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猫又川の狐化かし
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気がつけば、五十も半ばになっていた。鏡をのぞけばさえない頭の薄い男がひとり。中年と言うよりもう初老だな、と思う。ため息をついて、箸を置く。白飯一膳と鯖缶、ビール。室内にはバラエティ番組の下世話な笑い声が響くだけで、男以外の人の声はない。
「正直に生きていれば報われる、なんて思っていたけどなぁ」
人生は残酷だよ。男は寂しそうにつぶやいて、ビールをあおった。
「ちくわがなければ即死だったよ……」
新井 すばる
は語る。深夜怪談で有名なタレントの口調を真似て語る。彼の紡ぐ物語を聞くのは
ブリジット・アーチャー
と
イルマ・サトウ
だ。クーラー完備の部室のはずなのに妙に暑苦しいのは、すばるがタレントの顔真似までしようとしているせいだろうか。ブリジットはすばるの向かいでメインの聞き手を務め、イルマはかいがいしくもアフタヌーン・ティーの準備をしている。
「今日も暑いですわね。紅茶と、おいしいケーキを用意いたしましたわ。どうぞご賞味くださいませ」
「ありがと。あら、しゃれたデザインね」
ブリジットは目ざとく、ティーセットのデザインが新しいものになっていることに気づく。ケーキも見たことのないものだ。イルマはその問いに優雅な笑みで答える。
「はい、お嬢様のご慧眼さすがでございますわ。暑さを和らげる涼やかなイメージで揃えさせていただきました。ケーキは
『Raton』
の限定新作を予約しておきましたので」
「わあ、梨? メロン? きれいな色だね、おいしそう!」
差し出すケーキ皿を直に受け取ろうとするすばるに、イルマはそっと目で『サービスは私にお任せください』と告げる。すばるはメイド業のプロフェッショナルであるイルマの仕事を尊重し、すっと手を引っ込めた。また大げさに深刻な表情を作って、語りを再開する。
「これはこの前、ボクが実際に体験したことなんだけどね……」
「ボクは猫又川の横を例の着ぐるみ『ちくわくん』で歩いてた。そして噂になってるあの川原を通りかかると、ブリジットさんの声が聞こえたんだ。はっとして声がした方を見るとね、ちょっと離れたところに……立ってたんだよ……」
「待って、すばる。何が悔しくて真夏日にちくわの着ぐるみなんて着こんでたのよ」
「販促だよ? 近所だし、店から着てったんだ」
「私はそんなとこ行かなかったわよ?」
すばるは黙ってかぶりを振り、話を続ける。推理をする探偵のように両手を組み合わせ、テーブルにひじをついてブリジットを見据えた。
「ブリジットさんは『すばる~』って、手をひらひらさせて、笑顔でボクを呼ぶんだ。だもんで、はーいって近づいて行くとね、急に後ろから
例の便座
をさっと出して、また『すばる~』って呼ぶんだよ」
「それからどのようなことが起こったのでございますか?」
「また返事をしたら、その便座がボクを吸い込んで行くんだ。そう、西遊記のアレみたいに」
古典伝奇の傑作の筋書きに似た展開。イルマは大きく目を見開く。
「まあ! なんて不思議なお話なんでしょう。興味深いですわ、すばるさん」
「イルマ。無理して変な相槌打つことないのよ」
「そんなことはございませんわ、お嬢様。最近聞いた中で、もっとも不思議なお話です」
会話がずれ始めている。ブリジットは混乱しかけた頭を冷やすべく、熱い紅茶の注がれたカップに口をつけた。ふくよかな香りが鼻腔をくすぐる。
「ボクは便座にはまったまま、もがくんだけど逃げられない。それを見てブリジットさんは『確定』ってつぶやいたんだ。そしてレバーをひねると、どじゃーっと水の音がして、ボクは便座に吸い込まれていった……」
ブリジットの顔が怒りと呆れ顔の混合に、イルマの顔がおとぎ話を待ちわびる幼子のように変化する。ここまで語るころには、すばるの顔真似もさすがに終了し、いつもの表情に戻っていた。
「で、叫び声をあげたんだけど、その声で気づいたんだ。自分が川の中にすっかりはまっていることに。それも水かさがすごいところでさ。とっさに持っていたちくわをシュノーケル代わりにして、命からがら岸にたどり着いたんだよ。もう、大変だったね!」
語り終えたところで、すばるはしっとりとしたケーキにフォークを差し入れ、大きくすくい取って味わう。彼が美味に喜び、ほうっと幸せのため息を吐くところまで待ってやってから、ブリジットは厳しい顔で一言、こう言った。
「ごめん、意味がわからないわ」
「ええっ!?」
「わかるわけないでしょ。私がトイレですばるを流した? あなたの家にトイレはあるでしょ?」
「そうなんだけど、あの時は違ったんだ。これはね、寝子島を襲う巨大な陰謀の始まりかもしれないんだよ! あ、イルマさん、紅茶ありがと」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月05日
参加申し込みの期限
2013年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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