this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Rain Dance
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
12
つぎへ >>
真っ黒な空を仰いで「ぐぬぬ……」とうめく、女子一人。
それは
伊賀 解理
でありました。
半袖ベストにチェックのスカート、ついでにいうと制服の下はタンクトップにスパッツ、これが解理の着ているもの全部です。
いいや、違いました。
もうひとつ、ありました。
忘れちゃだめでしょう、それは彼女のトレードマークなんですから。
「これが僕の切り札だ!」
白衣です。
ぶあさっ、と解理はこれを広げました。
おお、テーブルクロスのように拡がり回転する白衣よ。その鮮烈な白さよ。
……いや、実を申しますと解理は白衣をずっと着ているのですが、演出として一旦脱いだんですね。大切なのは演出ですよ演出。
この白衣、彼女の身長にはちょっと大きすぎるサイズです。購入時にサイズを間違ったのか、そもそもマントのように大きいほうを好んだのかは謎ですが、ちょっと地面にひきずりそうな大きさなのは事実なのです。
つまり、
「それなりにサイズでかいから、すっぽり包む程度は造作もない!」
ということです。さらに、
「猫鳴館までは他二つの寮よりも圧倒的に距離が近い! これなら、もやしの僕でも走破はたやすい!」
ぴかーん、と解理の眼鏡ガラスが鈍い光を放ちました。ええ、これも演出です。
同じように空を仰いでうめいていた他の学生に、宣言するがごとく彼女は声を上げました。(いや、さっきからずっと声を上げっぱなしなのですがね)
「てことで僕は帰らせてもらう! さらばだ! ふぅははー!」
哄笑を上げながら彼女は土砂降りの中にダイブしました。
泥を跳ね上げ水たまりを踏み抜き、走る、走る、走ります。
さて生徒会長の海原茂といえば、少し前に味わった胸騒ぎ(と鼻血)はなんとか収まり、なんとか歩行ペースも復調してふたたび、黙々と歩き続ける人になっています。
「先輩!」
そんな彼に呼びかける声がありました。
でも、その声は雨音にかき消されて届かないのです。
「海原先輩!」
しかしそんな程度であきらめる声の主……
鬼河内 萌
ではありません。
桃色の折りたたみ傘を片手に、忍者もかくやの疾走です。萌は走ります。彼を追って走ります。香月兄弟を追い越し、歩道の段差を飛び越え、ブロック塀をよじのぼってショートカットして流星のように走ります。
「海原先輩に色々訊くチャンス! MMR(※)緊急出動だよ☆」
彼女の目はらんらんと萌えて……間違い、
燃えて
いました。
海原先輩のこと、今だって好きです。
たとえ先輩が……男性しか愛せない体質であろうとも。
「「洋二、俺のものになれ。拒否はさせない」
「茂先輩……あなたはいつも強引だ……」
「俺をこんな風に変えたのはお前だろう?」
……といった会話を鷹取洋二と毎夜繰り返していようとも! (※
言うまでもないかもしれませんが、やはり全部、彼女の妄想です。
……ていうか
前回
と受け攻め逆になってないですか?)
追いつきました。
「海原先輩!」
言うなり彼女は、ピンクフリフリの折りたたみ傘を彼に付き出し、雨を避けさせようとしたのですが二人の身長は十センチ以上差がありまして、もちろん萌のほうが低いわけでして、つまり、傘の端で茂の頭をぶち叩く結果になってしまいました。
「鬼河内か……」
しかし大人物、茂は怒るでもなく静かに振り向いたのです。
「ごめんなさい! あの、これ……」
使って下さい、と萌は彼にハンカチを手渡そうとするも、茂は首を振りました。
「もうこれだけ濡れてしまっている。今さらということもあるし、俺がその小さい傘に入ると鬼河内が雨に打たれることになる。気持ちだけもらっておこう」
茂の口調は決して冷たくなく、紳士的です。けれど、本当に傘もハンカチもいらないらしいとは伝わりました。
「……ええと、じゃあ、せめて……一緒に帰っていいですか?」
「構わない」
ふっと茂の口元がほころんだように見えました。
なんだか奇妙な状態ではありますが、これってもしかして、
――下校デート?
と思い至り、頬を染めてしまう萌なのです。
「あの……前から訊きたかったことを訊いていいですか?」
「何かな」
「『おちこぼれ姫』ってどんなお姫様ですか?」
すると茂は突然咳き込みました。
「だ、大丈夫ですか!?」
「失敬。質問の意図がわからなかったのでな。わからん、とだけ言わせてもらう」
「あと、『ムッツリ』ってなんですか? 先輩についてそんな噂を聞いたので……」
またも茂は激しく咳き込みました。
「もしかして先輩、肺炎じゃ!? 大変!」
「……違う。ただ喉がいがらっぽいだけだ。気にするな」
「はい、でも」
「いいから。健康だから。それで……その、なんだったかな」
「ムッツリ」
またもや茂は謎の咳をして、
「イタリアの独裁者かなにかの聞き間違いではないだろうか。口さがない者がそうあだ名しているのだろう」
と、なんだか変な早口で言いました。なんとなく、これ以上追求してはいけない気がします。
「そ、それと最後の質問なのですが~」
傘の色以上に頬を染めつつ、萌は言いました。
「本当に鷹取先輩と……」
付き合っているのですか? と、尋ねようとしたそのときです。
「雨で白衣濡れて重くなるのと寮への道が思いのほか歩きにくいことを計算に入れ忘れていただと! ……僕としたことが……!」
ぐむぅ、とうめき声を発しながら、白っぽい少女が駈け込んできたのでした。
解理です。白っぽいのはもちろん白衣の色でした。
雨の激しさに顔を上げられず、下を向いて走っていたこともあって、ちょうど萌と茂の間に飛び込むような格好になります。
「おっとっと……これはこれは会長、奇遇ですな。おっと、それにこちらは鬼河内氏!」
「解理ちゃん!? びしょびしょじゃない!?」
解理は、眼鏡に雨粒を反射させつつ白衣を脱ぎました。
「ええい、白衣が重くて速度が鈍った。もうこれは諦めよう」
そんな彼女のシャツはすっかり濡れきって、当然、体のラインがくっきり浮き出ているのです。タンクトップも。
「!?」
声にならない声を茂は上げました。そして、電撃でも浴びたようにあらぬ方向を向いたのです。
「おっと会長、これは失礼なところをお見せした。まあ、せいぜい服が肌に張り付いているだけ。見られても問題ないと認識しているが」
「駄目だよ解理ちゃん、ほら、ボクの傘に入って」
「かたじけない! しかし会長は……?」
「俺なら気にしないでいい」
顔をそむけたままで茂が言いました。「見られても問題ない」と解理が言ってるのに律儀ですね。それとも、意識しすぎなのでしょうか。
このとき、
「いいえ、気にします……」
と、会長のすぐ後ろから声がしました。
「茂さん、濡れながら帰るなんて……。風邪を引いたらどうするんですか……」
ゆたかに黒くつややかに長い髪を三つ編みにして、黒真珠のような目をした少女です。
萌と同じクラスの
御巫 時子
でした。大きめの折りたたみ傘を手にしています。
彼女の肩では、緑色の小鳥が羽を休めていました。実はこの鳥が今朝、時子に雨が降ることを教えてくれていたのです。(時子の『ろっこん』は鳥類と会話できるというものです)
「そうそう風邪など引くものではない」
と言いながらも、なんだか茂はきまり悪そうにしています。
「そんなことはありません。油断大敵です……」
時子は彼に、自分の傘をさしかけました。
するとどうでしょう、萌のときは断った茂が、すんなりと時子に従ったのです。
しかも、
「動かないで下さいね……」
と、彼女がハンカチで彼の額を拭くのにも抗わずにいます。
「いや……うん、すまない」
「私も猫鳴館に寄るつもりだったので一緒に行ってもいいですか……?」
「そうか。そういうことなら」
まるで猛獣使いを前にした虎です。茂はかたくなな態度を取ることなく、時子の同行を認めました。
「御巫さん、キミ……すごい」
思わず萌は感嘆の声を洩らしました。
「なにがですか? 萌さん」
時子はわかっていない様子です。演技している風はありません。どうやら彼女は、ごく自然に茂に言うことを聞かせることができるようです。
――もしかして海原先輩って、御巫さんみたいな人がタイプ……?
萌の脳裏をそんな想いがよぎりますが、すぐに彼女はこれを打ち消しました。
だって、海原先輩は鷹取先輩と……のはずですから。(あくまで萌の脳内では)
「あ、御巫さん、こちらはボクとは謎の関係の伊賀解理ちゃん」
気を取り直して萌は解理を紹介します。
「謎の関係ってオイ! まあ、よろしく頼むよ」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして二組の相合い傘で、猫鳴館に向かうことになったのです。
萌と解理、時子と茂。
時子が言いました。
「茂さんも解理さんも、帰ったらすぐに着替えて温かい飲み物を飲んで身体を温めた方がいいと思います……」
「そうしよう」
「それよりもボクはまず、今着ているものを全部パージしたいな。スポーンとね!」
「!?」
なぜかまた、茂はあらぬ方に顔を向けるのでした。なんでしょうね?
――本当はボクが、海原先輩と相合い傘したかったのになー。
ちょっと不満げな萌でした。もうちょっと、おしとやかにしたほうがいいのかしら。
ところで、時子には本日、ちょっとした内緒ごとがありました。
それは、本当は彼女には猫鳴館に寄る用事なんてない、ということです。
――変える方向が違うので、つい言ってしまいました。
どうしましょうかね、『用事』を。
まあ、歩きながら会話しながら、考えることにしましょうか。
※MMR:世界の謎を追い真実を求め続ける研究チーム『萌ミステリーレポート』のことだそうです。なお、メンバーは現時点、萌だけです。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Rain Dance
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!