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無言で、
神木 煉
は傘を開きました。
黒い折りたたみ傘。たまたま持ってきていたものです。
外は雨。というよりは豪雨。決して大きくないこの傘でどれだけ耐えられるかはわかりませんが、まあないよりなずっとましでしょう。
一歩、踏み出そうとしたところで、
「お、いいもの持ってるじゃねぇか」
緋王 輝夜
に声をかけられていました。
「いいもの……?」
「傘だよ傘、ナイスタイミングだ。困ってたんだよな、あたし」
にぱっ、と笑って輝夜はつかつかと歩み寄って、
「ほれ、レディーを送っていってもバチは当たらんぜ」
ひょいと傘に入るのでした。
「レディー? どこにいるんだ」
輝夜は眼鏡の奥から、じろりと煉を見上げて、
「ほれ、さっさと歩く!」
とりあえず煉が彼なりに冗談を言っているようだと察して先を急がせるのでした。
といってわけで相合い傘状態、小さい傘なので自然、身を寄せ合う格好になりますが、輝夜のほうはいっかな平気な様子で、今日のできごとなんかをケラケラと笑って話しています。煉の対応は「そうか」「ああ」といった無愛想きわまりないものでしたが、ちゃんと聞いているようです。
ところがアクシデント。
学校の敷地から出て、しばらく歩いたところです。
「しまった!」
煉は舌打ちしました。突風が吹き、傘がグシャッと音を立てたのです。骨はボキボキ、持ち手も取れてしまいました。完全に壊れたようです。
「壊れやがった!?」
「使い物にならないな、これでは」
「かー! 一難去ってまた一難ってか!」
まだ駅までは距離がありますし、校舎に戻るのも濡れ損になりそうです。
煉は即断しました。
「ここからなら俺のアパートのが近い。そこまで走るぞ!」
「え? どっち?」
「こっちだ」
「おい待てって……わ!」
ばしゃ。輝夜は足をもつれさせ、水たまりに半身をひたすほど転んでしまいました。
それが半身ですんだのは、
「急がせてすまなかった。大丈夫か」
煉がたくましい腕で、しっかりと彼女の腕を支えてくれたからです。
「大丈夫、って言いたいところだが冷てえ……!」
そこから数分、なんとか二人は煉のアパートに転がり込みました。
木造の古いアパートで、階段なんかきしんでいますが、煉の部屋はきれいに整理されていました。必要最低限のものが整然とあるべき場所に配置されており、その構造は主の性格を物語るようです。
「使ってくれ」
煉は輝夜に、まっ白なタオルを手渡しました。
「お、サンキュ……」
と言い終える前に輝夜はくしゃみが出てしまいました。冷たい雨に打たれたのです。春とはいえかなり寒さを感じます。
くっそ、このままじゃ風邪ひいちまうぞ……どうしよう――と、視線をさまよわせた輝夜に応じるように、
「服を乾かしたほうがいい」
と煉は言いました。
「え、服乾かせ? さすがに脱げるわけないだろ!?」
びくっと身を起こす輝夜です。それはそうでしょう。友人同士とはいえよく考えたら、年頃の男女、ちょっと不純な展開です。なにか間違いが起こってもおかしくない。
けれど煉は真顔で言いました。
「そういうことを言える状況ではないだろう」
「で、でもよう」
それって、下着一枚になれ、ってこと? と、言いかけた輝夜ですが、煉だってそれくらいの配慮はあります。
「とりあえず服が乾くまでコレでも着ててくれ」
と言って彼は、輝夜に服を差し出しました。
「これって煉のワイシャツじゃねーか」
「サイズは合わないだろうが……それくらいしか出せるものがない」
「…………むう、背に腹は代えられねーか」
見るなよ、絶対見るなよ、と煉に背を向かせて、いそいそと輝夜は服と靴下を脱いでシャツに袖を通したのでした。頭のリボンも解いて髪を丹念に拭きます。下着もいくばくか濡れているので本当なら脱ぎたいところですが、それを実行すると危ないどころではない気がしました。
「もういいぞ」
と言って輝夜は振り返ったのですが、煉の姿はありません。
「煉?」
すると彼は、盆にティーカップを二つ乗せて戻ってきました。
「コーヒーだ。インスタントだが。これで冷えた身体を温めてくれ」
静かに座ります。煉もいつの間にやら着替えてきたようです。
「気が利くな」
などと言いつつ、ちょこんと輝夜は正座しました。カップが手の中で温かい。ふう、と吹けば白い湯気が立ち昇っていきました。
ふと煉は彼女に目を留めました。
服のサイズはまったく合っていません。ぶかぶかなのは当然、袖なんて長すぎるので折っております。下着の他は下半身に穿くものはありませんが、なにせ丈が長いのでただのシャツがワンピースのようになっており、しっかり膝まで隠れていました。
けれどなんというか、違和感というか、ミスマッチの魅力というか……もっと言えば、色っぽさというか……。
彼女ってこんなに肌、白かったでしょうか。髪を解いたらいつもより、ぐっと大人っぽく見えたりもします。
……なんだか頭に血が上ったようです、煉はふるふると首を振りました。
「じ……じろじろ見んなよ、恥ずかしいだろ」
強がりながらも、もじもじと膝をすりあわせてしまう輝夜です。
――よく考えたら、煉の部屋来るのって、初めてなんだよな。
いつかはその日も来るんじゃないか……そうぼんやりと感じてはいた気もしますが、少なくとも、こんなシチュエーションでいきなりこうなるとは夢にも思いませんでした。おまけに今、自分が着ているのは……なにもかもが予想外です。
「す、すまん」
一方煉はといえば、急に暑くなってパタパタと手で自分を扇いでいたりするのでした。
――どうしてこんなに暑い? コーヒーのせいか?
暑いだけならまだいいのです。どうしてこうも心臓が高鳴るのでしょう。
「あ……ある程度服が乾くか雨が止んだら、改めて駅まで送らせてもらう」
「お、おう。頼むな」
……沈黙。
「テレビでも観るか?」
「悪い。俺の部屋にはテレビがない」
「えーと」
また、沈黙。
それが恥ずかしくて暑くて、たまらないのですが、でもなんとなく、これがもっと続けばいいのに――なんて思ってしまったりもするふたりなのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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