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チーズが逃げました
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寝子島神社の境内。の、片隅。
あまり目立たず人目に触れないその場所で、黙々と
御剣 刀
は木刀を振るっていた。
特別、今日だけそうしているわけではなく、これは日課の鍛錬の一部であり、普段であれば一人で淡々と集中ができる環境――のはずだったが、今日は二つ、いつもと違うことがある。
まず一つ。
視界の隅に映るように、さり気なく置かれたチーズの存在が、それだった。
――遡ること数時間。
いつものように練習をする為に寝子島神社へ向かっていた御剣の目に、奇妙なポスターが映る。
最初は「何かの催し物だろうか」と特に気にせずに居たが、商店街のあちらこちらにポツポツと貼られていて、その気がなくても内容が頭に入ってきた。
「チーズに……足が生えて逃げられた?」
頭の中で、チーズから足が生えてくるところを想像する。
現実的にはありえないが『ありえないこともありえる』ことを、御剣は知っていた。
しかし、それ以上に頭の中に引っかかるのが。
「……ねず」
猫鳴館の、小さな小さな隣人。
――いまはまだ、あまりおおっぴらにしないことだよ。人間に騒がれるのを、きっと『ねず』は好まないさ。
泉先生の言葉が、ふと脳裏に浮かぶ。
「……でも、まだそうと決まったわけじゃ、ないよな」
例えば、『ねず』ではないにしても、似たような小さな生き物が居ても、驚きはするかもしれないが、おかしなことではない。
そして、寝子島独自の伝承や言い伝えは、真実をはらんでいる場合が多い。
この時間でも、神社の人間に話を聞くのは難しくない。
図書館が開くのは、もう少し後。
「話を聞くなら、神社と、図書館……」頭の中で地図を展開して最短ルートを割り出すと、財布を取り出し、しばらく考えこむ。「……あとは、シーサイドタウン……か」
小さく息を吸い、走りだした。
――それが、数時間前のこと。
シーサイドタウンまで出向いてチーズを買ってきた御剣は、そのチーズに細い釣り糸を付けて、そっと境内の隅に置いていた。
相手が何者であろうとも、それを持ち去れば糸を辿って追跡できるだろう、という考えだ。
しかし、ここで『いつもと違う二つ目』の出来事が起きた。
その『二つ目』は、まさに御剣の横。
境内にある岩に座って、何を言うでもなく、何をするでもなくチーズを眺めている。
思わず、見つめてしまう。というよりも、何故この場に留まっているのかが、気になって仕方がない。
「あの……?」御剣が、たまらず声を掛ける。
「……ネコも、カラスも……居なかった……な」
御剣の言葉が聞こえていないのか、聞いていて『そう』なのかはわからないが、石に座ったまま、その人物――大天使は、膝に肘を立てて、頬杖をついた。
「もしかして、商店街のチーズのことを……?」
御剣の問いかけを受けて、大天使が首を傾け――真っ直ぐに戻す。
当の大天使は軽食屋のごみ捨て場を調査し、何かヒントが無いかを探した後、犯人の推測を立てて、この子小島神社に訪れていたのだが、あてが外れてたまたま見掛けた『チーズの仕掛け』を見ていただけなのだが、それを御剣が知ることもなく。
「鳥……いないかな」
「…………?」
そして――会話もあまり成立しなかった。
◇
その頃、寝子島商店街では天満と同じ時間に喫茶店を出ていたはずの御巫が、未だに商店街を歩いていた。
「鳶色彦さんに話を聞けたら、よかったんですが……」小さな溜息を吐いた後、御巫はそれを掻き消すように頭を振った。「人に頼ってばかりでは……駄目ですね……」
よし、と声に出しながら、胸の前で握りしめた拳を掲げる。
――御巫もまた、御剣と同様に『ねず』の事を考え、猫鳴館へと向かっていた。
もしかしたら、『ねず』である鳶色彦なら、小さくてチーズを集めている者に心当たりがあるのでは、という期待があったのだが――残念ながら鳶色彦とは会えずに商店街へ戻ってきたのだった。
猫島神社へと向かう道中。御巫の視線はチーズを求めて、下を向きながら歩いていた――わけではなく、逆にその視線は、常に頭上を見ている。
と、その時。街路樹の枝に、小さな鳥が止まった。
その鳥に向かって、御巫が瞼を閉じ、呼吸を整える。そして、心の中で強く、その鳥との対話を望みながら、目を開く。
「おはようございます」
畑から見れば、鳥に話しかけて、返答が帰ってくるはずもなく。それは唯の鳥好きの女生徒にしか見えなかっただろう。だが、
「オハヨー。イイ天気ダネー」
御巫の耳に、ろっこん『鳥の囀り』によって、鳥の鳴き声が言葉となって届いた。
羽を広けて毛繕いをする鳥に、御巫は微笑んで、口を開く。
「チーズを、見かけませんでしたか……? 人の持っているものではなく、チーズだけが動いているところ……なんですが」
「チーズ? チーズ……見テナイナー」
「そう……ですか」
二度。続けて情報を得られず、御巫が肩を落とす。
すると、枝に別の鳥が飛んできて、羽根を休めた。
「チーズ? チーズ探してるのか? お嬢さん」後から来た鳥が、砕けた口調で御巫を見下ろす。
「えぇ、そうなんですよ。どうやら、勝手に走ったりするみたいで……商店街の方々が困ってるんです……」
「見たぞ、チーズ。今さっき」
ざっくりとした鳥の言葉に、御巫は驚きの表情を浮かべた。
「ど、どこで見ました……?」
「ん。お嬢さんの、後ろ。ほら、来るぜ」
「後ろ……?」
言われて振り向くと同時に、御巫の耳に――罵声とも叫び声ともつかない声が聞こえた。
「んドるァ! 待てやゴルァ!!」
まず何よりも先に目についたのは、漆黒のスーツに身を包んだ大男が全力疾走している姿。
次いで、それを追う数人の男女の姿。
そして――その団体が追っている、奇妙な物の姿。
チーズ。それは、紛れもなくチーズだった。
そのチーズが、走っている。
コンパスの短さをものともせずに、まるで滑るように。
「おう、そこのお嬢ちゃん、ソイツ止めろ!!」
漆黒のスーツに身を包んだ大男――神無月が、御巫に叫ぶ。
突然の出来事に、目を瞬かせてまるで他人ごとのように、その光景を見ていた御巫は、ハッと我に返ったように屈んでチーズに手を伸ばした。
触れるか触れないか、というギリギリで方向を変えたチーズが、その手から逃れる。
小道に入り、その人影――否、チーズ影が見えなくなった瞬間。神無月が急に動きを止めた。
「……? 追わないの?」逆巻が問う。
「ハッ……こっちはな、生まれも育ちも旧市街なンだよ」
神無月はニヤリと笑って、『一本手前の角』へ走り出す。
チーズの逃げた道と、神無月の向かった道を交互に見て、奈良橋が一瞬動きを止めたが、すぐに神無月の後を追った。
続いて、付いて来ていた後木や八神もそれを追う。
「なんでこっちに行くのだ……?」
「勘! なんか道、詳しそうだし」後木の疑問に、奈良橋は振り返らず即答した。
路地を右に左に曲がり「ここは通っていい場所なのか?」と思わず聞きたくなるような場所を何度か駆け抜け、やがて大きな道に出た瞬間。
一瞬遅れて、別の道から、目の前にチーズが現れた。
「おう……まァた会えたな」
口だけを歪め、笑みのようなものを浮かべながら神無月がジャケットの胸元に手を入れ、抜いた。
その手に握られているのは、太陽の光を反射して黒光りする――銃。
その場に居た全員が、それに視線を固定され、息を呑んだ。
「あばよ」
引き金が――ゆっくりと引かれて。
――ペチンッ。
発射された『輪ゴム』が、チーズの横の地面に当たり、情けない音を立てる。
「……チィ! 外したか!」
動きの固まっていたチーズが、突如再び走り出す。
と、同時に、呼吸を止めていた一同が、一斉に息を吐く。
「おう! 何タラタラしてんだ! ここからならまだ、先回りできる。早く来い」
逃げるチーズに数発輪ゴムを撃ってから、神無月は再度、道のようで道でなさそうな路地裏へと駈け出した。
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担当ゲームマスター
歌留多
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月02日
参加申し込みの期限
2013年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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