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海と歌とキャンプと
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月が高い。
真上から降り注ぐ真っ白な月の光はほんの少しだけスポットライトに似ている、ような気がする。
春姫 いちご
はツイテンテールに結い上げたチョコレート色の髪を揺らし、髪を飾る苺と苺の花のアクセサリーを揺らし、芝生広場を足早に歩く。
スタッフの仕事に一区切りつけられたのが、ついさっき。長時間の拘束を詫びるイベントスタッフにとんでもありませんと首を横に振り、いちごは休憩時間に入った。
ゴミ拾いや会場案内の仕事の合間に、バイトスタッフ用にと用意されたおにぎりをお腹にいれてはいるけれど、育ち盛りの女子高生におにぎり一個はちょっと厳しかった。
好きなだけ食べてねとは言われはしたものの、つい遠慮した上につい仕事を頑張り過ぎたお陰で、お腹はぺこぺこ。
幸い、まだあちらこちらと開いている屋台は残っている。
深夜の飛び入り参加企画に賑わうステージに背を向け、いちごは弾む足取りで屋台の通りに飛び込んだ。色とりどりのフルーツを漬け込んだお酒、魚介類の網焼き、ケバブにインドカレー、フォーに生春巻き。月明りよりもっと明るいライトをきらきらと夜に輝かせ、屋台がいちごを呼んでいる。
「わぁ……!」
その中でいちごの目を惹いたのは、南瓜頭の店長と猫耳メイドが楽し気にくるくる踊って呼び込みをしているスイーツ屋台『マジカルハロウィーン』。
奥の天幕でのスイーツの作成はもう終了してはいるらしいが、店頭にはアップルパイに南瓜パイに蒸しプリンに、まだたくさんお菓子が並んでいる。
(とっても美味しそうですっ!)
蜂蜜色の瞳を輝かせ、いちごは南瓜頭の店長と猫耳メイドに声を掛ける。
「すみません」
「ハーイイラッシャーイ」
「いらっしゃいませー!」
抜群のコンビネーションで声を揃えるハロウィーンなふたりに顔中で笑い、いちごはまだふうわりとあったかいアップルパイをひとつ指し示す。
「これひとつ、お願いしてもいいでしょうかぁ……?」
甘い蜜のかかったパイ生地は一口かじればさっくさくのバターの香りが広がり、中からとろりと蕩ける焼き林檎が零れだす。甘さの中にも林檎の爽やかさとシナモンのスパイシーさが感じられる絶妙な味を楽しみつつ、ぺこぺこのお腹を満たしながら歩いていて、
「くぅぅ……っ!」
電気を落として閉店したジャンボ串焼きの屋台の前、膝からくずおれ四つん這いになって哀切な声をあげるバイト仲間の
後木 真央
を見つけた。
「う、後木さん……?」
「これがただ一度のイベントの筈がないのだ第二第三のイベントは必ず寝子島を襲撃するのだっ」
ヒーローにやっつけられた直後の悪役のような怪獣のような捨て台詞を吐きつつ、真央は折れぬ心で立ち上がる。バイト員配給のおにぎりはおかかとシャケと梅干しとたらことツナマヨの五つをもぐもぐしたけれど、足りるはずがない。バイトの合間を縫って目星をつけた屋台は残念ながら閉まっていたが、休憩時間はまだある。
「あっ、いちごちゃん! また後でバイトがんばろーなのだ!」
次の仕事時間までに美味しいものを補給すべく、真央はまだ開いている屋台へと突撃を開始した。
「うおおおおお!」
◇◇◇
仲間の寝息を背に、テントからのそりと這い出る。
夜更けの空に白々と輝く月の眩しさに、
如月 庚
は黒い瞳を細めた。頭を掻き、瞼を擦る。夕暮れまで続いた宴の名残が僅かに残るBBQコンロの辺りを一眺めし、ほんの僅か、口の端を笑みのかたちにもたげる。
遠いステージに、眠りを誘うような、明日の光を待ち侘びるような、子守唄じみて静かな音楽が聞こえていた。
切なくも聞こえるギターの音を耳にしつつ、仲間の誰かが運営本部からレンタルしてきた折りたたみ椅子を片手、キャンプサイトからそう遠くない海岸の砂浜に降りる。
砂を踏みしめてしまえば、音楽祭会場の音は夢に似て遠くなった。
その代わり、波の音が身体を包み込む。
砂の上に椅子を広げ、腰を下ろす。投げ出すように背もたれに背中を預け、夜空を見上げる。少し肌寒くはあるものの、凍えるほどではない。
生ぬるい空気に息を吐き出す。海風と波の音が耳に届くまま、ただひたすらにぼんやりとしていて、
「……なーに黄昏れてるんですか」
星空ばかりが映る視界に、見慣れた相棒の白い顔が覗いた。
驚く様子も見せない庚に、
屋敷野 梢
は三つ編みを垂らした細い肩を詰まらなさそうにちらりとすくめる。それ以上何も問わず、庚を椅子から砂の上にぽいと追いやる。自分が椅子に座る。
「なんつーか……」
追いやられるまま、庚は砂の上に大の字になる。吐き出す。
「緩ぃな、この空気」
らっかみ、もれいび、クローネ。ひどく騒がしい怒涛の日々は、クローネが消えてとりあえずの終着を迎えたように思える。そのことが妙に、腹から力を奪った。
(腑抜けたか……俺)
心に零してから、はっと起き上がる。違う。
(ちげぇよ……)
こういうのが『普通』だった。
本来はこうだった。
(……こうだったんだ)
自分に言い聞かせる。疲弊したようなこんな思いは、相棒にさえ、――否、相棒にだからこそ、聞かせたくない。
おそらくは、と自身を分析する。
(いささか、異変に慣れすぎたか……)
寄せては返す波を眺めてただただ黙する『情熱』のリーダーの横顔を、副リーダーである梢はしばらく見つめ、
「そーいえば……これ、音楽イベントでしたよね」
まだやってます、と短く笑い、海風にも吹き飛びそうなほど身軽に立ち上がる。
「せっかくだし、何か聞きに行きません?」
◇◇◇
赤い火の向こう、白く輝く舞台が遠く見える。
(焚き火台ってな便利だなァ)
焔の色に染まる赤銅色の睫毛を瞬かせ、
フォーマ・シャオ
は耳を澄ませた。海の匂いと心地よい音楽を乗せ、優しい風が流れてきている。
(しかし)
異郷の音楽を楽しみながらも、思うのは己の身上。
(こうも簡単に違う世界に行けるなんてな……)
元の世界に居た頃は、そんなことは考えもしなかった。己が世界はこの地のみ、我が主の傍らのみと信じ切っていた。
星幽塔に寝子島に、全く違う世界を不可思議な力によって己が意にあらず行き来できるようになった今、ともすれば元の世界にも何かの拍子で帰れはしまいかと時折ふと考えてしまう。
星幽塔に新たな仲間を得、星幽塔での日々を日常と捉えられるようになっていても、尚、フォーマは心のどこかであの灼熱の大地を想う。あの地を襲った異変を、暴走状態に陥った幻獣を、それを鎮めようとした己が主を。
共に征くはずだった。けれど幻獣と相対する直前、主は己を呪で以て玉に封じた。
だから、危機に陥った己が世界の、幻獣に襲われた己が世界の顛末をフォーマは知らない。己が主がどうなったのかさえも。
(主。何故)
己を封印する直前に見た主の顔を想う。あの時、主は微笑んでいるようにも泣いているようにも見えた。
己を封じ、星幽塔に放逐した主の行動の本意を、フォーマは今も量りかねている。
(おれは貴方の従者なのに……)
死出の旅路さえ共に辿ると誓っていたのに。
「……っだー!」
記憶をなぞればなぞるほどに丸まって来た背中を、雄たけびと共にぐいと伸ばす。
「折角の祭に何辛気くせえ面してんだおれァよぉ!」
への字にひん曲がっていた唇をぎゅっと引き結ぶ。しょげていた頬を両手でばしばしと容赦なくひっぱたいたところで、
「んあ」
「あ」
こちらをびっくりしたような顔で見る
ペルラ・サナーレ
と目が合った。
「よう、嬢ちゃん」
フードの下から薄紅色の髪を覗かせた空色の瞳の少女は、おそらくは己と同じに星幽塔から迷い込んできているのだろう。
十代半ばの見た目のその癖、揺らぐ炎を映す空色の瞳は歳月を重ねた者のそれをしていることを見て取り、フォーマは判断する。
「マシュマロでも焼くかぁ」
夜はまだ長ぇんだ、と屈託なく笑いかけられ、ペルラはふうわりと笑みを返した。
「どこの世界でも、炎の暖かさも音楽の揺さぶりも変わりませんね」
焚き火台の上で熾火に変わりつつある炎を見つめていた瞳をもたげ、声を掛けてくれた星幽塔の住人の傍らに移動する。串に刺したマシュマロを手渡してくれるフォーマに礼を言い、遠火でじりじりとマシュマロが焼けるのを待つ。
(炎は、怖い側面もありますが……)
暖かさを与えてくれもするけれど、反面、一度劫火となれば一切の慈悲なく全てを焼き尽す。町も森も、人も。長く生きるうちに、炎の恐ろしさは幾度となく体験している。
炎を見つめる瞳を瞼に一度閉ざし、星空に流れる音楽に意識を向ける。聞き慣れぬ響きを伴う異郷の音楽は、それでもこの地の人々の生きざまを表すものでもあるのだろう。
「……もう一度、弾いてみようかなぁ」
遠いステージに耳を傾けながら、眩し気な眼差しを向けながら、薄紅の髪の乙女はぽつりと呟く。
互いに異郷から彷徨い込み今は星幽塔に居場所を同じくする乙女の言葉に、赤銅の髪の男は快活に笑んだ。
「そん時ァ、おれにも聞かせてくれな」
◇◇◇
砂浜に続く石段の前の手すりに寄りかかって立つ。海風から互いを庇い合うように肩を寄せ合い、互いの温もりに微笑みあう。
遠い会場の光と月光が混ざり合って揺らめく夜の海をふたりで眺め、交わすのは他愛のない言葉ばかり。
あの音楽が良かったね、とか、あの屋台のスイーツが可愛かったね、とか。
海を眺め、傍らの
佐和崎 紗月
の横顔を眺め、
初瀬川 理緒
は手すりに乗せた両腕に細い顎を埋める。
グラビアアイドルとして所属している事務所に、『偏差値30からの大学受験』と題した企画を立てられたのはしばらく前。受験失敗は即引退、という枷さえつけられている。
それなのに、受験まで一年を切っているというのに、そもそも高校に入学できたのも奇跡的、受験をするつもりは一切なく成績も超低空飛行な理緒は、未だに何をどこからどう手を付けていいかも分かっていない。
今までの理緒なら、勉強なんかまっぴら、と今まで築き上げてきたグラビアアイドルの地位さえ蹴っていたかもしれない。――けれど。
(この前)
少し前、理緒は自分に関する記憶を全て失った。記憶を失っていた時間は長くはなかったものの、その間、恋人である紗月に恐ろしく心配をかけた。その間、紗月は懸命になって自分の手を引いてくれた。
繋いでくれた手の温もりを今も覚えている。記憶を取り戻すきっかけとなったキスの優しさも。
(この子のそばにいたい)
記憶は戻ったけれど、それだけは明確に思い知った。それと同時に、目標も定まった。
彼女のいちばん近くに居続けるためには、今は進学を目指すしかない。一緒の大学に行ければ、今よりも傍にいることが出来る。
(あたしは、彼女のことを愛している)
心に囁いて傍らを見遣った瞬間、彼女と目が合った。同じ瞬間に互いを見たいと思ったことが嬉しくて、ふたりは笑う。手を繋ぐ。向き合い、最初はついばむような軽いキスを交わし合う。額を寄せ合い、くすくすと笑い合う。
「私のキスは理緒ちゃんだけのものよ」
大人し気な紗月から熱を帯びた告白を受け、理緒は甘く微笑む。
理緒がサプライズ・キスを申し込まなかった理由はそこにある。
(キスは大切な人とつながるためのもの)
理緒にとって大切な人は、紗月だけ。それ以外の人にはキスなんてできない。されたくない。紗月も同じ思いであると知れば、彼女に対する思いは更に深くなった。
お互いだけを互いの瞳に閉じ込め、ふたりはきつく抱き合う。唇を重ねる。
溶け合うほどに激しく、長く――
◇◇◇
ライブの頃合いと客の流れを見て、ダッチオーブンの火は落とした。店頭にあるだけ出していたお菓子も、さきほど
檜扇 舞華
が最後のひとつを通りがかった客を捕まえ提供することに成功した。
「看板ーカンバンー、マジカルハロウィーン、閉店デース」
南瓜頭のジャック店長は最後の一張り切り、踊りながらの閉店作業に入る。洗い物を済ませ、まだ熱を帯びたままのダッチオーブン以外のものを調理用天幕に持ち込む。
「……さて」
南瓜頭を外し、
旅鴉 月詠
はろっこんを使って持ち込んだ荷物を全てスケッチブックの頁に再封印という格納をする。
「お疲れさまでしたー」
ろっこんの使用が終わり天幕内が空になった頃を見計らったように舞華がひょこりと顔を覗かせた。
「お疲れさまー」
ハイテンションなジャック店長とは打って変わり、いつも通りのマイペースさで振り返る月詠の後ろへ舞華は歩み寄る。甲斐甲斐しい仕草で月詠が纏うジャック店長の衣装を脱がせ、用意しておいた元の衣服を着せ掛ける。
「やーいい仕事しましたねー」
丁寧な仕草とは違い、主に掛ける言葉はフランクなもの。
「甘味はヒトを幸せにする魔法だよ」
静かに微笑む雇い主の横顔が本物の魔女のようにも一瞬見えて、舞華は緋色の瞳を細めた。
必要な作業を終わらせ、主と従者は閉店した屋台の後ろの芝生に並んで座る。
「プリンとっておいたけど食べるかい?」
「頂きます」
ジャック店長がふたり分だけこっそり取り置いていたプリンを、夜空を見上げながら口にする。目いっぱい働いたあとの甘味は心地よく疲れた身体にじんわり沁みた。
「これから寝るわけだから甘味はカロリーですけどね」
ミルクと卵の優しい甘さに口元を綻ばせながらしみじみ呟く舞華に、月詠は真顔で告げる。
「これは魔法だ。因ってノンカロリー」
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
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