【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆｜リアクション

【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆

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　矢印看板に導かれて。
　スタッフから説明受け中の星の塔からのお客人４名様の姿もあった。

「ぐるっと池の周りを一周？　団長これで競争しようぜ！」
「ん？　ペアを組んで回るのか。まあいいだろう、短い時間で戻って来たペアに大幅加点だ」
「分かりやすくていいじゃねぇか」
「ほー、つまり二人で行くのか。組み合わせはどう決めますかい」
「籤でいいだろう」

　七夕の意をよく知らぬ面々であれども、それはそれで楽しみ方があるというもの。
　団長であるティクス・ソルが紙縒りで簡単に籤を作れば、一斉に引いた。
　先端の色が赤と青に分かれたそれを互いに見せ合う。

「オレのペアはー……コル兄さんか。フォーマも団長もはええからはりきっていかねーとじゃん！」
「スピード勝負だからな。ここはイダスにあわせてやるかぁ」

　赤色を突き合わせては、イダス・アグリオスとコル・ティグリスがペアを確認した。

「おれの相手は大将か！」
「決まったようだな」

　フォーマ・シャオが嬉しそうに青をフリフリさせながら寄って来るのを、目で微笑んで受け止めながら。
　ティクスがそれぞれの組分の提灯を手渡す。
　まるでそれを合図としたように、がっちりと提灯持ち合ったコルとイダスが一気に駆け出した。

「コル兄さん最初っから飛ばして行こーぜ！　だいぶ暗えけど次の灯篭めがけて走りゃ行けんだろ」
「望むところだ！」

　先手必勝とばかりにもう背中を小さくした二人を、呆気にとられたように見送るティクス。
　池の全長を考えると、あのペースでは恐らく後半スピードが落ちるだろう。慌てる事はない。
　そう判断済みであればフォーマを見上げた。

「アイツら……少しは風景を楽しむ気がねえのか。フォーマは走るのと楽しむのとどっちが好みだ？」
「なら、景色を堪能した後に……一気に攻めねえか」
「そうだな、面白そうだ。付き合うぞ」
「おれァ自信あるぜ。大将とだからな」
「お前の足に俺がついていけるかにかかっているからな。期待に応えるよう善処しよう」

　笑いながらティクスが差し出してきた提灯に、手を重ねるようにフォーマもしっかりと握れば
　さあ行こうかと、まずは夜の風情の中へと歩み出す二人であった。