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魔女の噛み痕 マリーの帰郷
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【捩れ楼閣】
痛みをはっきりと思い出すことはない。ただ純粋な恐怖だけが染みついている。
「また……また、死んだ……」
白 真白
の手足は止め処なく震え、蒼白な面にはあらゆる負が渦巻いているように見えた。
自分の死に様など思い出したくもないから、記憶がおぼろげであることは真白にとって幸いだったと言える。そうでなければ、多重に押し寄せる死は真白の心を完膚なきまでに破壊していたことだろう。
とはいえ目の前にもまた、死は横たわっている。
「まだ、死ぬの……? 私……?」
溶け落ち己を失った、寄る辺なき者ども。黒い泥濘と化した王の信奉者たちは、同胞を求む。すなわち、共に溶け合う者を。
そうして彼らは、王を探し続ける。果てなき慾を満たしてくれる、混沌の王を。
「私も一度死にましたよ。ほんと、イヤな夢」
かつては右腕であった剣を、
香月 良衣
は楼閣の石壁もろともに振り抜いた。泥濘は分かたれながらも蠢くのを止めず、一定のリズムで痙攣を繰り返す。いずれまた寄り合うのだろう。
両足、腰、右胸から顔の右面まで、良衣は半身を闇にうずめていた。右腕は大振りな大剣となり、剣先からは粘性の黒い液体が滴り落ちている。
この力が死へ至る道程であることを、良衣は知っている。同時に、英雄たらんと志す彼女にとって、この闇はどこか近しいものにも感じられた。
「異形の力。これが私そのものなのか、それとも別のナニカなのかは分からないけど……黒も白も受け入れてこその英雄! なーんてね」
だからこそ、こんな状況にあってなお、良衣の表情は明るい。
くずおれた真白の手を取り、微笑みながら告げる。
「死を跳ね除ければいいんですよ。そのためにやるべきことは分かってるんですから」
「やるべき、こと……?」
「クーラシンを討つ! 英雄らしくね。といっても、無策ですけど……」
その時真白の瞳に宿った光を、良衣は見た。
それは希望だ。そして狂気だ。
「終わる? クーラシンを殺せば、終わるの? ここから出られるの?」
真白にもまた、異相をよすがとする力は宿っていたらしい。
「やっと、やっと終われる……終わらせてやる! 私を殺した報いを受けさせてやる!」
手をかざした真白が、螺旋階段の落とす影を泡立たせて生み出した異形は、コーラリアンに酷似している。そいつはかつて真白自身を跡形すら残さず溶解し尽くした、ディートリント・フランツと同様の循環する強酸を身にまとっていた。
「私と同じ目に合わせて、償わせてやるんだ……!!」
狂気を笑いに変え、楼閣の隅々にまで声を響かせる真白を眺め、良衣は肩をすくめた。
今さらだ。正気と狂気の境など、どこにあろうか。
【死珊瑚の仇野】
「あいつに同情はしねえ」
化神 小次郎
に妥協はない。
納得するには程遠く、さりとてやるべきことの自覚はあるが、それとこれとは別の話だ。
「自分の悪事でやらかしたヘマを、あたしたちに尻拭いさせようなんて……ふざけた話だぜ。だから同情はしねえ。クソッタレの王様とセットでぶちのめされりゃいい」
「うんうん。全くですよ」
傍らの
新田 樹
も同調の意を示すが、こちらにはこちらの思惑もある。
(せいぜいいい気分になってもらって、私を守ってくれないとね)
樹の言動は駆け引きによって成り立っている。小次郎や、共にこの場へ呼び出された者たちへ、一片も心を許したわけではない。
つまるところ、彼らが目的をいくらかなりと合致させるには、共通する障害が必要だったのだ。皮肉にも、物陰から覗けばいくらでも目に入る無数の異形たち、そしてレッドヒル・マリーこそが彼らを結び付け、仲間たらしめていた。
「っと! 止まってください。やり過ごします」
「ああ……」
樹が手をかざし、小次郎の歩みを押しとどめる。
隠れ、戦いを避けて進むのは合理的だ。樹の考えは小次郎にも理解できる。
が、
(……くそっ)
小次郎は逸っていた。
今の彼女には、力があった。不思議とそれが理解できた。
今はこの場にない、ソフィア・マクマスターの語った
言葉
が、小次郎の力となっていた。自分だけではない、遠い故郷やそこに住む大切な人々を守るため、それを振るうことに躊躇はない。
ずるり、ぴちゃ、ずるりと、コーラリアンが息を殺した二人の鼻先を通り過ぎてゆく。
「抑えてくださいよ? 今見つかったら……」
「ああ。分かってる」
きつく握り締めた小次郎の拳へ樹の手のひらが乗せられ、その冷たさが多少なりとも頭を冷やしてくれた。
「分かってる……」
今はただ、待つのみだ。解放の時を。
【かの島の昔日】
初めて目にするはずのこの場所が、ひどく懐かしい。ソフィアの言葉を借りるなら、全てがクーラシンとなってゆく……その道程に自分たちが置かれているからだろうか?
答えは否だ。
「諦めな、俺のストレートは捕れないぜ?」
渾身の一球。膂力の全てを込め投擲した石くれは、幼気な少女の鼻っ柱へ真っすぐに撃ち込まれ、鼻梁を砕いた。
無論、
高杉 かよう
は外道ではなく人でなしでもない。そして少女たちは、人ではなかった。
「こっ、のォ!!」
手頃な棒切れを足元から拾い上げ、日本髪に結った少女のこめかみへ一切の加減なく叩きつける。
少女を少女たらしめているのは可憐なその面のみであり、胴部は手足も爪先に至るまで、狐のそれと変わりない。
にこりと微笑んだ少女らの口から、お歯黒を塗った歯がちらと覗く。
「チャーミングな顔で、ちょいと気は引けるがな……!」
俊敏な数体の狐はかようを囲み、歌うように鳴き声を響かせる。
飛びかかる一体へ棒切れを振り抜き、折れたそれを投げ捨て代わりに石ころを拾い上げると、変化球を少女めがけ放つ。
振り下ろされる爪が危険であることは承知の上だ。狐の知識に明るくはない者でもエキノコックスは知っているし、何よりこの少女狐の周囲を常に飛び交い共生している小さな羽虫どもが全くの無害であると聞かされても、かようは信じないだろう。
「ち……!」
投擲。続けざま、しかし狐の一体が射線をかいくぐりかようへと肉薄する。
跳躍し直上からかようの肩口を押し倒すと、地に伏したかようの首筋を食いちぎらんと、黒い歯を剥きだした少女は獣の本能を垣間見せ、
「させるかッ!!」
聞き覚えのある声が降ってきた後、ぎゃん、と甲高い声を空へ響かせ、狐が吹き飛んだ。
「……おお。良いとこで会ったぜ、響」
「どこが良いところだ。全身が総毛立つ感じだぞ」
身を起こした狐へ油断なく竹刀を構え、
響 蒼留人
はかようを睨む。
「説明はあるんだろうな?」
「ま、後でな。イニング途中で降りるわけにゃいかんだろ」
蒼留人にとっては青天の霹靂としか言いようのない状況だが、気が付けばルームメイトで友人の姿があった。救い難いパニックに陥らずに済んだのは、剣道で身に着けた彼の気質や度胸によるものばかりでは無かったことだろう。
「そうだな。わけが分からないが……お前と二人なら、心強い」
この悪夢へ足を踏み入れた。しかし、一人ではない。
少女が黒い歯を剥き、羽虫のざわめきが響く。
「突破するぞ!」
「おう!」
【捩れ楼閣】
うず高く積み上がる死珊瑚の丘に、
日向 透
は佇んでいる。
雷を浴び、炭化する間もなく消滅したはずの自分がなぜ、ここに立っているのか。
いや。自分はまだ、二本の足で立っているのだろうか?
透は一片の闇と化していた。見下ろす手も、身体も、一切の光を拒む黒い闇だ。あるいは深淵とも呼べるかもしれない。人の姿形を保てているのかも怪しかった。
崩れた楼閣の壁を踏みしめ、ゆっくりと歩む。足音はない。本当に歩いているのかも分からないが、ただ前へ進むことはできた。
目の前に黒い泥濘が盛り上がり、透を阻む。こちらを取り込もうというのだろうか。あるいは近しい仲間のように思えたのか。
透はただ、腕を振るう。それだけで、まるで見えない刀を翻したように、泥濘は繋がりを断たれて地へ落ちた。
楽しいな、と透は思う。少なくともまだ、心は残されているようだ。この身体のように真っ黒なままの心が。
寄る辺なき者どもを戯れに引き裂きながら進むと、遠い階下に動く者が見えた。
「終わらせてやる! 全部、終わらせてやるから……あはは、は、はは、あはははははははは」
「この世界を壊してでも、私は元の世界に戻ります。こんな悲しい世界は、私が……!!」
真白は強酸を振りまき、良衣は剣の英雄めいて目の前の慾どもを切り裂いてゆく。
だれもかれもが、もはや、人の理を逸脱しつつある。彼女らも、透自身もまた。
楽しいな。透は胸が沸き立つのを感じ、同時に常から持ち合わせる暗い感情が増幅されてゆくのを感じる。
異形になんて、なかなかなれるものじゃない。透にまだ端正なあの顔があったなら、彼は笑っていただろう。かつてないほどに、明るい笑みを浮かべていたことだろう。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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