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海の家『みなとねこ』の一日 《夏の準備編》
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脚立の上に立ち、軒先に簾をつり下げる。
海に向いた縁側に簾の影が落ちると、太陽の熱を帯びていた空気が途端に涼しさを得た。
「ここに団扇を挿して飾れば完璧です」
美咲紀は脚立の上に腰を下ろして笑う。
「貝殻やお花も飾ると可愛くなるんじゃないかしら?」
海風に揺れる簾の影に立ち、珊瑚がぱちんと手を打ち合わせて提案する。色とりどり間貝殻に色鮮やかな夏の花は、きっと如何にも海の家らしい。
「朝顔に向日葵、桔梗とか?」
「ブーゲンビリアにハイビスカス! 是非やってみて欲しいのだわ!」
美咲紀が指折り数え、珊瑚が華やかな声で付け足す。
「風鈴もつけておくのですー」
エロがのんびりと微笑めば、絢が先に磨き上げて縁側の端に置いていた風鈴を手に取り掲げて見せる。
絢の手元、りん、と涼やかに響き渡る鈴の音に、エロは何もかもを吸い込んで閉じ込めてしまうような漆黒の瞳を妖艶なまでに細めた。
「夏と言えばおばけだそうなのです」
かと思えば、天真爛漫な幼子のように声を弾ませる。
「入り口に人懐こくてかわいいおばけを置いておくのです」
「猫のマスコットを置くのもいいかも。ビニールで空気入れて膨らませるタイプなら水に濡れてもダイジョーブ!」
エロの提案に同意しつつ、美咲紀は脚立の上から胸に提げていたデジカメを構える。高い位置から小上がりに立つ珊瑚とエロと絢に向け、シャッターを切る。少し向きを変えて、厨房を片付ける智瑜と日暮、円と夕とこんを映し、シャワー室と風呂場に続く戸を潜ろうとしている紫と夏朝を、屋根の上で作業の続きに取り掛かる竜世とナイトを撮影して行く。
少し離れた砂浜の上では良太と月詠が看板の掃除と描き直しに取り掛かっている。悠月と幽が行っている外壁の塗り直しは防腐塗料を上から塗る最終工程に入ったところ。
荒れていた海の家が整えられて行く様子は、夏の到来を肌に感じさせてくれた。
「夏本番が楽しみなのです」
デジカメの画面に映し出される夏の始まりに頬を緩める。
掃除が一段落したところで、今度は店を華やかに飾るものを買い出しに行こう。
「買い出し第二陣、行きまーす!」
脚立の上から呼びかけ、美咲紀は元気いっぱい両手で挙手する。
「ホームセンターと旧市街商店街あたりなのです! 必要なものがありましたら私までどうぞー!」
「あー、ほなちっと頼まれてんかー」
美咲紀の呼びかけに、厨房カウンターから日暮がひらりと手を振る。
「はーい」
脚立が身軽に降りて駆け寄る美咲紀に手渡されたのは、海の家のメニュー試作・試食会用に必要そうな食材が書き込まれたメモ。
「大荷物になりそうなのだわ」
「手伝うわ」
珊瑚と絢がひょいと手を挙げ同行を申し出て、第二陣買い出し組は女子三人となった。
砂浜の日差しの中へ飛び出していく女子たちを柔らかな眼差しで見送り、紫はぐいと腕まくりをする。
戻した視線の先には、砂とゴミ塗れの通路。細い通路を挟んで、何枚かの戸がある。その幾つかはシャワー兼更衣室、一番奥にある大きな引き戸は風呂場に繋がっているらしい。
トタン屋根を通した光が注いでいるとは言え、妙に薄暗く妙に蒸し暑く、相乗効果でお化け屋敷感さえ漂う通路の空気を払うべく、紫はことさらに明るい声を放った。
「じゃ、始めましょうか」
「はーい、よろしくっすー」
他の仕事を終わらせた幽が、刀と海が風呂場掃除組に参加する。
「空気を通そう」
薄暗い通路に恐れげもなく夏朝が踏み込み、閉ざされた戸を片端から開いて行こうとして、
「っ……」
最初のシャワー兼更衣室の戸を開いた途端に声を詰まらせた。
「どうかし……」
夏朝の背後から覗き込み、紫も思わず眉を潜める。
小さな棚とシャワーカーテンがあるだけの狭い空間には、空き缶空き瓶古雑誌、ありったけのゴミが詰め込まれていた。
「……更衣室も掃除しないとー!?」
仕事終わりに入らせてもらおうと目論んでいた夏朝は悲鳴じみた声をあげる。これでは持参してきた水着に着替えることも出来ない。
「せっかくの『温泉にも入れる海の家』が……」
「がんばりましょう」
肩を落とす夏朝の小柄な背を軽く叩き、その手にゴミ袋を握らせ、紫は眦を決する。幽と刀と海が向かった奥の温泉施設も気になるけれど、シャワー兼更衣室も一室ずつ順番に掃除して行かねば。
軍手をはめた手でゴミを拾い集め、掃き掃除をする。そうしているうち、温泉施設の方からニャアニャアふしゃー、たくさんの猫の鳴き声喚き声が聞こえ始めた。
「ねこ!」
夏朝が耳ざとく顔を輝かせる。
「……そうね、ねこ温泉郷の系列店だものね……」
ねこ温泉郷に迷い込み、数日をねこたちの下僕として過ごしたことのある紫が睫毛を伏せる。
「ねこ温泉郷?」
満杯のゴミ袋をまとめながらこげ茶色の瞳を瞬かせる夏朝に、紫はねこによるねこのための温泉郷の話を聞かせた。
にゃあみゃあ、ねこたちが大騒ぎする壁越しの物音を背景に、夏朝は心底から嘆息する。
「いいなぁ、羨ましい……」
猫さん……! と熱く呟く夏朝に、紫はうーんと首を捻る。ひとに羨ましがられるようないいものではなかったとも思うけれど、猫好きからすれば、もしかするとあの温泉郷は天国のようなものなのかもしれない。
(しれない、けど……)
猫の下僕状態だった数日間を思い起こしながら、紫はコンクリートの壁から下がるシャワーを手に取る。とりあえず、破損しているようには見えない。
床を掃除し終えたところで、シャワーの栓をそっと捻ってみる。
「わっ」
シャワーヘッドからぼとぼとと垂れて来た赤錆びた水に覗き込んでいた夏朝が小さな悲鳴を上げるも、しばらくすれば水は透明になった。栓を全開にしても頼りない水圧にちょっと唇を尖らせ、紫は軍手を外して水に触れる。温めではあるけれど、海水浴のあとに浴びるには丁度良いかもしれない水温に少し微笑む。
(破損が酷ければ業者を呼ぶとかしてもらった方がいいと思っていたけれど)
そこまではせずとも良さそうだ。
「じゃ、次のシャワー室の掃除ね」
「次はもう少しマシだといいなぁ……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年07月29日
参加申し込みの期限
2018年08月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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