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携帯戦記カプセルギア 第四話「侵略のユグドラシル!!」
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■シーン12:本当のアソビ
初夏のどこか冷たい風が
滝原 カノン
の髪を揺らします。
強まった風圧に髪が邪魔になったのか、ポケットから取り出した赤いヘアピンで前髪を押さえました。
彼の背丈は小学生にしてはとても大きくて、少し丸みを帯びた顔立ちからか大人びて見えました。ヘアピンの似合う顔立ちと表現しては、少々言い過ぎでしょうか?
そんな彼が向かう先はおもちゃ屋さんです。見た目がどれだけ大人びていても心は小学六年生。
寝子島で大ブームを起こしているバトルトイ、カプセルギアで遊ぶためです。
カプセルギアは手のひらサイズのロボットを戦わせるオモチャですが、とても安全でお部屋の中や公園や、色々な所で遊べます。けれどその小ささと小回りの良さから、バトルステージに拘るギアマスターも少なくないといいます。
「今日はどんな風になってるかな、っと……」
バトルが待ちきれずに足取りが早まり、ホルダーから自分の愛機を取り出します。
『キングニャーサーtype-L』
西洋騎士をイメージしたキングニャーサーの腕を槍とし、足を馬のような四脚タイプに変えた機動力と突進力を高めたカスタムです。
カプセルギアには色んな楽しさがありますが、パーツを変えてみた時の楽しさもまたよいものだといいます。
「どんなバトルができるかな」
見えてきたのはおもちゃ屋さん。その隣の駐車場を開放して作られた特設ギアバトルフィールドです。
今日は土を盛りつけ砕いた塗装発泡スチロールをあちこちに配置した山岳仕様。ざっくりした作りながらも魅力的なフィールドです。
これはすごいや。早速おれもバトルに……と近づいていくと、様子がおかしいことに気づきました。
普通のギアバトルをしている筈なのに、片方の子が泣いているのです。
バトルに負けて悔し涙を流す子も少なくはありませんが、どうやらそんな風でもありません。
「どうしたんだ?」
集まる子供たちを割るように、高い背丈で上から覗き込んで……カノンは目を見開きました。
ボロボロに破壊され散らばったカプセルギアのパーツ。
真っ黒な首無し騎士を模したカプセルギアが、それを土を持った山から見下ろしているのです。
その後ろには子供用のライダースーツを纏ったギアマスター。彼の口元には笑みが浮かんでいました。
「やめろ! 泣いてるじゃないか!」
「知っている。だがギアの体力は残ってる。降参を宣言しないなら、やめる理由はないな」
首無し騎士のカプセルギアは山から跳躍し、まだ残っていたギアパーツの一つを馬の蹄めいた足で踏み砕いてしまいました。
「カプセルギアを……壊してる……?」
カノンの脳内でいくつかの情報がつながって、スパークを起こしました。
近くで見ていた低学年の少年が言います。
「ユグドラシルのギアマスターだ。ああやって辻バトルを挑んでは寝子島のカプセルギアを壊してるんだ」
「壊す? 人聞きが悪いな。俺はただオモチャで遊んでるだけだぜ」
ライダースーツのギアマスターがサングラスをかけます。
声色からして中学生でしょうか。しかし大人びた相手の風貌から、高校生や大人のようにも見えました。しかしカノンとは真逆の、社会の摩擦ですり切れた大人らしさがあったのです。
「部外者は口を出さないでもらいたいな」
「部外者じゃない」
端末を翳してバトルの挑戦シグナルを発するカノン。
「それに……こんなのはアソビじゃない。人をいたずらに悲しませるアソビなんて、あっちゃダメなんだ!」
「いいや、遊びは悲しいものだぜ。敗者には絶望と悲しみ、勝者には栄光と喜び……遊びなんて、そんなもんだろう」
同じく端末を翳すライダースーツのギアマスター。
表示されたマスター名はライド。
「奴に死を教えてやれ、――デュラハン」
「本当のアソビを教えてあげよう、ニャーサー!」
大切なものってなんだろう。
津島 直治
はたびたびそんなことを思います。
中学校のわきにある土手に腰掛けているときなんて、なおさらでした。
どこか重々しい黒縁眼鏡のブリッジを中指で押して息をつけば、胸の中でホルダーが揺れました。
叔父から貰ったオモチャです。何気なく取り出してみると、まがまがしいフォルムのカプセルギアが姿を現わします。
『イザナミ壱式』。とても使いどころを選ぶパーツで構成された、言ってみれば上級者向けの機体です。
ケータイのメールですら満足に使いこなせてない直治にとって、これは過ぎたオモチャのように見えました。
コンピューターゲームも、こういったバトルトイも、見ているだけで満足でしたし、高校受験を控える彼にとっては『こんなことをしていてもいいのかな?』という重りのようなものも感じていました。
(上手なひとたちのバトルをみていたら、私も少しはコレのことがわかるようになるのでしょうか……)
頭の中で呟いて、立ち上がりました。
初夏の重くぬるい風が、彼を残して吹き抜けていきました。
今の時期、商店街を歩いているだけでもカプセルギアのバトル風景が見えるもののようで、叔父の古書喫茶へ帰る道すがら、バトルをしている小学生たちが見えました。
随分と派手な叫び声が聞こえます。泣いている子供も見えました。
カプセルギアはそんなスポーツだったでしょうか? 直治が眉間に皺を寄せて立ち止まると……あるものが目にとまりました。
鎧武者のようなカプセルギアが、相手のパーツを破壊している光景です。
思い出すのはかつてのこと。
CAPGEAR MEIJINのメイジンダーXをはじめ多くのカプセルギアが暴走して子供たちを襲い始めた事件です。
あの時に沸いた異変への驚きと、義務感と、はじけるギアパーツと、涙する小学生。それらがラップして、頭の中で火花を散らしました。
「だ、ダメだ……そんなこと!」
気がついたら小学生たちに割って入り、自分のホルダーからカプセルギアを取り出していました。
石とゴムロープで作られた大きなバトルリングの中、壊れたカプセルギアを蹴り出した鎧武者。
その後ろでは、直治と同じくらいの年頃の少年が曇った表情で彼を見ていました。
年頃と背格好は直治と同じでしたが、顔つきや服装はむしろ叔父に似ていました。
「オレらは互いに承認してバトルをしただけだ。部外者は引っ込んでてもらえるかな」
「部外者って、そんな……」
「それとも」
言葉をかぶせるように、端末を直治へと向けてきます。
「アンタが次の対戦相手になってくれるとか?」
直治の左右で小学生たちがおびえた震えを見せたのがわかりました。
今後じさりするなんてこと、直治にはできませんでした。
(やるしか……なさそうですね……)
カプセルギアをリングに置くと、イザナミ壱式の足がぼんやりと透明化して宙にういたかのよになりました。
「いくぞ……イザナミ!」
「ニャーサー、トドメだ!」
馬のごとく駆けたキングニャーサーの槍突撃が、デュラハンを突き飛ばしました。
山にぶつかり倒れたカプセルギア。体力ゲージがつきたのを見て、ライドはため息をつきます。
「これに懲りたら、もうこんなことしちゃダメだよ! アソビは楽しむものだからね!」
キングニャーサーの足や腕パーツは限界に近く、ほとんどボロボロでした。
次の戦いは難しいでしょう。一方のデュラハンは傷一つ無く、ライドはそれをつまみ上げます。
「参ったな。ノルマが残ってんのに……おいアンタ、まだ戦う気はあるか」
「……どういうこと?」
「あるならついてこい。アンタのいう楽しいアソビってやつが本当か、もう一度試してやる」
「イザナミ、避けて……!」
スピードタイプのイザナミ壱式が相手の刀を回避します。見えない足でターン。身体ごと回転して、鎌を凶悪に振り込みました。
返す武者の刀が鎌の刃とぶつかり、激しい火花が散ります。
直治はいまいちど端末の画面を見つめました。
いくつかの武装のアイコンとガイドが表示されています。
けれどどれがどれだか、自分でカスタムしていなかった直治にはピンときませんでした。
見た目からして攻撃力がありそうな鎌を振ることと、敵の攻撃をなんとかして避けてもらうことだけ。
けれど、なぜでしょうか。
直治の性格にぴったりとあてがったかのように、イザナミ壱式は器用に動き回って相手を翻弄し、ここぞというタイミングで強烈な斬撃を叩き込むのです。
きらり、とアイコンの一つが光った気がしました。
(これは……『誘う瞳』?)
アイコンをタップして、心のままに叫びます。
「今だ、イザナミ……!」
ギラリと光ったイザナミ壱式の目。鎧武者が一瞬動きを止め、その隙をつくかのように鎌がはしりました。
目に緑色の残像を残し光の線となってはしった刃が、鎧武者を転倒させます。
いいえ、体力がつきて鎧武者が動かなくなったのでした。
「ナルホド。入力は初心者丸出しだけど……カスタムは優秀だ。誰にやってもらった?」
「…………」
沈黙する直治に、和服のギアマスターはくつくつと笑いました。
「まあいいさ。俺のノルマは達成した。余計な残業はしないタチなんでね、引き上げさせて貰うよ」
「待て……なんでこんなことしたんだ!」
カプセルギアを持って立ち去ろうとする相手に、直治は咄嗟に叫びました。
「あの公園に行ってみな。百聞は一見にしかず、ってね」
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SF・ファンタジー
バトル
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30人
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29人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年07月21日
参加申し込みの期限
2018年07月28日 11時00分
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2018年07月28日 11時00分
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