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【恵御納家のお誕生日】
恵御納 久隆
、齢にして三十八。六月はまこと一大事と心得て候。
などとサムライのごとくきりりと唇を結び、彼は一心に車を走らせておりました。眼光鋭く、逆八の字を描く眉もりりしく、今まさに討ち入りにでも向かおうかといった面持ちです。
時刻は夜八時を回ったところ。夜闇を照らすヘッドライトの明かりを半ば睨みつけながら、つぶやきが久隆の唇を割って漏れ出しました。
「急がねば……妻の誕生日に間に合わん……ッ!!」
まーなんのことはなく、良いダンナさまの久隆さんは、奥さま
恵御納 理沙
の待つ家路を急いでいるのでした。
そう、今日は愛する理沙さんのお誕生日!
「今年こそは……料理も私が作りたかったが」
亭主関白なにそれ? といったおしどり夫婦のこと。久隆は理沙のため、手ずから豪華ディナーなどこしらえようと考えていましたけれど、そこはサラリーマンの悲しいところ……今日もすっかり、日が落ちてからの退社となってしまいました。
とはいえ。久隆は、助手席に置いた箱を横目にちらり。
「……喜んでくれればいいのだが」
忙しい身ながら、なんとかプレゼントとケーキは用意することができました。
遅くまでやっているケーキ屋さんを探して飛び込み、買い求めたのはイチゴたっぷりなショートケーキ。巨漢のいかつい男性が閉店間際に滑り込み、厳めしい顔でそんなものを買い求めるのだから、店員さんはさぞやビックリしたことでしょう。
ともあれこうして、無事ケーキは確保。カバンの中には、悩みに悩み抜いた末に選んだプレゼントも入っています。
あとは車を走らせ、真っすぐに自宅へ向かうのみ……と。
その時でした。
「っ!?」
目の前になにか小さな影が浮かび上がって、久隆はブレーキペダルをぶち抜く勢いで踏みました。きききききーーーっ!!
急ブレーキにシートベルトが胸板へ食い込み、身体ががくんと揺れて車が止まった頃には、久隆の頭は真っ白。自分の吐く荒い息だけが耳について、しばらく痛いほどの沈黙が続きました。
そろりとドアミラーを覗くと、一匹の三毛猫がこちらを振り返りつつ、てててと軽やかに歩み去っていくところです。
「轢かずに済んだか……」
ふう、と大きく息を吐いたところで、気づきました。
「……なんてことだ」
久隆の大きな肩が、がっくりと沈みます。
ブレーキの反動で宙を跳ねたケーキの箱が、ダッシュボードの上でひっくり返っておりました。
「今日は遅いのね~、旦那様」
時計をちら見してから、理沙はスプーンで鍋のスープをすくい、ぱくりとお味見。うん、イイお味!
旦那様こと久隆の帰りが遅くなるということで、今日は晩ご飯の用意もちょっぴり遅めです。献立はヘルシーな豆腐のハンバーグにサラダ、それにコーンスープ。働き盛りな久隆の身体のことを考えた、栄養満点愛情特盛なメニューであります。
それにしても、と。理沙は出来上がった品をお皿に盛りつけながら、こてんと首をかしげます。
「旦那様、今朝はなんだかそわそわしてたわね~。今日ってなにかあったかしら?」
なにか忘れているような~……なんて思いつつも、理沙は気にしない気にしない! といつもどおりな一日を過ごしました。
「あっ」
がちゃり、玄関の扉が開く音が聞こえたのは、その時です。
「旦那様、おかえりなさ~い♪」
「ああ……ただいま、理沙」
「あ、あら? どうかしたの?」
なんだかしょんぼり、な様子の旦那様は、なにやら箱を理沙に手渡して、とりあえず冷蔵庫に入れておいてくれ、と言いました。
「帰り道、急ブレーキを踏んでしまってね。猫を轢きそうに……ぶつかることは無くて良かったが」
「あらあら、そうだったの! 猫ちゃんも旦那様も、ケガがなくて本当に良かったわ~」
なんて言いつつ、どうやら久隆のしょんぼりは、それが直接の原因というわけでもないようです。
理沙は渡された箱の中身を確かめることも忘れて、こてん、と首を傾けました。
そんなわけで、ふたりで美味しい晩ごはんをいただいた後のこと。奥さまの料理の腕は今日もすこぶる絶好調でして、久隆の舌もお腹も大満足です。
お片づけを始めようとする理沙を呼び止めて、久隆はこほん、とひとつせき払い。あらたまって、
「理沙。プレゼントがあるんだ」
「えっ?」
ごっつい手でうやうやしく差し出したケースを、理沙がどきどきしつつぱかっと開いてみますと。
「ま~、綺麗!」
きらきらきらり。現れたのは、つやつやの白真珠をあしらった、なんとも美しいピアスです。朴訥な久隆が大いに迷いつつ、理沙のために選び抜いたプレゼントでした。
「誕生日おめでとう」
「えっ? 誕生日? だれの?」
きりっと真剣な久隆の表情に、理沙は素でぽかーん。
なんとまあ! おっとりほんわか天然ボケな奥さまは、ご自分の誕生日をすっかり忘れていたのでした。
「そ、そうだったわ~! 今日だったわ~!」
「忘れていたのか……君らしいな」
半ば予想はしていたのかも。久隆は苦笑いしましたけれど、理沙は旦那様の気配りに、
「ふふっ……素敵なピアスだわ。ありがとう、旦那様! 大切にするわね~!」
にっこり! どうやら気に入っていただけたようで、久隆もほっとひと息。
「ケーキもあるんだ。その……形は保っていないかもしれないが」
なんて言いつつ冷蔵庫から取り出したのは、先ほど滑り込みで買ってきたケーキです。猫をかわして急ブレーキ、派手に宙を舞ったあれです。
おそるおそるに開けてみますと、やっぱりというかなんというか。イチゴのショートケーキはすっかりシェイクされて、綺麗だったもとの形が想像できないほどに崩れてしまっておりました。
久隆はがっくり、肩を落としましたけれど……理沙はふわり、微笑みます。
「さっきしょんぼりしちゃってたのは、これが原因だったのね。ふふふ、大丈夫よ~旦那様!」
嬉しいのはケーキの形ではなく、久隆の心づかいなのです。
理沙はケーキ用のスパチュラを持ち出すと、しゅば、しゅば、しゅばばば!
「こんなふうに盛り付ければ、ほら! 美味しそう~♪」
「おお……!」
主婦スキルを発揮して、崩れたケーキの盛り付けを見栄えよく整えてしまいました。さすが奥さま!
さっそくぱくり、とひと口いただいて、
「ん~、美味しいわ~♪ ありがとう、旦那様!」
「うむ、喜んでもらえて良かった……ん?」
と、その時。
ぴんぽ~ん!
「こんな時間に、誰かしら? 宅配便?」
夜更けのお届け物は、なにやら小さな小包です。
ぱか! 開けてみますと。
「……これは」
「ま~! 夏朝ちゃんからだわ!」
なんともちょうどいいタイミングで届いたのは、おふたりの娘、寝子島にいる夏朝からの誕生日プレゼント!
青い傘を差した、クリーム色の愛らしい猫さんのキーホルダー。肉球の形に散りばめられた真珠と水晶のパワーストーンに、久隆は、真珠がちょっとかぶったかな……なんて思いつつ。さすが自分の娘だと、嬉しかったりもします。
久隆のプレゼントのピアスをつけて、夏朝のキーホルダーをきゅっと握り、ふわふわふわりん。
「お誕生日、忘れてしまっていたけれど。ふたりのおかげで、とっても素敵な日になったわ! ありがとう旦那様、ありがとう夏朝ちゃん♪」
「ああ。また一年、大切に過ごしていこう」
愛しの旦那様へ、理沙は少女のように微笑んだのでした。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
24人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月04日
参加申し込みの期限
2018年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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