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海の家『みなとねこ』の一日 《夏の準備編》
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「色々ありがとう、紗雪君」
「いえいえー、人手はあるに越した事は無いですよねー!」
新しい看板作りを夏朝と良太と月詠に任せ、幽は今度は落書きだらけの外壁をぐるりと拭いて回っている悠月のもとへ向かう。
「手伝いますよー」
「ああ、……頼む」
気軽に声を掛ければ、真剣な声が返って来た。聞けば、日暮から許可をもらい、壁を白く塗り直す手筈であるらしい。
「落書きごと白く塗り潰す前に埃を落とさないとな」
「了解っす!」
悠月に倣い、固く絞った雑巾で壁に付着した砂を落とす。
「これくらいの傷も上から塗って隠せそうっすね」
「ああ」
「ペンキ塗りなら俺得意っすよ!」
「そうか」
賑やかな後輩に短く応じつつ、悠月は拭き上げた外壁をぐるりと一周して確かめる。品のない落書きだらけの壁に息を吐き眉をしかめ、用意した白の塗料缶を手に取る。
「細かいとこを刷毛で塗って、広いところをローラーで塗るんすよね」
楽しそうに壁に向き合い鼻歌交じりにペンキを塗り始める幽の隣、悠月は極めて真剣な顔で刷毛を手にする。息を詰め、慎重に端へ刷毛を当てる。
(くそっ……)
しばらく作業して後、悠月は思わず心中で毒づいた。
そっと手を動かしてみても、思い切って大胆に動かしてみても、どこかしらに塗り斑が出来てしまう。小さな斑など誰も気にするまいとも思うが、
(意外に難しいな)
何事も完璧にこなさなくては、とも思ってしまうのは、そう育てられてきたがゆえか。
一年後輩の幽が三面塗り上げる間に一面をやっと塗り上げ、悠月は思わず歯噛みする。
「うわ、獅子目先輩丁寧っすねー」
「時間を掛け過ぎた」
悔しいような顔をする悠月に、幽はきょとんと笑った。
「いや、すげーキレイっす! 白い壁って青空に映えますねー!」
「……そうか」
何の屈託もなく褒められ、悠月はつられて小さく笑んだ。
「お疲れさまです、休憩にしましょう!」
店から顔を出した智瑜に呼びかけられ、店外で働いていた面々がそれぞれに店内で一旦休憩に入る。
ずっと外にいた悠月と幽も店内に戻ってみれば、店内は朝いちばんとは打って変わって綺麗になっていた。
傷んだ床や壁は補修され、丁寧に磨かれた上で涼し気なゴザが敷かれ木製の間仕切りで区切られてさえいる。床に並ぶ座布団には、ホームセンターで購入してきて一度洗濯された真新しいカバーが掛けられている。
「うわー、つっかれたー!」
幽は綺麗になった縁側に仰向けに転がる。穴だらけだったトタン屋根も、今は雨漏りする隙間ひとつなく張り替えられている。
「オレとナイトがやったんだぜ!」
隣で同じようにごろりと仰向けに転がっていた竜世が自慢げに笑った。傍で胡坐をかいて海を眺めていたナイトが鋭い眼差しをちらりと和らげる。
「おー、すげーじゃん!」
目を丸くしてみせれば、竜世は顔中で笑った。
「お疲れさまです!」
小上がりや縁側で思い思いに休憩する人々に、智瑜が冷蔵庫で冷やした飲料と胡瓜を配って回る。
「お疲れさまです、絢さん」
「ありがとう」
午前中働いただけで汗で濡れてしまったTシャツの襟をぱたぱたさせていた絢も、ありがたくペットボトル入りのスポーツ飲料を受け取る。
「まるで真夏並みね」
「水分補給、大切です!」
「そうね、しっかり休憩もしなきゃ……」
太陽の熱は厳しいけれど、日陰で休憩していれば時折涼しい海風も吹き込んでくる。冷たい飲料を喉に流し込み、火照った身体を風に晒す。そうすれば汗は引きはするが、
「仕事終わったらシャワーでも浴びたい……」
さっぱりとはしない身体で絢は小さく呟く。そう言えば温泉を引いているとか言っていた。仕事終わりの温泉を楽しみにもうひと踏ん張り、
「……かしら、ね」
白い喉を晒してペットボトルに口をつける絢に倣い、縁側の端に掛けた夕も慣れない仕草でペットボトルを両手に持つ。絢が飲料を口にする様子を横目に確かめながら飲み口に唇をつける。
「夕ちゃん」
その隣、軽やかに珊瑚が横へ腰を下ろした。
「隣、いいかしら?」
珊瑚は水色の瞳を瞬かせる。夕はこくりと頷いてから、それ、と珊瑚の首元を視線で示した。
「かわいらしいです」
手ずから作った首飾りを褒められ、珊瑚はふわりと頬を染める。
「私、まだまだ未熟で……でも、ありがとうなのだわ!」
柔らかな笑みを交わし合い、少女ふたりは絶えず聞こえてくる波音を追って視線を海へと向けた。林の向こうに見える海は、夏の到来も近い鮮やかな空の色を映しこんできらきらと光っている。
「夕ちゃんは海が好きなのかしら?」
「珊瑚さんは?」
「私はとっても好きなのだわ!」
波音に耳を澄ませながら、珊瑚は海の家を見回す。ゴザの上には大の字でごろごろするやんちゃそうな少年ふたりとそれを見守る鋭い目つきの青年、縁側にはペットボトル飲料を飲み胡瓜を齧る黒髪紅眼の明るい雰囲気の男子高校生と、どこか慣れない仕草で胡瓜を齧る赤銅髪の男子高校生。雇われ店長と談笑しつつ豪快に胡瓜を齧る黒髪黒目の刀剣のような雰囲気の男子高校生も居る。
(ナマモノは難しいのだけれど……)
取り合わせとしてはどれも美味しいのだわ、とうっかり腐女子なことを考えてしまってから、珊瑚は慌てて気を取り直す。今は腐女子な妄想よりも、目の前の海について夕とお話しよう。
「海の家から波の音を聞きながら目を閉じるのだわ」
こうやって、と珊瑚は冷たいペットボトルを両手で膝において瞼を閉ざす。
「リラックスできて良くないかしら?」
片目だけを開けて隣を伺えば、夕は珊瑚の言葉通りに両の瞼を閉ざし波音に耳を傾けていた。しばらくじっと耳を澄ませて、くすりと笑う。
「ほんま、落ち着きますね」
「ね、良いのだわ!」
夕の言葉が嬉しくて、珊瑚は両手をぱちんと打ち合わせた。
「夏になったら是非とも海で遊んで欲しいのだわ! 夕ちゃんの水着姿、絶対可愛いのだわ!」
「……おおきに」
全力で褒められ頬を薄紅に染めて俯く夕の視界の端、円とにゃーくん、それからおかっぱ頭に着物姿のこんが駆けて行く。
「料理は苦手だし!」
「こんも!」
「なにしようかな!」
「なにしよー!」
「こんちゃんの相手でもしてようかな!」
「しようしようー!」
砂の上をきゃあきゃあと話しながら駆けまわった挙句、意見の一致を得たふたりはハイタッチをぱちぱちと繰り返す。
「にゃーくんともハイタッチハイタッチ!」
「にくきゅー!」
円が抱きかかえたにゃーくんともハイタッチをして、幼子の姿したナニカは声を上げて笑った。
「こんちゃんおひさー!」
「おひさ。まどか、おひさしぶりー」
「ねこったー見て手伝いにきてみたよ!」
円の言葉に、こんは悪戯っぽく笑った。着物の袂からスマートフォンを取り出し、得意げに掲げてみせる。手慣れた様子で起動し、ねこったーアプリを画面に示す。
「すまほは日暮のだけど、あかうんと名は『こんと日暮』だけど、うごかしてるのはこん」
文字も打ち込める、と胸を張るこんの頭を円はごしごしと撫でる。
「あら、凄い、順応してる」
いえーい、ともう一度ハイタッチしてから、円とこんは防風林を抜けて海辺に立つ。裸足で波打ち際を歩き、波に足を触られては大騒ぎしながら乾いた砂の上に駆け戻る。
「こんちゃんは水着、ある?」
「ない」
タンキニ姿を羨ましそうに眺めるこんに、今度は円が悪戯っぽく笑ってくるりとその場で回って見せる番。
「水着ないなら、砂遊びかな」
「すな?」
「そうそう、海水で砂固めて固めてー」
乾いてさらさら崩れる砂に掌ですくった海水を交互にかけて固めて、
「にゃーくんを作ってみよう」
「にゃーくん!」
ふたりで作るは円の愛猫、にゃーくん。
波打ち際にぺたりと座って毛づくろいを始めたにゃーくんは、打ち寄せた波に悲鳴を上げて飛び上がった。かと思えば波に威嚇し、猫パンチを浴びせては飛沫を顔に受けてまた飛び上がる。
「あぁ、モデルは動かないでぇぇ」
「うごかないでー」
全然じっとしてくれないにゃーくんに呼びかけ呼びかけ、円とこんは前足を揃えて座るにゃーくんの砂像を作ろうとする。
「海の家にいるなら、水着は絶対必要だよね。接客するならエプロンがあったほうがいいかも。こんちゃんはお手伝いする?」
「するー」
「じゃあ、猫さん柄のエプロンも買おうよ」
「うん、かう」
砂像を作り、波打ち際に文字や絵を書き、波に文字がさらわれる度に楽しい悲鳴をあげ、にゃーくんと一緒に駆けっこし、散々ふたりといっぴきで遊んでから、円は青空にうーんと伸びをする。
「そろそろ日暮さんの手伝いにいこうかー、掃除ぐらいは人手欲しいと思うし」
「ねこのて?」
「そうそう、猫の手」
にゃー、と少女と幼子は声を揃えて言い、またハイタッチを繰り返した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年07月29日
参加申し込みの期限
2018年08月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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