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Rain Dance
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一言でカメラといっても、それはプロ仕様の大きなものです。そのカメラにはさらに、防水カバーをつけました。
雨が止んだら虹も撮れるかもしれません。なので三脚も持っていきます。
その総重量は……けっこうなものになっていました。でも、
「より良い紙面のためだ。頑張れ俺」
ずっしり重量を感じながらも、新聞部長
八神 修
は屋外に踏み出したのでした。
気分は戦場カメラマンです。
……実際、ちょっとした戦場でした。少なくとも修にとっては。
まるで高地を往くかのように、酸欠気味にぜはぜはと息を切らしつつ、なんとか校庭まではこれました。荷物はもとより、野外撮影用のレインコートもずっしり重くて息が詰まりそうです。
「……変な人がいる?」
つい呟いてしまいました。
だってそうでしょう、その人は、この雨の中校庭で、クネクネと踊っているのです。
よく見れば
鷹取 洋二
先輩ではありませんか。
ジャーナリストとしてはインタビューせずにはいられない状況です。さっそく声をかけました。
「あの……鷹取先輩、なにをされているんですか?」
「やあこれは八神くん、ちょっとね、実験をしているのさ」
「実験?」
「武道の達人のように、雨をひょいひょいと避けられないか、とね」
そんなことを言っている彼は、すっかりずぶ濡れなのでした。特徴のあるワカメ頭もぺったんになっております。
「いや、そんなことは武道の達人でもできないのでは……?」
「やる前から諦めてはいけないよ、八神くん」
ひどく澄んだ眼で、そんなことを言う洋二です。
「もうちょっとで、できそうな気がするんだけどなあ」
純粋な人だ――修は思いました。多少、呆れないことはないですが、それでも、前向きなところは見習いたい。
「音速で動けば、いけるかも」
「え? なんだって?」
「ほら、漫画のヒーローですよ。奥歯に加速装置のスイッチがあって、カチッと発動させたらマッハ5で動けるという……」
「ああ! あれね! 僕も好きな作品だよ」
「彼が加速装置を発動させると炎も止まったようになってたじゃないですか。あれと同じことが起きるんじゃないか……って」
もちろん修は本気でそれをやってほしいというつもりではありませんでした。『もし雨がよけられるとすればそれくらいの状態ではないと無理なのでは』と、遠回しに洋二をなだめるつもりだったのです。ところが。
「小さいころはあのヒーローごっこ、よくやったよなあ。むむむ……あの頃の気持ちが戻ってきたよ!」
乗ってきた乗ってきた、と言いながら、ワカメさんはワカメな髪型を、ちょっと特徴のあるあのキャラ風味に整えています。ついでに片眼も隠して、
「加速そーち! カチッ!」
と声を上げたのです。
「ははは、先輩も好きだなあ……」
その瞬間、修は唖然としました。
なぜって、洋二の速度が上がったからです。明らかに。
走るフォームが良くなっています。さすがに本当の改造人間級ではないと思いますが、迅いのは事実。
「これは……一体!?」
そうだ、と修はカメラを取り出しました。これは撮るほかないでしょう。
しかし、とらえられない。
あまりのことで気が動転したのでしょうか、修が被写体(洋二です)をフレームに入れる前に彼は移動を終えており、上手く撮影することができませんでした。
「うわお!」
どしゃあっ、と地面に洋二は転がりました。凄まじい勢いで転がって、べしゃっと動きを止めました。
「え……えっと、今のは……!?」
修が駆け寄って助け起こすと、泥まみれになりながら洋二は目を回していました。
「先輩! 鷹取先輩! 無事ですか!」
服が汚れるのにも構わず、修は彼を抱きとめて揺さぶりました。
「先輩……!」
「うん……八神くんか。なんだか体中が痛いよ」
でもね、と洋二は薄笑みを浮かべました。
「……なんか一瞬記憶がとんじゃったけど、気持ち良かったことだけは覚えてる。とってもね」
それだけ言うと、また洋二は目を閉じてしまいました。どうやら失神したようです。
「保健室……連れていかなくちゃ」
体力がない修ですが、渾身の力をこめて洋二に肩を貸しました。やはりここは戦場、なんとしても基地(校舎)に帰投せねば……!
首から下げているカメラに修は触れました。
撮れたでしょうか。あの決定的瞬間は。
冷たい冷たい。雨ですからね。
けれどなんだか楽しい、シャワー浴びてるみたいなものです。
「うひゃーやっぱすぐずぶ濡れだにー」
七音 侑
は大笑いしました。
雨中、彼女は海原茂同様、傘もないままに歩いて帰ることにしたのです。
当然、びっしゃびしゃです。髪は頭に張り付いてぺったり、シャツのほうもそれはそれは大変なことになっています。濡れ透けというやつですね。侑本人は意識していないようですが……。
「でもこれはこれでなんか楽しいかも♪」
侑はとても開放的な気持ちでした。雨雨雨雨どんとこい、てなもんです。
かくして侑は、ばっしゃばしゃ水音をさせながら歩いていたのですが、途上で知りあいの姿を見かけました。
「あ、工藤君だ」
同じクラスの
工藤 耀
です。彼は通学路にあるマンションの軒下、難しい顔をして空を見上げていました。
「おーいおーい♪」
開放的な気分でハイになっているせいか、普段より一割増しの明るさで侑は手を振りました。
「ん……誰………って、七音?」
目を丸くしている彼のところに、彼女はぴしゃぴしゃ水を跳ねながら駆け寄りました。
「にゃははー工藤君もずぶ濡れーっ!」
「あ……あんた何だその格好ー!!」
「うぴょっ?!」
「だから、その格好ってば!」
「な、ななななになに?!」
「ええいもう!」
透けてる! ――ということですが説明するわけにはいきますまい。耀は猛然、鞄を開けると、部活で使う予定だったタオルを取り出して侑の頭に被せました。
「あんたな! 風邪引きてぇのか、そんな格好、で」
わけもなく立腹口調で、ばさばさと彼女の頭を拭きます。
「いいよどうせもうずぶ濡れだしふかなくてー」
「それどころじゃないんだっつーの!」
理解しろよな-! とばかりに耀はつっけんどんに言いました。
ところが侑のほうはとんと察することなく、
「それどころじゃないってなにがー?」
なんてノン気なことを言っております。
猫か弟にやる感覚で、やや乱暴に侑の頭を拭きましたが、そうして一段落つくと耀の心には、また一つ意識が芽生えるのでした。
――こいつ、「女子」、だったな……。
今はタオルの下ですが、さっき目の当たりにしたもの……つまり侑の下着のライン――を思い出してしまったのです。ありありと。
「んにゃー、さっぱりした。でも、拭いたところで焼け石に水だにー」
タオルをとって、これをひょいと侑は耀に投げ返しました。
――いかん、見える!
というか、見えた! です。
スレンダーな侑は決して、いわゆるナイスバディではありませんが、それでも、しっかりと女性しているところは女性しているのです。
耀の目にふたたび、鮮烈なものが焼きつきいていました。すべての男子が憧れ、好きにならずにいられない優美なカーブはもとより、これを包む下着がチェック柄だということまでが、明確に。
「ほら、これ着ろ!」
――絶対いま、俺、顔赤くなってる!
それがわかるから、わざと大声で、わざと荒っぽく、耀は着ていたブレザーを脱いで彼女の両肩にかけました。
「いいの? でも工藤君、濡れちゃうよー?」
「いいんだよ俺は!」
――よし、これなら意識しないですみそうだ。
それでも高鳴る心臓音をごまかすように彼は言いました。
「ここからなら桜花寮の方が近い、か。……よし」
同時に、無造作に雨の中に出ていったのです。
「走るぞ。送っていく」
言い終える頃にはすでにダッシュしはじめていました。
「待ってー!」
楽しくジョギングというよりは激しくランニングといった感じで、弾丸のように駆けて二人は桜花寮に到着しました。侑の部屋がある場所です。
「はふー寮までダッシュはさすがにきついにー」
ぜはぜはと肩を上下させながら侑は笑って、
「じゃあな」
と立ち去りかけた耀を呼び止めました。
「はい! 傘貸して上げる♪ お気に入りのだからなくさないでね?」
「え、何? 傘?」
と、手渡された傘を見て、耀は思わず苦笑いしました。
「……男子高校生が差すには可愛すぎだろ、これ」
燦然と鮮やかなオレンジ色、しかも『雨』にひっかけたのか『アメ』すなわちキャンディの柄がちりばめられたキュートなデザインの傘なのです。
「……でも、ありがとな」
それでも笑みを見せて、耀は傘を差して手を振ったのです。
「じゃ、また明日ー♪」
「おう。じゃあな」
耀の背が見えなくなるまで見送って、部屋に戻ってそしてようやく、侑は気づいたのでした。
ブレザーを返すのを忘れていたということに。
「あちゃー。ま、乾かして明日かえそっと」
言いながらふと思いつき、侑は彼のブレザーに、自分の腕を通してみました。両方とも。
「やっぱブカブカだにー……えへへ♪」
どうしてでしょう。なんだか、くすぐったいような気がします。
その頃には耀も、ブレザーを返してもらい忘れたことに気がついていました。
「しまった! ま、いっか」
――返してもらうのを口実に、また七音としゃべれるしな。
「おいおい、なに考えてんだ、俺!?」
思わず口に出して言ってしまいました。自分で自分にツッコんでしまいます。
傘を見上げながら彼は、今なぜか動悸が速まっていることを感じていました。
最近なんだか、侑のことを考えたり一緒にいたりすると、こんな気持ちになることがあるのです。
――ありえねぇ。何で俺、『妹を心配する兄の心境』になってるんだ……? いや! 確かに何か放っておけねーけど、別に心配なんか……絶対違うだろ!
「偶然だ偶然!」
自分に言いきかせるようにそう言うと、耀はわざと大股で、水たまりをジャブジャブかきわけ歩いてみたりするのです。
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日常
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30人
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30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
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