【星幽塔】第一階層　マイ・フェイタル・シャドウ｜リアクション

【星幽塔】第一階層　マイ・フェイタル・シャドウ

　ミハイルがフランチェスカの元へやってきた。
「準備が出来たぞ。フェーズ２を発動する」
「分かりました。では、私たちは北門へ退きます」
「うむ、頼んだ。……信乃、信乃はいるか？」
「みはいる殿、俺は此処に！　如何致しましたかな？」
　小犬丸が再び巡回で砦に戻ってきた。
　ミハイルの声がしたので瞬間移動してきたのだ。
「フェーズ２へ移行する。すぐに部隊長各位に連絡を頼むぞ」
「仰せのままに！　では、八神殿、お側に侍るをお許しください！」
　小犬丸が柏手を打つと、再び姿が忽然と消えていった。

「そうか、いよいよか」
　八神は星の珈琲を飲んで星の力を充填していた。
　フェーズ２は八神のろっこんが重要な要素を担っているのだ。
　ミハイルとの連携でより大きな効果を狙う手筈である。
「ありがとう、小犬丸。早くみんなにも伝えてくれ」
「かしこまりました。では、俺は失礼仕る！」
　小犬丸がろっこんで瞬間移動のを確認した八神は、兵士たちに告げる。
「総員、準備は良いな？　ゆくぞ！」
「「おおっ！！」」
　八神隊50名は一斉に砦の壁の上へ駆け上がると、そのまま最上階から全員が飛び降りてゆく！
　その光景を見ていた風雲児が唖然とする！
「馬鹿野郎！　血迷ったか！？」
　だが次の瞬間、八神の足元から炎が噴射！
　そのままロケット噴射めいて天高く昇ってゆく！
　八神だけではない！　八神隊の兵士たちも同様に足の裏から火を噴かせて空へ飛び上がっていくではないか！
「えええええええええ！？　飛んだああああ！？」
　風雲児、ＳＡＮ値チェックな？
　１／１Ｄ１０で勘弁してやろう。
「魔法の力とはいえ、科学の応用は可能だ。見てくれ、足の裏に魔火の力を宿し、推進力にすることで空を飛ぶことが実証された！　でも、あちちちっ！　足の裏の熱さは我慢するしかないか。耐熱靴の開発を急がないと。あとはちょっとバランスを取るのが大変だが、おっと！　うん、じきにこれは慣れるな」
　冷静に分析しながら砦の上でびゅんびゅん飛び回るウルトラ八神隊。
　飛来する矢も余裕で避けてゆく！
「風雲児、小犬丸から聞いてると思うが、あとは俺達に任せてくれ。フランチェスカを頼む！」
「お、おう……！　すげぇ、俺も後でやってみよう……！」
　魔火の光を宿す風雲児、ヒーローとしてこれは真似したくなるかっこよさであった。