＜七福猫シリーズ＞大黒猫を探せ編｜リアクション

＜七福猫シリーズ＞大黒猫を探せ編

●いきなり出現！　突撃大黒猫

　曖浜瑠樹は、見落としているかもしれないと、再度、漁港付近の路地裏、店の隙間といった猫が入りそうな狭い場所を念入りに探す。
　だが、大黒猫らしきものはない。
　海付近に落ちているかも、と思い、漁港付近の海岸も見ておこうとそこへ向うが、それらしきものはない。
　立ち止まり、どうやって探そうか考える。誰もいないので、大声で呼びかければ何らかの反応はあるかもしれない。
　息を吸い込み、大きな声でこう言った。
「大黒猫さーん、鯛を持ったにゃんこ、こっちだよぉー！」
　何の反応もないので駄目だったかなぁ？　と思ったその時。突然、ものすごい音を立てながら、何かが瑠樹の背後をものすごい勢いで近づいてきた。
　振り向くと……それは、小槌を持った黒い猫の石像だった。

　――えびっつぁーん！！

　拡声器を使っているかのような大声で叫びながら、何かが急接近、というよりは猛進してきた。
「大きな声だねぇ。早く皆に知らせないといけないねぇ」
　その前に、と、それが何かを確認したところ、探していた大黒猫だった。
　ラピちゃんを抱きしめて和み、ろっこんを発動させて大黒猫を和ませようと試みる。
　周囲にいた人は和んだが、お怒り状態、恵比寿猫に一刻も早く会いたい大黒猫のスピードは一向に落ちない。
　あともう少しで、瑠樹に衝突しそうな距離まで近づいてきた。
「ろっこん、効かないようだねぇ」
　和ませるのを諦め、寸でのところでかわすとアリス・ミーティアと佐藤瀬莉を探し、早く合流して大黒猫が見つかったことを教えることに。

『かたなくん、あれ』
　空中からその様子を見た小山内海は、御剣刀と橘千歳に大黒猫を見つけたを教えた。
「黒っぽい猫の石像、ということは、大黒猫かもしれないわね」
「海、千歳、飛ばすぞ。振り落とされないようにしろよ！」
　一刻も早く鎮めるべく、刀達は大黒猫を追う。
　その間、千歳は、ねこったーに「大黒猫を発見。捜している人は漁港付近に集合」とつぶやく。

「見つかったんだね、あの猫」
　ねこったーで大黒猫が見つかったことを知った瀬莉は「早くツッコミ入れに行こう！」とアリスを急かす。
　発見された場所に向かう途中、２人を探していた瑠樹と合流。
「オレが恵比寿様がここにいるよぉ、って呼びかけたから、大黒猫がいきなり来たんだよぉ」
　最初から恵比寿猫を利用した方が良かった？　と思う瀬莉とアリスだったが、今は、大黒猫を探すべきだ。

「綾辻さん……大黒猫さん、漁港付近に現れたみたい」
　遠野まほろは、大黒猫が罠にかかるのを待っている間、他の猫がかからないよう注意しつつ、ねこったーで情報確認をしていた。
「他の人も……ここに来るみたいだね。いくつか……情報があるから」
「大黒様、見つかったんですね。ここに来てくれればいいのですが」
　ピコピコハンマーでツッコミを入れて、少しでもお怒りを鎮めたいです、と綾辻綾花は大黒猫が来てくれることを願う。

　一緒に大黒猫を見つけた千歳からの情報で、八神修と椿美咲紀は、漁港付近に大黒猫突撃中ということを知った。
「そこで暴れとるんやな。騒動あるところに大黒猫さまありなのですよー！」
「今は漁港付近に向かって突撃だけのようだが、暴れられたら大変だ。お怒りを鎮めに行こう」
　鯛を抱えた恵比寿に扮した修。
　ぴょんぴょん飛び跳ね、ウサギのように移動する美咲紀を見た人達は何事？　と思い見ていた。
「映画の撮影中なんです。カメラは、見えないところで撮影しているので気にしないでください」
　こまかいことはええねん！　と美咲紀が突っ込むので、黙って見ていようと判断する周囲の人達だった。