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Rain Dance
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バケツをひっくり返したよう、とはよく使う大雨の表現ですが、本日のこれは大型バケツとはさすがに言わないものの、えいやと手桶をひっくり返したような雨なのは間違いありません。どさどさと降る雨音乱れ打ち。しかも、なんだか尽きない魔法の手桶だというのか、いっこうに雨足の弱まる様子はないのでした。
――困ったな。僕今日傘なんて持ってきてないよ。
ぴんと立った前髪も、なんだかしんなりなりそうです。
新井 米太郎
は校舎の玄関にて、途方にくれる生徒の一人でした。
恨めしげに空を見上げます。銀の矢みたいな雨が、いつまでも降り止まない。
「うーん、一人だけだし走って帰ろうかな」
それがひとつの解決法という気もしました。濡れネズミになったところで、さっさとシャワーでも浴びて着替えればいいだけのことです。そうです。悩んでいたって仕方がない。
「海原会長を見習って……」
雨を気にせず、いや、それどころか雨なんて存在していないかのように、普段通り歩き続ける茂のように。
いや、前言撤回。
「うん、あれはさすがに堂々としすぎだけどさ!?」
海原会長の域には達せない気がします。達さなくたっていい気もしますけど。
米太郎は意を決しました。
なせばなるはず。さあ、行きましょう。土砂降りの雨の中へ。
「って、あれ……?」
ちょっとつんのめった状態で米太郎は足を止めました。
「あ、こー君だ!」
背後から声をかけられたのです。外に飛び出そうとした勢いのまま、くるり反転しますと、
「傘、もってないの?」
そこには予想通り、
霧切 翠子
の姿がありました。
ただ、米太郎の予想通りでなかったことも、ひとつ。
それは、翠子がずいぶんと近い位置にいたということです。手を伸ばせば彼女の息に触れられるくらいに。
「霧切先輩!?」
わけもわからずカーッと熱くなって、なんだか心臓が跳ね回りそうになるのですが、それを無理矢理に抑えて米太郎は言いました。
「先輩も傘、持ってきてないんですか?」
なんでしょう、この感じ。びっくりしたせいだと思うのですが、先輩のそばにいると体温が上がります。血も活性化しています。今なら百メートルダッシュを三往復、すべて日本記録のタイムで疾走できる気がする米太郎です。
「あー……その……」
その感じがうつったのでしょうか、それとも米太郎の勢いにのまれたのでしょうか、なんというか、翠子も無闇に上気しています。
――折りたたみ傘、もってきてるんだけどな-。
ちょっと言い出せない。「傘持ってきてるから入らない?」とは言い出せない。
気恥ずかしいのです。ようするに「相合い傘しない?」ってことですから。
……本当をいうと彼女も憧れてはいるんですけどね、相合い傘。
それも、米太郎と一緒というのに。
「そうかも……」
ちらっと美術部の方向に翠子は目をやりました。
いま、ひょっこりと鷹取洋二が顔をのぞかせたりしたら、いささか困ったことになりそうです。
「あれ? 霧切くん、『傘持ってる』って言ってなかった?」
なんてノー天気に言われそうで。
そうです、翠子は洋二に「まあほどほどにね、私は折りたたみ傘があるから先に帰るわ」と言って出てきたのです。今、彼に見られるのは何かとマズイ。
まさかそれを察したわけでもありますまいが、
「ちょっと先輩、こっちへ……」
と米太郎は彼女を誘って、軒下の物陰に歩き出しました。
「僕には『ろっこん』があるからね。発動! 雨を吹き飛ばすよ……!」
なるほどその手が、と翠子は手を打ちます。米太郎は重力をあやつる『ろっこん』の保持者なのです。ただしその能力は二十三分間限定ですので、時間内に帰宅しなければなりませんけれど。
「うん?」
でも、
「あれ?」
米太郎の能力は発動しませんでした。
「あー!」
思わず米太郎は頭に手をやってしゃがみこんでしまいました。
とびだした威勢のいい前髪がしとどに濡れています。
「今日はもう時間一杯使っちゃったんだ……先輩、役に立てなくてごめんなさいだよ……」
そうです。朝は重い荷物を運ぶお年寄りを助け、昼は職員室でで崩れそうになっていたファイルの山を支えて……と、自称かもしれませんが『ヒーロー』として、本日は丸一日活躍した彼だったのです。つい今し方だって、その能力で転んだ生徒を助けることに成功していました。
今日の米太郎は間違いなくヒーローだったといえるでしょう。
翠子のヒーローにはなり損ないましたが。
「それじゃあ仕方ないし……落ち込まないで?」
だったら、と翠子は決めました。
「じ、実は傘持ってるの……こー君よかったら、一緒に帰ろう?」
自分が彼の、ヒーロー(ヒロイン?)になればいいのです。
米太郎の頭に当たっていた雨が止まりました。
彼が見上げると、翠子の赤い傘が開いていました。
「っと、アレ? 先輩、傘もってたんですかっ!? なのに僕、先輩も傘がないなんて思い込んじゃって……恥ずかしい!?」
「ごめんね言い出せなくて……」
がんばっている米太郎を見て、打ち明ける勇気が出たというのは内緒です。
「じゃあ、行こう?」
「はいっ!」
折りたたみ傘は小さいので、どうしても二人、身を寄せ合う格好になります。
一組の小鳥のように。
あるいは、恋人同士のように。
頬が熱くって目なんかうるんじゃって、そんな顔を見られたくなくて、翠子はうつむき気味です。
でも大丈夫。米太郎だってまったく同じで、やっぱりうつむき気味だったりするのですから。
恥ずかしくて照れくさくてたまらないけれど、なんだか嬉しい、相合い傘。
――この雨がずっと、やまなければいいのに。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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