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チーズが逃げました
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――珈琲の香りと、薄く流れるジャズが混ざり合う、喫茶店。
一つのテーブルを中心に、数人の男女が輪になっていた。
高津戸はカウンターの中から、それを何とも言いがたい、不可思議な顔で見ている。
――店の隅で、未だに自分の顔を見つめている七緒の影響も、わずかに影響しているだろうか。
小さな咳払いをした後、輪の中心に向かって、八神が問いかけた。
「……つまりは?」
「ヘィ……その、何と言うかですネ」
苦々しい声を出すこびとは、回収された神無月の投網でぐるぐる巻きにされている。
後ろで縛った栗色の髪がフラフラと揺れ、恐る恐る周囲の人間を見上げるこびとは、ゆっくりと、話し始めた。
「えっト……私ァ、名を寿井知(ずいち)と申しましテ……」
「もしかして……鳶色彦さんの、お知り合いですか?」
御巫の言葉に、寿井知は表情を明るくする。
「えぇ、そうでス。あぁ、これは話が早イ」
「わけわかんねぇこと言ってんじゃねェぞ。結局オマエは、何なんだよ」
神無月の一言に、寿井知が首をすくめた。
それを見て、逆巻が溜息を吐く。
「……僕としては、『ねず』はこんなこと、しないと思ってた。と言うか、してほしくなかったんだけど」
「いや、何と言うカ……申し訳ないでス……私達モ、最初は少しづつ、少しづつ、『ねず』らしく拝借させていただいていたんですガ……その、チーズ? ですカ。これを口に入れた時はもう、何とも幸せに満ち満ちてしまっテ……」
「猫にまたたび、みたいなものなのだ?」
後木が手にしたチーズを、寿井知の顔の前に差し出す。
すると、寿井知はこれ以上ない、というほど、恍惚の表情を浮かべた。
「もしかして『ねず』は、みんなチーズが好きすぎて、チーズに弱いの、か……?」
御剣が呟くと、寿井知は頭を千切れんばかりに振って、チーズの誘惑を振り払った。
「いえ、『ねず』全員がそうだとは思いませんガ……きっと私の周りがたまたま皆、そうだったというだけでしょウ……」
「あの……寿井知さん」御巫が、優しい声で口を開く。「出来れば、チーズをお店の方に返していただきたいのですが……出来ますか?」
「はい、それはもウ、勿論そうさせてもらいまス……ただ」寿井知の表情が、微かに曇る。「私達が直接触れてしまった分ハ、さすがにそのままお返しすルわけにもいかないかト……」
「ま、そりゃそうだなー。少なくとも店じゃ使えねーし」奈良橋の言葉に、寿井知がさらに頭を低くする。
「では、その分は私が買いますので……寿井知さんに、差し上げます……」
寿井知が、顔を上げて、御巫を見上げた。その瞳には、涙が溜まり、今にも溢れそうだった。
「こんなことをしてしまった私に、そんな、何デ……」
その問いかけには応えず、御巫は静かに微笑んだ。
「ぜひ受け取って下さい……」
顔をくしゃくしゃに歪めて、ボロボロと泣く寿井知を、神無月が持ち上げる。
「ヒャ!?」
「騒ぐな。返してもらうだけだ……ったく、興が削がれたぜ」
巻かれていた投網を解くと、神無月は寿井知をテーブルに投げた。
そのまま立ち去ろうとするが、ふと足を止め、振り向く。
「二度目はねぇぞ……次は、輪ゴムじゃすまさねぇからな」
そう言うと、ふん、と鼻を鳴らして、そのまま店を出て行った。
「さて……と」
御剣が立ち上がり、テーブルの上に居た寿井知を掌に乗せた。
不思議そうな顔をしている寿井知に、御剣が笑みを見せる。
「チーズ、返すにしても、人手はあったほうがいいだろうから……それぐらいは、手伝うよ」
「あ、私も。早くチーズケーキ買いたいし」
「ふむ……ならば私も、少しは力を貸そう。私も、そもそも、チーズを買いに来たのだよ」
雨寺と旅鴉が動き出すのを見て、御剣の手の上で寿井知が深々と頭を下げた。
「本当に、本当にご迷惑をお掛けしましタ……」
「……おい」
唐突に投げかけられた声は――カウンターの中。寿井知が顔を上げる。
見れば、高津戸が相変わらず複雑な表情を浮かべていた。
「その……結局アンタが何なのかとか、そういうのはわからねぇけどよ」高津戸が、苦笑する。「次は、コソコソしねぇで、普通に遊びに来いよ。裏口……少しだけなら、開けといてやる」
「は、はい……はい……ありが、ありがとうございまス」
「あんたらも、何だ、その。俺がこう言うのも変だが……迷惑かけたな。原因がわかっただけでも、助かったよ」
高津戸が頭を下げようとするのを見て、御剣がそれを開いた手で制した。
「ええ、俺は、この手の事に慣れているんで、今回みたいに不思議な出来事で困ったらいつでも声をかけて下さい。頑張りますから」
「おう……まぁ、『不思議な事』は、もうしばらく要らねぇがな」
――珈琲の香りと、薄く流れるジャズに、小さな泣き声と、小さな笑い声が混ざり合って。
寝子島商店街の少し変わった事件は、幕を閉じた。
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あとがき
担当マスター:
歌留多
ファンレターはマスターページから!
歌留多です。
まさかサンマさんの隠し子の子サンマさんが犯人だとは、誰にもわからなかったでしょう。
……などという、あとがきを先に読む方にしか通じなさそうな偽ネタばらしは置いておいて。
ご参加いただいた皆様。本当に、ありがとうございます。
ここまで読んでいただいた方も。ありがとうございます。
ここから読んでいらっしゃる方は、驚きましたか。一粒で二度美味しいですね(?)
短くもいつも通りのご挨拶となってしまいましたが、これにて。
また機会がありましたら、遊んであげて下さい。
では、失礼します。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
歌留多
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月02日
参加申し込みの期限
2013年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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