猫又川の狐化かし｜リアクション

猫又川の狐化かし

「ああ、行ってしまった」
『化かされおっさん』はうなだれる。僕は彼を傷つけてしまったのかな、と寂しそうにつぶやいた。
「坊主ら、こっから先は俺たちに任せとけ」
毒島柘榴は若者たちにそう言って、にやりと笑って見せた。おっさんに肩を貸し、立ち上がらせる。
「いっちょやるか、おっさん！」
もう片方の肩は、神無月文貴が支える。
「ガキのころは世話になったってぇのに、今まで悪かったな。川原で酒盛りってのもオツなもんだ。体あっためようぜ」
「ははは。……ありがとう。君たち背が高いから、肩を組むのは難しいよ」
「何言ってんだ！　それならこうか？」
「俺たちがしゃがめばいいのか。何だこりゃ、不恰好にもほどがあるぜ」
「キツネも悪さなんかしてねぇで、こうやってわいわいやれりゃあよかったのにな」
三人の男たちは、静けさを取り戻した猫又川の河川敷を歩いて行く。

「一件落着かな。俺たちも帰りますかね」
志波武道の声に、一同がうなずく。
「あー待ってー！　おいなりさん作ってきたから、誰か食べていかないー？」
「いろいろあるのだ！」
初島優と後木真央は辛くない方の重箱を掲げてみんなのもとに駆け寄る。
夕日はゆっくりと、地平線の影に隠れようとしていた。

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あとがき

担当マスター：清水るね
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命名「じゅり」……？('Д')

ご参加ありがとうございました。これにて「猫又川の狐化かし」は終了です。はげ頭がぷっかぷっかしてコメディになっちゃうかなーと予想していたのですが、みなさんシリアス寄り。おっさんを大切に考えてくださった方が多く、感謝とともに、彼に名前のひとつもつけてやらなかったことを後悔しています。今回もみなさんのアクションから、新鮮な驚きを受け取りました。寂しさと無力感から互いを求め、依存する関係になってしまったおっさんと狐。おっさんには多くの救いが寄せられましたが、狐は力の一部を失い、さらにかわいい名前まで与えられてしまい、なりかけ妖狐のプライドを粉々に打ち砕かれてしまいます。アイデンティティ崩壊の危機を迎えた狐の運命やいかに？今後が描写されるかどうかは、まだまだ未定です。

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それではまた、次のシナリオでお会いいたしましょう。

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