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八ヶ淵埋蔵金探索記
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ふたり分の足音が暗がりの隧道に遠くなる。
真央と美咲紀が持つライトの光をしばらく目で追って後、修は右側の道へと足を踏み入れた。
手にしたライトで注意深く周囲を照らし出す。
「美咲紀と真央の二人が向かった左側とは違い、こちら側には天井を支える柱があり梁が渡されている。おそらくは人が手で掘り進めたのだろう、鶴嘴らしい跡と、……天井には、これは松明の煤跡だろうか」
光の後へ視線を沿わせ、目にしたものをIC録音機に記録する。手元のノートに地図を描きこんで行く。
「と、……障子、か? 穴だらけの障子に隔たれた部屋がある」
坑道じみた暗い通路には不似合いな障子の向こうへ光を向ける。湿った木枠に手を掛け、がたつく障子を引き開ける。ライトを巡らせれば、目に映るのは岩肌の床に転がる幾つもの食器や膳、錆びついた燭台。通路と同じに張られた梁からは藁縄でまとめられたまま干からびた魚や獣皮、薬草らしい草束がいくつもつり下げられている。
「誰か、生活をしていたのか」
食器の数はそう多くはない。多く見積もっても十人以下といったところだろうか。時代を経てほとんどが割れて壊れた食器の中、ひとつだけ丁寧に箱膳に納められた一揃いがあった。漆塗りのそれは、大きさから見て幼い子供用。
開けた櫃の蓋を閉める。
「少しだけ調べたら去るよ」
この住居に長として暮らしていただろう漆器の主にそっと告げる。
「ここを侵すつもりはないんだ、……騒がしくしてすまない」
隠し通路や隠し蔵等がないか、壁際に設置された棚を動かしてはみるものの、それらしいものがある形跡は見当たらなかった。動かした物を元の位置にきちんと戻し、部屋の探索を終える。
障子を閉ざしてから、隣の部屋の存在に気づいた。紙魚だらけで元は何が描かれていたのかも判別の難しい襖をそろり、開く。
「姫の部屋と言う感じか……」
土の上には古びた畳が何枚か、その上には黴だらけの布団が一枚。倒れた衣紋掛けに元々は掛けられていたらしい着物さえ落ちている。
足を踏み入れた途端、靴底に硬いものを踏んだ。慌ててライトを向ける。古びた小刀を目にして、修は小さな息を吐いた。夢中で記録をしたためていたノートの端を破り、背嚢から取り出した金平糖をいくつか乗せる。
詫びるように部屋の入り口に供え、乞う。
「お部屋を少し見せてくださいね」
布団の傍らには漆塗りの文机が置かれていた。その上に置かれた螺鈿細工の文箱見つけ、思わず胸が高鳴る。傷つけぬようにそろりと蓋を開けてみるも、中に納められた和紙は湿気に滲み、黴が生え、文字の判別もつかなかった。それでもデジカメの機能を出来る限り使い、和紙の隅々までを拡大し撮影する。
(専門家に分析を依頼し郷土資料館に保存等相談した方が)
顎に手をやり真剣に考え込んだところで、ふわり、首筋を冷たい風が撫でた。
――もっていかないで
幼い子供の声を聞いた気がして、瞬く。耳を澄ましても再度の声は聞こえなかったものの、
「……すまない」
修はそっと頭を垂れた。文箱を閉ざし、部屋を出る。
通路を奥へ奥へと進めば、突如として天井が開けた。パシャパシャと閃くフラッシュとシャッター音に目を瞬かせる。
部屋の央に置かれた葛籠の中にカメラを向ける真央と、葛籠の中に残された幾つもの古めかしい玩具を手にちょっと切ないような顔をする美咲紀の姿がそこにはあった。
「成程、左右の道は合流する構造か」
「修ちゃん、……これ、昔のおもちゃ奉納所っぽいのだ?」
「いつか、誰かが遊んだりしたのでしょうか」
不思議そうな顔をする真央とほとんど涙ぐんでしんみりと呟く美咲紀に、修はふわりと笑いかける。
葛籠の置かれた広間からは、外へと伸びる道があった。緩い坂道と階段を経て、叢に隠れた穴から明るい外に出る。太陽の眩しさと空気の新鮮さに安堵の息を零しつつ、修はスマートフォンのGPS機能を確認する。
「九夜山の中腹辺りか……」
「美味しい話なんてなかったのだ~」
森の緑に半ば沈む、廃墟じみた集落の跡をカメラに納めつつ、真央が肩を落とす。それでも、NMRネタとしては良いものが取材できたとしよう。
(『NMR特集・真夏向けひんやり新スポット……八ヶ淵埋蔵金を追え』)
高校新聞に掲載するための煽り文句を考える。埋蔵金伝説に合わせるのなら、ちょっと一昔っぽくて、大仰すぎるくらいの煽りがいい。
「お弁当にしましょう!」
春の青空に伸びをして、美咲紀が背負いっぱなしだったリュックを下ろす。
「おやつのひと口チョコもありますのです!」
「そうしよう」
美咲紀に頷きながら、修は視線を森の集落跡へと伸ばす。洞窟住居は何のためにあったのか、そこから続くこの集落には誰が住んでいたのか。埋蔵金とは何だったのか。
――もっていかないで
『姫』の部屋で聞いた声を思い起こす。あの声の主が存在を秘するべき『宝物』であるのならば、その正体は――
推測を巡らせながら、修は淡く微笑んだ。
自分ひとりで解くには惜しい謎を語り合う友人たちが、今は傍に居る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月11日
参加申し込みの期限
2017年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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