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猫又川の狐化かし
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「おっさんがはまったぞー!!」
「はわわあぁ!?」
添木 牡丹
は突然聞こえた大声に驚き、思わず手荷物を取り落とす。ちょうど猫又川に差し掛かったところだった。橋から身を乗り出してみれば、頭の薄い中年男が今まさに、川にざんぶざんぶと足を踏み入れているところだった。体はすねから腰、胸とどんどん濁った水に浸かっていく。
「えっ、えー!? な、なんでおじさんが川に入水してるのですかー!?」
男は以前、旧市街で迷子になった牡丹に親切に道を教えてくれたのだ。義理堅くも彼女はその礼をしたいと、男の家に向かっていたのだが――礼をすべき相手が、濁流渦巻く川のど真ん中にいる。落とした菓子折りを拾うのも忘れて、牡丹は大きく目を見開いた。慌てて両目をごしごしとこすってもう一度見るが、異様な光景に変化はない。周りにはたくさんの野次馬と、川にはまった人々が見えた。何人かは見知った顔である。
「な、ど、どうしてみんな川に……!? じ、自殺なんてダメですよ!」
橋を渡り、堤防を降り、できるだけ男の近くに行こうとした。人ごみをかき分けるのはためらわれて、足を止めた瞬間、牡丹は狐化かしに囚われる。
牡丹は猫又川に一人立っていた。野次馬も、川にはまった同級生も、親切だった中年男も誰もいない。川の流れる音も人の声も聞こえなかった。静寂に耐えかねて、きいんと耳鳴りがしはじめる。
「……えっ。あれは、前にいるのは、私?」
真正面に立つのは牡丹によく似た少女。牡丹とまったく、同一の少女。しかし牡丹は目の前の少女が単なる鏡像にはありえない、どす黒い邪悪さを放っていることを知る。
「……この、感じ……あなた、まさか、『のばら』?」
もう一人の牡丹、『のばら』は名を言い当てられて、にたりと笑った。
「キャハ★ 何の因果か、こうしてあなたと話せるなんてね」
のばらはゆっくりと牡丹に歩み寄る。目の前の光景がまだ信じられずにいる牡丹の頬に手を伸ばし、滑らかな頬を撫でさすった。
「うれしいわ、表人格♪ 私よ。『今は』のばらと言う名の、あなたの親友よ」
元親友かもね。そう言ってのばらはきゃらきゃらと笑う。牡丹は声を発することもできず、かたかたと震えだした。恐怖と驚愕に支配され、後じさろうとする手をのばらがぐいと乱暴につかむ。とがった爪が食い込む痛みで、牡丹はこれが現実だと信じてしまった。
「ふふ……あなたってほんとに、忌々しい子。同じ顔、同じ血を分けた姉妹なのに、どうしてこんなに違ってしまったのかしら」
同じ顔に、違うまなざし。暗い艶をたたえた瞳で、のばらは牡丹を追い詰める。
「あなたは昔から、弟も、妹も、周りのみんなに慕われて。私はあの女……母親と同じ、『恐怖』で心を縛ることしかできなかったのにね」
ああ、まただ。いやだ。私の思い出したくないこと、向き合いたくないこと、見たら壊れてしまう記憶が、私を追ってくる。私を追ってきた。のばらの形になって。震える牡丹の心を、のばらの言葉一つ一つが打ちのめす。
「私が苦しんでいる時に、幸せそうな顔しちゃってさ。頭に来るったらないわ」
のばらの顔から笑みが消える。表情をなくした顔で続ける。
「だから、中学であんなにいじめてあげたのに……まさか、私を殺しちゃうなんてね」
「……めて……」
「私からなんでも取り上げて、自分のものにしなきゃ気が済まない? 人も、居場所も、命も……アハッ、ハハ……」
「……やめ、てぇ」
苦しくて、思うように声が出ない。のばらの手は、頬から牡丹の喉に滑り降りていた。小さな手の、どこにそれほどの力があるのだろうか。のばらの両の手は万力のように牡丹の喉を締め上げ始めた。
「アハハ! ねぇ、返してよ! 私の名前を……『
添木 牡丹
』をさ!」
(やめて――! 私、私……!)
「返せ! 私に、『私』を! 返せ!!!」
一人称の意味を見失って、牡丹の意識は闇に飲まれる。そして肉体は、ゆっくりと猫又川の底に沈んで行った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月05日
参加申し込みの期限
2013年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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