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猫又川の狐化かし
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『化かされおっさん』の情報集めについて語り合う、
桜庭 円
と
御剣 刀
の通話を無関心を装い聞いていた
弘明寺 能美子
だったが、心の中では狐事件にひとつ思うところがあった。直接男と話しに行った円からのメールを見て、それはいっそう確信に近づく。
(その人、ひょっとして過去の何かを見せられてるの……?)
「とりあえず、最低限これは中に着て、と……」
まっすぐ自宅に帰った能美子がしたことは、水着を選ぶことだった。水をかぶったり、川に落ちたりしてもみっともないことにならないように。手早く服の下に水着を着ける。
(どうして私、川に向かおうとしているの?)
能美子は自問する。答えはすぐに出た。人は過去に囚われるもの。過去に、自分が望む以上の影響を受けて、がんじがらめにされてしまう。能美子は実感として、過去の恐ろしさと言うものを知っていた。人のためでなく、自分の心にくすぶる何かのために。能美子は行動を起こすことに決める。
少し迷って、しまいこんでいた壊れたピアスを握り締める。傾き始めた日の光を長い黒髪に受けて、能美子は猫又川へと急いだ。
(自分の過去にすら勝てない私が、他人の過去を救えるわけない……かも)
少し自信がなくなってくる。能美子はその考えを振り払う。
「でも、他人の過去をもてあそぶ馬鹿になんて負けたくない。私は勝てるわ。ううん、勝ちたい」
自分のプライドを駆けて、能美子は走る。
「能美子ちゃん!」
角から飛び出てきた円と鉢合わせた。ちょうどよく合流できた形になる。
「行きましょう」
「うん、川へ!」
男は、呼ぶ声を今日も聞いた。
「おとうさん、おとうさん」
もうすぐ夕方になる。呼ばれることはわかっていた。
「おとうさん。きょうはお客さんが多いね。お友だちなの?」
違うよ。ただのお客さんさ。さあ行こうか。
「そうだよね。おとうさんのお友だちは僕だけだよね」
男はゆっくりと歩き出す。旧市街の小道を、二人は手をつないで散歩していた。ゆっくり、ぐるぐると、細道を回る。それから、猫又川に向かった。少年がぱっと手を離す。川端の、ないはずの大木に身を隠して
「かくれんぼだよ」
と言った。男はにっこりと笑って、自ら流れる水にずぶずぶと入って行く。
少年は――少年に化けた狐は、川の異常に気づいていた。なぜ今日は、川に人が多いのか。しかも、大嫌いな『おかしな力を持つ人間』までなぜこんなにいるのか。あやかしでもないのに、不思議な力を授かっている人間たち。妖怪たちすら軽く越える力を平気で振るえるものたち。奴らが自分の時間を、自分の場所を、侵そうとしている。
「あんなおかしな奴ら、大嫌いだ。みんな化かしてやる」
――だからおとうさんは、そこで待っていてね。
狐は持てる力のすべてを開き、人々を狐化かしの世界に引きずり込もうとする。
能美子と円、二人が猫又川に着いた時には、周囲はちょっとしたパニックになっていた。今日に限って、野次馬たちの大半も、狐に化かされ始めていたのである。『化かされおっさん』を笑いに来たはずの人たちが、その当人を笑う前に、術中にはまっていた。ある者は悲鳴をあげ、ある者は笑い転げている。それぞれ別な幻を見て、別々の世界に囚われているのだった。おっさん同様、深みにはまってしまっている人間もいる。
「何これ……!?」
「能美子ちゃん、気をつけて! 狐の、……う」
隣にいるはずの能美子の気配が消える。円は中学校にいた。ぜんぜん女の子っぽくないね、なんて言われてばかりいたころだ。性格も、体つきも、口調だって。
(ぼくはぼくだもん。心は女の子だ)
でも、少し昔の円は、自分らしい自分と憧れに折り合いをまだ、つけられなくて。好きだった男の子に、恋の相談をされたっけ。相手は自分じゃなかった。ちょっと苦い思い出。
(縁がなかっただけなんだよね? でも、ちょっと悔しかったな)
悔しいと思うのは、それが取り返せない過去のことだから。ぼくは今、過去を思い出している。それだけ。これは、今じゃない。
悔しくて、少し悲しい気持ちを、幻を、吹き飛ばすため。円はこぶしを握り締めた。
痛みとともに、自分を呼ぶ声がする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月05日
参加申し込みの期限
2013年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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