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時間は
御剣 刀
が
桜庭 円
と通話をしていたときにさかのぼる。横には、
弘明寺 能美子
がいた。彼女は円と刀のやり取りをスピーカー通話で聞いていた。
「俺の方は……地道にやっていくか。弘明寺はどうする?」
「私はちょっと、行くところがあるから。また後で。タイミング合ったらだけど」
ふいと能美子は背中を向けて去って行く。刀はただ、ああ、とだけ答えた。刀の目的は、円と同じ旧市街での聞き込みだ。ただし刀が話をする相手は化かされおっさん本人ではなく、近隣の住人、それも男と同年代以上の者である。今の異常な状況は、過去に起因するのではないか。刀はその推論を元に年配の住人を探しては、化かされ男に関する話を聞いていった。
いわく、男はかなり若いころから狐に化かされてきたのだと言う。それを苦にするでもなく、ただへらへらとしている男は周囲の者から軽んじられている。
いわく、狐憑きのせいで、男は家庭もなく孤独な一人暮らしをしているそうだ。仕事でミスをすることも多いため、出世とは無縁の万年平社員だ。
いわく、男は町内会の行事にも積極的に参加し、いつもやさしくまじめである点だけは評価すべきであると言う。
性根のいい奴ではあるんだよ、と、地域の噂に詳しい商店主の男は刀に語った。
「ただなァ。あの狐憑きってとこでもう、ぜぇんぶ帳消しだ。頭がちょっと……ってことだからなァ」
(孤独な人生……狐だけがおっさんを相手にしてくれる、というところだろうか)
次の建物の前で、刀は少しだけ身構える。流れるような筆運びで書かれた『神無組』の看板。
「ごめんください」
覚悟を決めて、扉をくぐる。刀の姿を見るや、二人の男が左右から挟み撃ちをするように近づいてくる。背が高く、背広の上からでも鍛えているのが伺える体格だった。
「坊ちゃん。何の御用ですかね」
「『化かされおっさん』のことで何か知っていることがあれば聞きたいと思って」
「世間話ならよそでやってもらえねぇかな」
男と刀はにらみ合う。強面の男にねめつけられても、刀は一歩も退かない。
「誰か、話を聞かせてくれる人は」
まで言いかけたところで、奥から男の声がした。
「おう、いるぞ。てめえら下がれ」
「ですが、くみちょ……」
「いいから下がれって言ってんだろ」
低い、静かな声。だがそれはまさしく強烈な一喝だった。屈強な男たちは黙って一礼し、奥に引っ込む。男たちを制したのは、長身痩躯のシャープな空気を漂わせる男だった。
「坊主、すまねえな。おっさんのことなら俺が詳しいぜ。ここの組長やってる、
神無月 文貴
だ」
文貴に促され、刀は黒い革のソファにかける。こういう椅子は体がずぶずぶに沈み込むほど柔らかいのだと思っていたが、意外としっかりとしたすわり心地だった。刀が何を思ったのかを察して、ぐずぐずの安もんなんぞ置いてねぇよ、と文貴は笑った。
「まあ、楽にしてけ。……で? なんで坊主はあのおっさんのことを聞いて回ってる」
「
御剣 刀
です。このままでは、あの人の命が危ない気がして」
文貴の片眉がぴくりと上がった。
「てめえも……ああいや、刀の坊主もそう思うか」
「おっさんがどんな人だったか、聞かせてください」
「ああいいともよ。おっさんのこたァよく知ってる。バカを百も二百もつけても足りねぇぐらいのお人よしでな。怒ったのなんか見たことがねェ。俺がガキのころから、狐憑きだの頭が弱ェだの物笑いの種にされてたが……」
触れれば切れてしまうような凄みを感じる目つきだが、少しだけやさしい光が宿ったように感じられた。
「俺がよ。親父とケンカして外に飛び出したら、どうやってか知らねぇが、あのおっさんがいつも見つけてくんだよ。隣に座ってなぁ。俺のカッカした頭が冷えるまで、何を言ってもうん、うんって聞いてな。慰めてくれたんだよ」
「……優しい人なんですね」
「ああ。坊主はおっさんのこと、どう思ってる」
「悪い人ではないと思います」
「そうじゃねえ。おっさんの狐憑きのことだ」
「……ひょっとして、死にたがってるんじゃないか。そう思えてきて」
「なんだと?」
眉根を寄せる文貴。だが、その注意は目の前の少年から、外の喧騒へと一瞬で移る。
「相談している時間はもうねェようだ。おっさん、川に向かってるぞ。野次馬も流れてらァ」
「俺、川へ向かいます」
「おう。刀の坊主は先に行け。いつも通りならおっさんは旧市街をさんざ引き回されてから川に入るはずだ。まっすぐ川に行けば先回りできる。俺も後から行く」
「わかりました。……あ。看板の文字、見事ですよね」
「ああ? わかるか? ありゃ直筆だ」
武の道と書の道。道は違っても極めの道だ。世代を超えて通じ合うものに小さく笑って、刀は駆け出した。その背を見送ることなく、文貴は奥の間に入る。神棚の間に祀られていた日本刀を引っつかむ。懐には娘の写真。部下の止める声も無視して、文貴は飛び出した。
「待ってろおっさん。今助けに行く!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月05日
参加申し込みの期限
2013年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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