三不管ノスタルジア｜リアクション

三不管ノスタルジア

１９.真相ノシニシズム

　綺麗に磨かれたリノリウムの床、清潔感のある空気と電子音だけの静寂。そこにナァという猫の鳴き声。そして、ゴシックロリータの少女がベッドの傍らに立っている。
　……円は深夜の病室に居た。
　午前５時の少し前。夜明け前の薄い藍が病室内を照らす。
　ベッドで眠るのは１人の老人。
　「お、脱出したかと思えば、変な場所に戻ってきたな」
　と、テオ。言葉尻からはどうでもいいと言わんばかりの感情がにじみ出ている。
　脱出した人物はシーサイド九龍、もしくは元いた場所付近に戻されるはずだった。
　「どういう……こと」
　老人から伸びたコードの先にある電子機器。それが映している弱い波形を見て、円は尋ねる。
　「頭ではわかってんだろ。俺はそんなことより、ののこのテストの成績のほうが気になる」
　テオは毛づくろいをしながら答える。
　「じゃあ、何でテオはここにいるの」
　円の声は怒っているのか悲しんでいるのか、感情がかき混ぜられているように震えている。
　「一応ってヤツだ。死ぬ前のどでかい花火みたいなろっこんだったからな。ま、それももうすぐ終わる。ところでののこは水泳できるんだろうか？　もしできないなら、教えてやってくれ」
　世間話をするようにテオは言葉を返す。もうここには興味がないようだった。
　「……もういい」
　円は顔を伏せるようにして病室から出て行った。

　ピー……。
　無感情な電子音が流れる。

　「お、終わったな。じゃ、帰るか」

　脱出成功？：【桜庭円】

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あとがき

担当マスター：深城和哉
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大変お待たせしました。
いつものことながら遅筆で申し訳ありません。

今回は全体的に厳しく、ハードな展開となっております。

個々の判定や採用不採用、及びアドリブについては個別コメントをご確認ください。

また、【脱出失敗】【死亡】された方については『現実世界への悪影響の案』を個別コメントのほうに記載しております。
自由設定に採用・不採などは皆さんにお任せします（悪影響なんてなかった！というのもよし、アレンジしてくださっても問題ありません）。

ご参加頂きありがとうございました。

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