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海の家『みなとねこ』の一日 《夏の準備編》
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「できれば木がよい」
家屋の正面からトタンの屋根を仰ぎ、月詠は眉間に皺を寄せる。
「トタンは簡単だが塩害がな」
実際のところ、放置された年月の間にトタン屋根は傷み、いくつもの穴が開いてしまっている。
「家ならやっぱ屋根は大事だよな」
工具箱を両手に持った竜世が月詠の隣で大きく頷く。その後ろには、梯子を右の肩に、屋根に使われているものよりは幾分マシなトタン何枚かを左の肩に担いだナイトも居る。
「裏手に傷んでないトタンがあったんだ! 日暮さんが使っていいって」
「ふむ」
トタンを張り直すべく屋根に梯子をかける少年と青年を月詠は見遣る。
(今季は雨が凌げればよいというところか)
予算はそこそこ用意されているとは言え、本格的な屋根の修繕にまで回す余裕はなかろう。他にも必要な品も多くある。
「では、屋根は任せた。後で外壁と一緒に防腐塗料を塗ろう」
「おう」
竜世より先に屋根の上に立った色黒の青年が力強い声で請け負った。
「オレも上がる! こわれた屋根を退治しようぜスタ……ナイト!」
「竜世は良太と一緒に部屋でも掃除してな」
ナイトに続いて梯子を登ろうとして止められ、竜世は唇を尖らせる。
「なんで!」
「屋根直すのかー?」
店内から雑巾片手にぱたぱたと飛び出してきた良太が竜世の様子に瞬きつつ、屋根に立つナイトに手を振る。
「じゃあじゃあ、あと屋根の看板も直してー! 肩車とかしてもらって俺と竜世も手伝うからー!」
「危ない」
手伝いを言下に拒否され、良太もぷっとむくれた。
「危ないって言うけどナイトもじゃん!」
梯子の半ばまで登って竜世が抗議の声をあげる。頑張って上れとばかり、良太が竜世の尻を両手で押し上げた。梯子を登る手伝いをしてくれる良太を肩越しに振り返って笑いかけ、竜世は手足に力を込めて一段一段を登る。
やっと屋根の上に頭を覗かせたところで、際に立って見下ろして来るナイトと目が合った。
「俺はお前の竜だぜ、マスター?」
高いとこは慣れてる、と自分にだけ聞こえる声で囁かれ、竜世は琥珀の瞳を不満に歪める。
ともかく納得してくれたと思ってか、ナイトは竜世に背を向け傷んだトタンの確認を始めた。
(……っていわれてもあきらめるわけねーじゃん?)
真下の良太と目配せあい、竜世は良太の手助けを得てこっそり屋根の上に登り切ってしまう。登ってしまえばこっちのもの、と小さくガッツポーズをし、補修箇所の前にしゃがみこむナイトの横に並ぶ。傷んだトタン屋根を手際よく剥がし、新しいトタンを打ち付けようと脇に置いた工具箱の釘を探す手に釘をそっと乗せる。
驚いたように振り返るナイトに、竜世は必死に言葉を探す。
「ちゃんと役に立つだろ、だから、……」
言い張ろうとして、分厚いくせに優しい掌に頭を撫でられた。
「どうせ引かねえんだろ」
しょーがねえから、とナイトは鋭い瞳を闊達に笑ませる。
「釘を渡す大臣にしてやるよマスター」
「任せろ!」
笑み返しつつ、頭を撫でる手を片手に掴む。自分よりもずっと節くれてごつごつとした手。そのくせひどく優しい手。
(何か)
スターライトナイトに出会うよりもずっと前から、よくこの手に頭を撫でられたことがあるような、手を繋いだことがあるような、そんな気がした。
「なつかしーっていうか、……」
そう感じる理由が分からず、竜世はナイトの片手を掴んだまま首を捻る。懐かしさの訳を探して指の節に両手で触れる。掌を両の指先でふにふに握る。
「マスター?」
「何でだと思う?」
不思議そうな顔をするナイトを不思議そうな顔で覗き込んで問うも、
「マスター、作業の邪魔だ」
ナイトはそう言って握った手を引っ込めてしまった。
ひょいと腕を伸ばし脇に置いた工具箱の釘を取ろうとしたナイトの手は、けれど釘を取らず、もう一度竜世の頭に戻る。優しく髪を掴んでわしゃわしゃと揺さぶるように頭を撫でられ、竜世は目を瞬かせた。
「誰が俺を作ったと思ってるんだ?」
兄の手によって作り出されたスターナイトナイトに、兄を思い起こさせる手で、兄がよくしてくれたように頭を撫でられ、竜世はほんの一瞬泣き出しそうになる。
ぐっと唇を引き結んで堪え、笑う。
「そっか、……そうだよな!」
竜世の笑みに、ナイトは満足そうに唇の端を上げた。ごしごし撫でた頭から手を離し、改めて掌を差し出す。
「おら、さっさと渡さねえと大臣クビにすんぞ」
楽し気に目を細めて言われ、竜世は慌てて新しい釘をその掌に乗せる。くすぐったい笑みが腹の底から湧いて来て、思わずもう一度呟く。
「そっか」
ナイトと笑み交わす竜世を屋根の下から見仰ぎ、良太はなんだか胸が弾んでその場でぴょんぴょんと飛び跳ねた。ついでに手にしたままの雑巾をぶんぶん振り回していて、
「あっ、おっ帰りー!」
必要なものの買い出しに出ていた夏朝と幽の姿を防風林の小路の先に目敏く見つけた。雑巾の手を掲げて振る。
「ただいま」
「ただいまっすー」
近隣のホームセンターで買い揃えて来たものを縁側に並べ、
「あとボロいところは~、っと」
「屋根の上にトタン上げるの手伝うよ」
幽は壁の修繕作業に、夏朝は荷物の運搬仕事に取り掛かる。
「良太君」
屋根の上にトタンを上げようとして四苦八苦する良太のもと、夏朝はぱたぱたと駆け寄った。
「けど結構重たいぜ?」
「大丈夫だよ」
心配する良太に小さく頷いて、夏朝は六月の日差しを浴びて熱を帯び始めたトタンの裏側、ポケットから取り出した小さなねこシールをそっと貼り付ける。いつもならばそうすることでろっこんが発動し、夏朝の意のままにねこシールを貼り付けたものの重さを重くも軽くも変化させることが出来るものの、
「よいしょっ……!」
今日は何故だか、ろっこんの効き目が弱かった。体調なのか状況なのか、ろっこんの発動はいつも万全とはいかない。
「俺運びますよ~」
「ふんばる……!」
戻ってきて手を差し伸ばしてくれる幽をそっと押しやり、夏朝はトタン何枚かを担いで額に汗を浮かべ梯子を登る。それもこれも、
(猫のための意地と底力ー!)
「よいしょー!」
気合いの声と共、夏朝は運んで来たトタンの束を屋根の上に置く。
「おい、無理すんな」
「だい、じょう、ぶ……!」
慌てたように声を掛けてくれるナイトに息を切らして笑み、夏朝は次のトタンを取りに梯子を再度降りる。
降りたところで鉢合ったのは、どこからか取り出した工具箱を白衣の腕に抱え込んだ月詠。
「日曜大工もまた芸術でね」
任せろ、と力強く笑む月詠に夏朝はこの後の手伝いを申し出る。内装や壁を補強の後塗り直すのであれば、手を入れてみたいことがある。
「あのね、旅鴉さん」
「うん?」
「『みなとねこ』……お店の名前からして、海や猫さんの要素を少し入れたいな」
「同感だ」
今度は良太にも手伝ってもらってトタンの運搬作業に戻る夏朝にひらりと手を振り、月詠は修理の目星をつけた箇所へ向かう。腐って抜けそうな床を解体して新しい床板と取り替え、もたれかかれば割れてしまいそうな壁も張り替える。
(まずは怪我の予防だ)
補修の終わった休憩場所の板床に、美咲紀と絢がゴザを広げて回る。
(やはりここは蓙一択だ)
海水浴客や風が砂を運んできても掃除が容易い。涼も得られて簡単に片づけられる。
ゴザの色に合わせ、床板の端材を使って風通しの良い木製間仕切りも片手間に作り上げる。これにはあとで防腐塗料を塗ろう。
「旅鴉さん」
間仕切りをいくつか仕上げたところで、外から夏朝の声が掛かった。振り返れば、屋根に掛けられていた看板を良太と幽と三人一緒に持った夏朝が手を振っている。
「好きに作り直していいって」
「ああ、いいね。任せろ」
芸術家の少女はふわりと微笑む。頭の中で看板の構想を素早く組み上げて行きながら、
(塩害で塗料が剥がれないようにしたいね)
海辺の環境を鑑みることも忘れない。
(塗装が剥げた猫の顔とか恐怖だろう?)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年07月29日
参加申し込みの期限
2018年08月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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