判断が遅れたら、被害が更に増える可能性もあります。
私の意思を反映させた最善の方法を導き出せるよう、
今後は制御も視野に入れて、限界まで考え続けるつもりです、が……」
そんな久雨を見ながら、一方で樋口先生の方は、少し彼女の印象が変化したように感じているのだった。カドが取れてきた、とでも言うのだろうか。最初に授業で彼女を教えた時には、もう少し生硬で、どこか他人を寄せ付けないような、頑ななところがあったように思う。
それはつまり、他人の助けを必要としていない、ということでもあったのだが。
「浮舟さん、あなたはその力を──誰かを助けるために、使いたいのね?」
「無論です。言うまでもありません」
「けれど誰かを助けるためのろっこんで、誰かを犠牲にしてはいけない。そうも思うのね?」
「それは……そうかも、しれません。
しかし、多数を守るためには……時には、非情な決断を下す必要も……」
「浮舟さん、先ほどのあなたのお話は、先生も賛成だわ。
つまり、ろっこんに自分の意思を委ねたくないってことね?
ろっこんで結論を下す前に、ぎりぎりまで自分の意思で考え、動く努力をする。
そういうことなら先生も、とっても良いと思う。
でも──もう1つ覚えておいて。
浮舟さん、あなたも助けられて良いのよ」
「え……?」
久雨がぽかんと、呆気に取られた顔を見せる。
「ど、それはどういう」
「あなたは、真面目すぎるの。だから、全ての物事に責任を感じている。
自分が全部やらなくちゃ、ってそう思ってる。
ろっこんの話も、そう。起こった結果は全部自分の意思の反映、自分一人がその責を負うべき──
きっと、そう思ってるんじゃないかしら?」
樋口先生が、そっと久雨の手を取り握りしめる。
「でもね、あなた独りで全部をやる必要は、無いの。
あなたも誰かに助けてもらえば、それでいいのよ」
「…………、」
しばらく何かを言おうとして、その手を見つめていた久雨だったが、やがて諦めたように、のろのろと首を振った。
「私には、誰かに助けてもらう価値など──ありはしません、から」
それだけを言って、すっと彼女は立ち上がる。
「貴重な時間をご相談に乗っていただき、ありがとうございました。
仰って頂いたことは……少し、考えてみます」
「あっ、待って、浮舟さん。
じゃあ、最後に1つだけ。もしあなたのそのろっこんで、……」
その先生の問い掛けに、
「……私自身を犠牲にするのが一番だ、との答えが出たら、私はどうするのか、ですか?」
ドアノブに手を掛け、振り向こうともせず答える、浮舟久雨。
「その時は迷うまでも、ありません。──では」
そうして彼女の背中は、音も無くドアの向こうに消えていくのだった。
【
御剣 刀
の場合】
「俺にとってろっこんと言うのは、急に渡された道具です」
棚にあったメトロノームを手に取り、
御剣 刀
がそう話し始めた。自分のろっこん【加速】について、思っている事を誰かに聞いてもらいたい。そんな時に彼は、樋口先生の噂を聞いたのである。
「最初は良く分からなかったんですけれど、
色々な事件に関わって行く内に段々と自覚して……」
メトロノームをそっと机の上に置き、その針を倒す御剣。
チッ…… チッ…… チッ…… チッ……
小さな機械が息を吹き返し、規則正しいリズムを刻み始める。じっとその往復する針先を見ながら、黙って彼の話を聞いている樋口先生。
「自分の意志で使えるようになってからは、必要だと感じる時に使っていって……
そこで、少し怖くなりました」
おもむろに御剣が、針の中央のオモリをスライドさせた。
「頭の中にある撃鉄を落とす、その瞬間加速された精神が見せる世界は──」
チ………… チ………… チ…………
メトロノームが刻む拍が、とてもゆっくりに変化する。御剣が続ける。
「──物も人も動物も全ての動きがとてもゆっくりで、
俺を意識を置いていつもと変わらずに動いている。
その世界の中を加速された自身の肉体を以て、自由に動き回り事を成す」
揺れるメトロノームの針に手を伸ばし、
人差し指で御剣が、あっけなくその音を止めた。
不意に訪れる、静寂。
「その時の気持ちも、しゃべった言葉も、やった事も誰にも認識されず、
ただ結果のみが皆に知れ渡る」
与り知らぬ外からの力で止められてしまったメトロノームは、ただそこで黙ったままだ。
「先生──」
そこで御剣が、初めて顔を上げた。ボサボサの髪で表情はよく分からないが、その奥の瞳は、真っ直ぐに先生を見つめている。
「この力を使うと俺は皆を置いてけぼりにして、勝手に一人で先に進めてしまう。
この力を使い続けて成長したら、俺は皆を置いてけぼりにして独りでいる事が当たり前になる。
その時、俺は今の俺と同じなんだろうか? そんな俺になって良いんだろうか?
そんな──不安を抱くようになりました」
この能力を自覚して扱えるようになってから、ずっと抱えてきた不安。
言葉にしたのは、これが初めてだ。樋口先生は、メトロノームと同じく黙ったまま。しかし、ようやく口にできたことで少しだけ、楽になったような気がする。
「先生、聞いてくれてありがとうございます。
友達には話しづらくて、でも誰かに聴いてもらいたかったんです」
一礼して御剣が立ち上がり、再びメトロノームが動き出した。
チッ…… チッ…… チッ…… ペキッ。
「御剣くん」
「──えっ?」
不意に投げられたそれを、振り向きざまに御剣がキャッチする。何事かと手を開いてみれば、それは先ほどの、メトロノームの針だった。
「先生、これは……?」
樋口先生が、振り子を手で折ったのである。何故そんなことをしたのか意味が分からず、見返す御剣に、
「御剣くん。あなたは独りにならないわ」
そう伝える先生。
「断言する。あなたが思いもかけない方法で、あなたに追いつくお友達が、きっといる」
無造作に折られた針を、はっと見つめる御剣刀。
「だから、安心して良いのよ。
あなたはそのまま、走って行きなさい──思いっきり、行ける所まで」
そうして樋口先生は開いたドアの向こうを、まっすぐに指し示す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月01日
参加申し込みの期限
2013年08月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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