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海の家『みなとねこ』の一日 《夏の準備編》
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「……更衣室も掃除しないとー!?」
シャワー兼更衣室に向かった夏朝の悲鳴を耳にして、海は首を傾げた。サイドテールに結った栗色の髪がぱたりと揺れる。
「お掃除なのです」
通路の薄暗がりから気配もなく現れたエロが、真夏の幽霊よりも艶やかに微笑む。唐突な現れ方に華奢な肩を小動物じみて震わせながらも、海は人懐っこい笑みをエロへと向けた。
「これ元漁船か!」
「湯舟になってるし!」
風呂場の真ん中に設置された小型漁船のかたちの湯舟の周囲を巡り、刀と幽の男子ふたりが興奮した声をあげている。
『おんせんひいてるの、ここ?』
小脇に抱えていたスケッチブックを開き、海が自分の言葉を文字にする。
「なのですー、売りにするのですー」
波打つ黒髪をふわふわと揺らし、どこか幼子じみた仕草で頷くエロに、海はもう一度笑みかけた。温泉があると聞き、温泉好きとしては一度確かめておきたいとは思っていたのだ。
(へぇ~……)
目線より高い位置にある漁船の船縁を見上げる。縁に幾つも掛けられた梯子を登って入らねばならないけれど、
『おもしろい』
「海水浴のあとは温泉なのですー」
海とエロは頷きあい、ふたつ並んで掛けられた梯子を足並み揃えて登る。雨や砂除けのために被せられた簾をふたりで三分の一ほど捲った途端、――にゃおう、と船底から不満げな声が上がった。
「なんすか、今の声?」
「猫か?」
幽と刀が不思議そうに別の梯子を登り船縁に顔を覗かせる。
「猫さんなのですー?」
ふわんとエロが微笑み、こくこくと海が何度も首を上下させる。
四人で力を合わせ、船に被せられた簾をぐるぐると巻いて端に寄せてみれば、船型の湯舟の底をみっしりと埋める大量の猫たちの姿が初夏の日差しに照らし出された。
涼しい簾の影が取り除かれ、暑い日差しを直接浴びて、みんなでうつらうつらしていた猫たちがもそもそもそと動き始める。にゃあにゃあみゃあみゃあ、不満げな声をこぼし始める。
「……猫、っすよね……?」
涼しい船底で巨大な毛玉と化した猫の群れを眺め、幽が呆然と呟く。
「掃除の前に猫を出さないと」
船底を隙間なく埋める猫たちをどうするべきか考え考え、刀は首を捻る。
「あー、ポイポイ投げるわけにもいかないし、……」
気持ちよく寝ている猫たちを無理やり動かせば、気分を害したお猫さまに間違いなく反撃をくらう。
「どうしましょー」
「湯舟と同じような寝床用意した方がいいのか?」
「そうっすねー……」
幽と相談しつつ、刀は青天井の浴室を見回す。竹垣で囲まれただけの風呂場は、そのスペースのほとんどが船型の湯舟に占められている。
「暑いし涼しい方がいいよな~……」
「これ、使えないっすか?」
幽が示したのは、湯舟に被せられていた大きな簾。いいねと同意し、船縁の端に寄せた簾を持ち上げようとしたとき、
「手伝うのですー」
海と並んで梯子の上に立っていたエロが手を振った。かと思えば、刀と同じほどの背丈だった少女は瞬きの間に三倍ほどの大きさになっている。
「うっお」
「もっと大きくなれるはずなのですー、でも今日はこれくらいー」
エロのろっこんの作用に驚いた声を上げる刀におっとりと応じながら、エロはその巨体ながら体重を感じさせない動きで巨大な両手を使い簾を持ち上げた。竹垣にそっと広げた簾を立てかけ、
「日陰のできあがりー」
ふんわり笑った次には、元通りの大きさに戻っている。
白昼夢を見たような顔つきのその場の面々に構わず、エロは自分の作った日陰に早速潜り込んだ。竹垣の壁と簾の屋根で、小さな秘密基地のようになった日陰の真ん中、満足した猫のように瞳を細める。
「猫さんどんどんどうぞなのですー。なでなでぽふぽふなのですー」
小さな秘密基地の中から上がったエロの声に、刀が夢から覚めたように瞬いた。
「お、おう」
ともあれ、日陰のある寝床は確保できた。あの影に猫たちを放り込めば、きっとエロが荒ぶる猫たちを宥めすかして鎮めてくれるに違いあるまい。
『いちどおゆをいれれば、ねこちゃんたちも入らない』
梯子の上に立っていた海が文字を書き込んだスケッチブックを示す。
(まずはともかく、)
湯船から猫たちを退かせて、猫毛と砂だらけの船底を掃除しなくてはならない。
(でも、一匹ずつどかしていくのはちょっと手間がかかるよね)
ならばとポケットから引っ張り出すは、寝子島のそこら中をうろつく野良猫用に持ち歩いている個包のおやつにぼし。がさがさと音を立てて袋を開けると、船底で微睡んでいた猫たちの数匹が揃って顔を上げた。
思わず緩む頬のまま、海は手にした煮干しをひらひら振ってみせる。釣られた数匹の猫が仲間を踏んづけて船縁に飛び乗った。今だとばかり、海は身軽に梯子から降りる。エロがスタンバイする簾の影に煮干しをまとめて放り込む。
「にゃー、なのですー」
エロの声にも惹きつけられるように、猫たちは簾の影に飛び込んだ。そのまま出てこなくなる。
「おー、ナイスコンビネーション!」
「こっちは地道に行くか」
「はーい」
刀と幽は猫たちで埋まる湯舟にそっと足を踏み入れる。だるだる伸びる猫たちを踏まないように気をつけ、両手で一匹ずつ猫を抱き上げる。なー、と怒るのも面倒くさそうに猫は鳴いた。
「猫、こんなに毛が生えてて夏は暑くないのかなー……」
信じられないほど胴の伸びる猫の上半身を抱き上げながら幽は呟く。ぅなー、と返事ともとれない返事をする猫を抱っこし、梯子を伝って慎重に降りる。
「海で水浴びとかすんのかな?」
尻尾の先まで脱力させ、もう返事さえしなくなった猫をエロに託す。
日向よりも大分涼しい簾の影では、エロが猫たちを順繰りに撫でて再びの眠りに落とそうとしている。
ちょっぴり別世界じみた影から出れば、そこはやっぱり昼日中、初夏の日差しががんがん照らすお仕事場。
「……暑っつ」
一匹運んだだけで額に滲んだ汗を拭い、幽は二匹目の搬送に繰り出す。
「猫さんが沢山!」
梯子を登りかけたところで、風呂場の出入り口に夏朝の声が響いた。刀が両脇に抱えて運ぶ猫に目を輝かせ、簾の下で寛ぐ猫たちを見ては猫たちを驚かさぬよう抑えた歓声を上げ、夏朝は腕まくりして湯舟に掛けられた梯子を登る。
「僕もやるよ」
船縁から底を覗き込んだ途端、夏朝は底を埋める猫たちの姿に感極まった様子で両手で顔を覆う。今すぐここに飛び込みたい。猫たちと一緒にうつらうつらとお昼寝がしたい。けれど、
「ごめんね猫さん、」
夏朝は猫たちに話しかける。海の家の再興のためには、温泉の復活は欠かせない。そのためには、湯舟を掃除しなくてはならない。湯舟をベッドにしている猫たちに退去願わなくてはならない。
「湯舟洗うから一旦お外に出て……」
湯舟に足を踏み入れ、腹這いになって眠る猫を大事に抱き上げる。
「無理やり引きはがす訳にもいかないわよね……」
シャワー室の掃除を終え、夏朝と共に風呂場掃除に参戦した紫が隣に立つ。大人びた顔を困惑気味にしかめる紫に、夏朝は小さく頷き返した。
(あぁぁ、ごめんよー!)
腕の中で不満な顔をする猫に心の中で泣きながら詫びる。
心なしかしょんぼりした顔で湯船から一匹めを退出させる夏朝を見送り、紫は腰を屈める。狙いをつけた猫に手を差し出し、優しく撫でてあやす。強引に引っ張り上げて放り出しても、怒り心頭な猫に引っ掻かれるのが落ちというもの。
(時間がかかるけど)
一匹一匹、丁寧に応対して出していくのが遠回りに見えて結局は一番の近道なのだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年07月29日
参加申し込みの期限
2018年08月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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