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<終章>いぬねこの国
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「ふむ……さてはて、これは骨が折れる。
これを一晩、とはねこの王も酷なことをいうものじゃ」
ちろちろと細い蝋燭がランタン越しに揺れる。
城の中のねこから、もらい受けた一冊の白紙の本をしっかりとした木製の机に広げ、
斉田 珠喪
は一度大きく両手を上に伸ばした。
到着は夕方。急ぎ、宝物庫と部屋の一室を借り受けて作業を開始したが、今、夜の帳はとうに降り、月は窓から煌々と部屋を照らしている。
「時間に関しては、いぬの国に行けぬならば、皆がおる時に交渉しても良かったかも知れぬな……」
いぬの国についての状況は、犬のしょうぐんが捕まっている為、図ることは出来ないと。そちらの国への干渉を拒否した上で、ねこの王さまが提示した時間は『翌日の早朝』だった。
『いぬ質がいる以上、それ以上は無為に長引かせるつもりはない』と。
ならば、無為でなければ良い、犬のしょうぐんの解放に有利になる。とでも言えば少しは今の時間が延びたかも知れない──と、そこまでをふと思い、
「うむ……行き詰まっておるな。
少しクールダウンも必要じゃろうて」
珠喪は席を立ち『この世界が訴える証言』の数々でもある純粋な異文化の接点に触れようと、宝物庫へと幾度目かの足を踏み入れた。
直接火に触れない、ランタンの明かりが辺りを照らす。宝物庫は念入りに見たつもりだったが、それが何かにキラリと反射した。
「……こんなもの、あったじゃろうか」
宝物庫の奥の奥。そこには、埋め込まれた赤の宝石がランタンの光を照り返している石版が一枚。
「何度か目にしておる……この国の古語じゃな」
ねこの両手にあまる重さに、珠喪は少しよろめきながら、それを持って部屋へと戻る。
凛と、珠喪の瞳が一点を見据える輝きを取り戻していた。
「わらわの古語の理解は、半分程度といったところか──なに、不眠不休には同人誌の執筆で慣れておる。
これも、見事に解読し切ってみせようぞ」
◆ ◆ ◆
一度、
八神 修
は、夜半にねこの王さま達と合流した。
しかし、その修は必要最低限の事情を聞くと、すぐに場を離れることを決意する。
併せて『いぬとねこの中立共存を目指す会』の本拠地の場所を訊き、一人で相手の本拠地に向かうことは危険だと告げたねこの王さまへと静かに返した。
『下調べが必要だ。一人で場を乱す真似はしないと誓う。
しょうぐんは、俺を友だと認めてくれた。友の為、俺は出来うる限りの事をしたい』
静かだが、誠実な思いの丈。ねこの王さまは、一瞬だがそれに驚きを隠すことなく。しかし、すぐにその行動を承諾するように頷いた。
『──オサムは、誕生祭で初めて出会った時も、吾輩を王の座を縛る儀を破る案を提してくれた。策があるなら、それは信用に足る。
本拠地の場所を教える。
吾輩と違って、アレは誠実だ……きっと、お前の思いに応えるだろう』
ねこの王さまと同じ毛並みをした金茶色となった修は、歪みを潜った本拠地の遠くへと降り立った。
一面の草原地帯に隠れるところはなく、代わりに修は地に伏して、手にしたデジカメの光学ズームを双眼鏡代わりに辺りを見渡す。
遠くに一軒、ロッジ調の建物が見える。
周辺には、たいまつを持ったいぬとねこが、熱心に辺りを見渡していた。
「二十匹、人数は多いと聞いている。実際、見張りも多い。だが、ここを急ごしらえの拠点にしたのであれば──」
修は辛抱強く辺りを見通す。
気付かれる様子はなく、四方を注意深く、そして裏口方面へと回り込んで。
その人数、建物の大きさに対してゴミの類が一切落ちていないのを確認した。
「計画性なく、食料の備蓄自体を用意している可能性は、低い」
修はそう結論付けて、寝子島と繋がる丘へと戻る。
それからの修は単独で動く事により、身軽となった己の時間の全てを使い──以降何度も、数え切れないほどに寝子島との往復を繰り返し始めた。
ここでは荷物らしい荷物は、日常持っているものですら、殆ど持ち込めない。
実際、修が最初に持ち込もうとしたものは、容赦無く寝子島側にうっすらと見える歪みの傍へと当然の如く置き去りにされていた。
しかし、それを五回繰り返したとき、その中の僅か一つが持ち込めた事に気づいた瞬間──修は、その無謀にも近い行為を決行に移したのである。
そうして修は、己の策に必要な物を持ち込めるまで、何十回と寝子島とのその往復を繰り返し始めた──
持ち込めないのが当たり前。数えることなど、とうに止め。半ば意固地になりながら、それでも諦めることなく繰り返す。
そして今度は、丘から本拠地の遠くまで。同じ世界で運びやすくはなっているものの、やはり同じ現象を起こす歪みの転移を繰り返し──修は、こうして己の必要とした物を、半ば無理やり、寝子島からこの世界へと持ち込むことに成功させた。
後は、ねこの王さまがこちらに向かうと言ったその前に準備し、算段を伝えなければならない。
修は周囲に警戒と集中をしつつも、半ば一心不乱にその準備へと取り掛かった。
◆ ◆ ◆
「なるほどな。てめえを、あの王達が取引した災禍だと」
「確かに。そう思う者がいるのも、おかしくないことじゃったからの……そうであれば、逆にどれだけ良かったか。
あのねこの言う通り、やり直しの機会を譲り、あの孤独を癒やせることならどれだけ良かったかと」
夜海霧 楓
の『長老』探索は夜遅くまで続いた。
最終的に探し歩いても見つからず『夜更けに、最初に教わった対象者の住んでいる家へと押し掛ける』という、探索の初歩中の初歩をもって、ようやく夜半、その邂逅を果たすことに成功したのである。
目にした限り、年老いているが芯の強さを感じさせるいぬだった。
もっと破廉恥さがにじみ出ていてもおかしくないと判断していた楓であったが、その所作に僅かに身を正す。
それでも、思う事は。やることは一つ。
「正直に言うと、だ。
俺はジジイの正体はどうでもいいし、
そのジジイがどう思っているかも、どうでもいい」
今までのいぬの証言を元にすれば、永い事生きてきたことには違いない。
そして、しょうぐんの経緯を知っているという事は、何かしらの重要な役割を持ったいぬであろうことも想像出来る。
だが、楓はそれ故に思う。
「本気で現状を憂いてんなら、もう何かしら行動してるだろ」
あまりにも、直線的なまでに直線的な言葉──長老は、それに言葉無く肩身を狭そうに俯いた。
「ところで、その犬のしょうぐんが捕まってるのは知ってるか?」
「なんと!?」
長老がよぼよぼの目を見開く。
楓は、やはり異界の人間でなければあの光景を見ていない事を理解して、説明を開始した。
「──という訳なんだが」
「しょうぐんさまが……! なんと、捕まっておられるとしたら! しかしワシにはもう戦う力など……!」
一匹で右往左往するいぬに、それを予測していたかのように、楓はポケットから一枚の女性向け下着を取り出した。
しかも、衣類文化の浅いいぬねこのものではない、きちんとした人間用である。
「そ、それはー!!」
「連中はもうしょうぐんも王さまの言葉も聞かねえだろう。
必要なのは、当時の事実を知っている当事者以外の生き証人だ。生きてるから受ける説得力もある。
──大分遅くなっちまったが、
ギャルのパンティ
やるから、中立共存を目指す会の本拠地までついてきてもらうぜ」
長老は、一も二もなく承諾した。その具合には、呆れるほどではあったが。現状、それであれば安い──むしろ、そうでなければ困るのだ。
被保護者である
トワ・E・ライトフェロゥ
も、同じ光景を目にしており、独自に行動を起こしているはずだ。安全を確信しているが、そろそろ所在を確認しておかないとと思う。
「(に、しても)」
楓は自分の手にある『ギャルのパンティ』を目にして思った。
言い出せるものでもない。これは『最初にこの家に邪魔した時に、別室からこの説得の為にかすめ取ったものである』とは……
効果は抜群だった。今はそれでよしとしよう──
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月21日
参加申し込みの期限
2017年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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