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Rain Dance
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「まだ雨やんでないやー」
声の主は
桜庭 円
です。猫のにゃーくんを抱っこしたまま、
北条 冬華
と顔を見合わせています。
ここは武道館の出入り口。館内はいくらか蒸し蒸ししますけどとりあえずは快適、ところが外は雨、やっぱりずっと雨なのです。
部活が終わるころには止んでいるかと期待しましたが、無理でした。
「雨は雨でしかたがありませんけど……困りましたねえぇ」
冬華は深い溜息をつきました。天気予報を信じていたので、もちろん雨具の用意はありません。
「桜庭に北条、そっちも帰りか?」
御剣 刀
が出てきました。彼が所属する剣道部も終わったところのようです。
「こんな天気だけど、傘持ってきたか?」
刀が鞄に手を突っ込むと、そこから煮干しが出てきました。「食うか?」と彼が訊くより先に、にゃーくんは「ンワッ」と嬉しそうに鳴き、彼の手からカリカリのご馳走を食しています。
「いや、傘忘れちゃって」
「私も」
「俺もだ。これは濡れて帰るしかないかなあ」
ここで豆電球に、ピカッ、と灯がつく古典的表現をどうぞ。
その古典は円の頭上で輝いたものでした。
「そうだ、ポリ袋ないかな?」
「そうですね。せめて荷物だけでも防水しませんと……」
「違う違う。カッパ作ろうよ!」
「自作雨合羽ってわけか? それいいな、桜庭ナイスアイデア」
「そう、僕はいつでもナイスアイデアの泉なんだよー」
「でもポリ袋なんてどこにあるでしょう……?」
心当たりがある、と刀は言って、そのときにはもう背を向けていました。
「島岡先生に頼んでみる。剣道部の顧問だしな、まだ武道館にいるはずだ」
ややあって、
「ほら、もらってきたぞ。ハサミも借りてきた」
「さすが仕事が早いですね」
そういや生徒会長の海原さんが雨をものともせず歩み去って行ったらしいね……などと会話しながら、円と刀はさっそくカッパの製作に入ったのです。使うのはブルーのポリ袋。
「ハサミで切って、頭とボディの部分を作れば……ほら! かっぱのできあがり! ぱっと見、不自然じゃないでしょ?」
「俺のは不格好だが、背に腹はかえられないな。あとは腕と頭を保護するようにゴミ袋の切れ端を使って袖とフードを作るとするか」
ところで北条は作らないのか? と訊かれ、冬華は首を振りました。
「海原会長にならってみようかと思いまして……でも、濡れると困る学生鞄だけ袋に詰めました。中の教科書類がグシャグシャになっては大変ですので」
「えー? 平気なのー?」
と言いながら円は、にゃーくんの分も雨合羽を作成するのでした。
「ちょきちょき。ほら、かっこいい」
かくして、三人の用意は調いました。
「じゃあ行くとするか」
「緊張しますね……」
「なんか戦場に飛び込む気分……よし、覚悟完了!」
三人は並んで、同時に大雨の中に踏み出したのです。
「さすがに凄いですね。転ばないように注意しなきゃ……」
という冬華はみるみる濡れていきます。
ウェーブがかかった髪はあっというまに水分を吸い、前髪からもぽとぽとと水滴が落ちています。ワイシャツもたちまち水浸し、ぺたりと肌に張りつきます。
「……うう、明鏡止水な会長の心境に達するのは難しそうです」
貼り付くワイシャツは冬華の体を、裸にしたみたいにくっきり浮き立たせました。すばらしき曲線美を描くふくよかなバスト、左右対称にくびれた腰ももう隠せません。しかも無数の雨の雫が、身体を舐めるようにしたたり落ちており、なんともいえぬ艶やかさだったりします。
でも、ある意味それ以上に大変なのは……。
「おーい北条、シャツが濡れて透けてる」
さっと刀は顔をそらせました。即席レインコートがあるといっても、風もありますし彼もあちこち濡れそぼっています。
「えっ?」
「下着が、見えてるってこと」
円が耳打ちするように言いました。
「きゃ」
冬華は小さな声を上げました。
レースやリボンで飾られた下着ではなく、あくまで機能重視のスポーツブラジャーとはいえ、やっぱりブラはブラです。彼女は頬をかっかと染めて、ビニールでくるんだ鞄を抱きかかえ胸を隠すのでした。
「御剣さん……見ました?」
「いや、見てない」
と言いながらも、刀の口調はなんだかぎこちないのです。
しばらく三人は無言で、ただ雨の音が耳を打つだけでしたが、やがて、
「…………高校生でその下着はどうよ?」
ボソっと刀が言いました。頬を染めながら。
「やっぱり見てるじゃないですかー!」
バンバンと冬華は鞄で刀の背を叩きます。
「すまんすまん! そんなイヤらしい意味で言ったわけではない!」
「イヤらしくなくてどういう意味なんですかっ……! それに、今日はは部活の日だからスポーツブラなだけで、普段はもっと……」
「『もっと』なにかなー?」
「どうしてそんなに円さんが嬉しそうな顔をしているんです……?」
「いやあ、私も年頃だから結構気になるしー」
ところで円に抱えられているにゃーくんは、猫にしては水が嫌いではないようで、わりと平気でおります。
これに気づいて、
「にゃーくん、雨の日は、水溜りが出できるから、いつもと違うことして遊べるんだよ。ほら、ちゃぷちゃぷ、って」
円は楽しそうに、長靴でもないのに水たまりに入ってみたりしました。ばしゃばしゃ、ばしゃ。
当然、靴はぐしゃぐしゃになりますが、即席レインコートの防水力はほどほどで、もう隙間から一杯濡れてしまっているため、割と平気です。
「ほら、音が出ると楽器みたいで楽しいねー」
円が下ろしてあげると、にゃーくんは果敢に水に足を入れ、やはりそのばしゃばしゃを楽しんでいるようです。
「桜庭、何やってんだよ」
「そんなこと言わずに刀くんもやってみてよ、楽しいよ?」
「ま、俺もレインコートしているとはいえあちこち冷たいものがしみこみはじめてるしな」
そう言うと、刀も水たまりに入るのでした。冷たいけれど気持ちいい、水音ばしゃばしゃ、ちょっと童心に返ったような気がします。
まるでダンス、二人と一匹で、雨の中のダンスです。
「あらあら……そんなに水をはねて……これでは、お二人とも合羽を作った意味があまりありませんね……」
と言いながら誰よりも濡れた前髪を、かき上げて冬華は微笑みました。
帰ったら、すぐにお風呂に入りましょう。
風邪をひいてはいけませんから。
『Rain Dance』 完
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました。
マスターの桂木京介です。
今回のシナリオは短編集と申しますか、同じ状況からスタートした各参加キャラクターが、それぞれどのような反応を示し行動するか、というところを一人または複数キャラクターごとに綴っていった仕上がりとなりました。
まとめかた、流れには気をつけましたが、ぎこちないものを感じたとしたら申し訳ないです。
マスターとしては今回も、予想外のアクションがたくさんあって楽しめました。
これまで何度か描いてきたキャラクターの意外な側面もあったりして、描写するのにも力が入ったりしております。
よければまた、ご感想などいただけたら嬉しいです。
それではまた、新たなシナリオでお目にかかる日を楽しみにしています。
桂木京介でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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