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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
三不管ノスタルジア
ジニーが店から出ると同時に、警戒をしていた龍八が立ち上がる。手にはガラクタ置き場から漁ったのか空き瓶を複数持っていた。その瓶の中には黒色の濁った液体や茶褐色の透明な液体などが入っている。
「首尾はどうだ？」
と、液体の入った空き瓶に落ちていた紙くずなどで封をしながら龍八が訊ねる。
「交渉は６０点ってとこ。目的のブツは得られたが、先に同じ物を交渉されていたら分が悪い。あとウルフカットのジジイと不可侵を結んだ。ヤツも銃持ち。」
ジニーは正直に正義との不可侵の件も含めて、バツが悪そうに説明する。
「そうか。時間が無いのだから止むを得ないな。高望みをして得られるものも得られないのならば効率が悪い」
ジニーに対して失望するわけでもなく、あくまでも合理的に判断をする龍八。
２人の様子に気付いたのかヨハンが静かに合流する。そんなヨハンにジニーは拳銃と弾薬を渡す。
「それ、安全装置無いから」
受け取った拳銃のスライドなどを確認するヨハンにジニーが声をかける。
「……」
ヨハンは黙って頷いた。
「では、いくぞ」
龍八はコートのポケットに空き瓶を放り込みながら歩き始める。
「で、その瓶は何なのさ。なんとなく予想はついてるけど」
故売屋で売らなかった分の煙草を咥えながらジニーは訊ねる。
「モロトフ・カクテルだ。配分は廃油、食用油。灯油やガソリンが少なかったので味のほうは期待できないがな」
瓶の１本を掲げると龍八はそう言って、酷薄な笑みを浮かべるのだった。
故売屋から出てきたワーストの３人とブリジット、蛇那伊、円の３人組がすれ違う。
ブリジットたちは彼女のアクセサリを換金しにやってきたのだった。
すれ違う瞬間、ブリジットを庇うように蛇那伊と円が身構えるがワーストの３人はあくまで視線をそちらに向けただけだった。
「邪魔をするなら排除する」
と、小声で龍八はブリジットたちに宣言する。
「それはお互い様よ。……うふっ♪」
ドスの聞いた声のトーンとは裏腹に笑顔を向ける蛇那伊。
「……」
それ以上の会話があるわけでもなく彼らは行き違っていく。
再び故売屋にて。
「今日は来客の多い日だね。しかも部外者と来た」
客を歓迎しているのかいないのか分からない言い回しで店主はブリジットたちを出迎える。
「こんばんは。換金してくれるかしら」
ドレス姿のブリジットは意識的に英語で会話をしようとする。もちろんこの世界では不思議なことに言葉が通じ合っているので、使用者本人には雰囲気作り以外の何物でもなかったが。
「お嬢ちゃん、英国人か？ できれば中国語のほうが助かるんだがネ」
故売屋の老翁には英語として聞こえているらしかった。
「そうよ」
と、自分の欧米人としての外見を十二分に活かすブリジット。
テーブルの上にじゃらりと身に着けていたアクセサリのいくつかを載せる。
「お嬢ちゃんも高く売れそうなんだがね。ヒッヒッヒッ」
ターコイズブルーの装飾が美しいネックレス、琥珀色の髪飾りなどなど……。星ヶ丘寮生であるブリジットのラグジュアリーなそれらを値踏みしながら店主はブラック・ジョークを吐く。
「あら、笑えない冗談ね」
ブリジットがそう言うと、黙って傍に控えていた筋骨隆々の偉丈夫、蛇那伊がじろりと睨みを利かせる。
「立派な護衛をお持ちなようで。とはいえ、ここは九龍、ゆめゆめ気を抜かれませぬよう」
意地悪そうに店主は笑うと、ゴシックドレスの円に気付く。
「おや、そちらのお嬢さんは従者かね。彼女もなかなかよい値段がつきそうだがね」
再び冗談を続ける店主。言いながらも粗製の紙にアクセサリの値段を書き付けていく。
「彼女は友人よ。あんまりそういう冗談を続けると無かったことにさせてもらうわよ」
さすがに不機嫌そうな表情を浮かべるブリジット。自分はともかく友人まで商品扱いされるのには気分を害したようだった。
「そうかなぁ。僕は女の子っぽくないよ？」
と、円は首を傾げる。円自身は自分は異性として魅力はないと思っているらしかった。
「円ちゃんも可愛いわよ」
蛇那伊は入り口などに気を配りながらそう答える。警戒しているようだった。
「……ともかく。いくらくらいかしら？」
強引に話題を戻すブリジット。
「小振りとはいえ真物出されたらな。じっくりと確認したいところだが時間がないんだろう？ 多少、低めでも構わんかね？」
先ほどの調子とは打って変わって真剣な眼差しでブリジットを見つめる店主。ジニーや正義、そしてブリジットたちの様子を見てそう判断したらしかった。
「『Years know more than books』ね。そこまで看破されたら仕方ないわ、手を打ちましょう」
ブリジットは少し大仰に肩を竦めてから頷いた。
「首尾はどうだ？」
と、液体の入った空き瓶に落ちていた紙くずなどで封をしながら龍八が訊ねる。
「交渉は６０点ってとこ。目的のブツは得られたが、先に同じ物を交渉されていたら分が悪い。あとウルフカットのジジイと不可侵を結んだ。ヤツも銃持ち。」
ジニーは正直に正義との不可侵の件も含めて、バツが悪そうに説明する。
「そうか。時間が無いのだから止むを得ないな。高望みをして得られるものも得られないのならば効率が悪い」
ジニーに対して失望するわけでもなく、あくまでも合理的に判断をする龍八。
２人の様子に気付いたのかヨハンが静かに合流する。そんなヨハンにジニーは拳銃と弾薬を渡す。
「それ、安全装置無いから」
受け取った拳銃のスライドなどを確認するヨハンにジニーが声をかける。
「……」
ヨハンは黙って頷いた。
「では、いくぞ」
龍八はコートのポケットに空き瓶を放り込みながら歩き始める。
「で、その瓶は何なのさ。なんとなく予想はついてるけど」
故売屋で売らなかった分の煙草を咥えながらジニーは訊ねる。
「モロトフ・カクテルだ。配分は廃油、食用油。灯油やガソリンが少なかったので味のほうは期待できないがな」
瓶の１本を掲げると龍八はそう言って、酷薄な笑みを浮かべるのだった。
故売屋から出てきたワーストの３人とブリジット、蛇那伊、円の３人組がすれ違う。
ブリジットたちは彼女のアクセサリを換金しにやってきたのだった。
すれ違う瞬間、ブリジットを庇うように蛇那伊と円が身構えるがワーストの３人はあくまで視線をそちらに向けただけだった。
「邪魔をするなら排除する」
と、小声で龍八はブリジットたちに宣言する。
「それはお互い様よ。……うふっ♪」
ドスの聞いた声のトーンとは裏腹に笑顔を向ける蛇那伊。
「……」
それ以上の会話があるわけでもなく彼らは行き違っていく。
再び故売屋にて。
「今日は来客の多い日だね。しかも部外者と来た」
客を歓迎しているのかいないのか分からない言い回しで店主はブリジットたちを出迎える。
「こんばんは。換金してくれるかしら」
ドレス姿のブリジットは意識的に英語で会話をしようとする。もちろんこの世界では不思議なことに言葉が通じ合っているので、使用者本人には雰囲気作り以外の何物でもなかったが。
「お嬢ちゃん、英国人か？ できれば中国語のほうが助かるんだがネ」
故売屋の老翁には英語として聞こえているらしかった。
「そうよ」
と、自分の欧米人としての外見を十二分に活かすブリジット。
テーブルの上にじゃらりと身に着けていたアクセサリのいくつかを載せる。
「お嬢ちゃんも高く売れそうなんだがね。ヒッヒッヒッ」
ターコイズブルーの装飾が美しいネックレス、琥珀色の髪飾りなどなど……。星ヶ丘寮生であるブリジットのラグジュアリーなそれらを値踏みしながら店主はブラック・ジョークを吐く。
「あら、笑えない冗談ね」
ブリジットがそう言うと、黙って傍に控えていた筋骨隆々の偉丈夫、蛇那伊がじろりと睨みを利かせる。
「立派な護衛をお持ちなようで。とはいえ、ここは九龍、ゆめゆめ気を抜かれませぬよう」
意地悪そうに店主は笑うと、ゴシックドレスの円に気付く。
「おや、そちらのお嬢さんは従者かね。彼女もなかなかよい値段がつきそうだがね」
再び冗談を続ける店主。言いながらも粗製の紙にアクセサリの値段を書き付けていく。
「彼女は友人よ。あんまりそういう冗談を続けると無かったことにさせてもらうわよ」
さすがに不機嫌そうな表情を浮かべるブリジット。自分はともかく友人まで商品扱いされるのには気分を害したようだった。
「そうかなぁ。僕は女の子っぽくないよ？」
と、円は首を傾げる。円自身は自分は異性として魅力はないと思っているらしかった。
「円ちゃんも可愛いわよ」
蛇那伊は入り口などに気を配りながらそう答える。警戒しているようだった。
「……ともかく。いくらくらいかしら？」
強引に話題を戻すブリジット。
「小振りとはいえ真物出されたらな。じっくりと確認したいところだが時間がないんだろう？ 多少、低めでも構わんかね？」
先ほどの調子とは打って変わって真剣な眼差しでブリジットを見つめる店主。ジニーや正義、そしてブリジットたちの様子を見てそう判断したらしかった。
「『Years know more than books』ね。そこまで看破されたら仕方ないわ、手を打ちましょう」
ブリジットは少し大仰に肩を竦めてから頷いた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年07月14日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年07月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年07月21日 11時00分
