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~いぬイヌの国~満開のさくら祭り
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「おおっ、今までの『いぬ』の中でも、いぬ皇さまに次ぐ、小さいながらも素晴らしい筋肉!
それを皆の模範として、胸を張って祭りを練り歩くと良いでござるワン!!」
「いや、そう言われても……」
その場にいたお侍の格好をしたいぬに良く分からないままベタ褒めされ。そしてやはり良く分からないままに、会場に放り込まれた、見る人が惚れ惚れしそうな『力強いドーベルマン』となった
新田 亮
は、頭にはてなマークを付けながら2本足で会場を歩いていました。
「随分賑やかだな」
町の殆どを使って盛り上がっている祭りに、その喧噪も直ぐにさくらにかき消えてしまうほどのもの。
歩くその光景には、2本足で歩いていたり人間と同じ位の表情をもっていることを除けば、楽しそうないぬ達が和気あいあいと触れ合っているとても幸せなものでした。
──その中で。
「mmm……ウガー!! あのいぬ、とんでもない石頭マス!!
ひと(いぬ)が! 望んでいたら! 応えるのが! えらいひとではないのデスかーーっ!!」
そこには、さくらの木にカラカラと音を立てて鳴る短冊状の板がぶら下げられている空間で、
トワ・E・ライトフェロゥ
が、両腕を引き虚空へと叫ばんばかりの、いぬとはいえ可愛らしい少女にあるまじき勢いで叫んでいるところでした。
「おい、何か……」
やっているのか、と聞く前に、トワはその場を全力で立ち去っていきました。
結局何をやっているのかは分からないままに、亮は不思議そうに首を傾げながら、そこから少し離れた短冊の元へと歩み寄りました。
薄めの木で出来た短冊には、この世界のものなのか、それとも人間界のものなのか分からないペンで描かれた願い事が綴られていました。
・空飛ぶお城で暮らしたい
・南瓜の馬車に乗りたい
・世界中を冒険したい
どれもが、ほんの少し非現実的で。いぬ達は自分たちが既に現実的では無いことに気付いていなくて。
むしろ、現実やフツウとは何だろう、と一瞬だけ真面目に考えてから、それらは改めて亮の胸に温かいものを感じさせました。
「(子供の願い事だろうな。微笑ましいじゃないか)」
ドーベルマンとしての目を細め、次は、ほんの少し離れた所にある先程とは異なる整った文字で書かれた短冊を目にします。
『大金が欲しい』
『一生楽して過ごしたい』
(……何というか、嫌な意味で現実的だな)
亮の目が細めるとは異なる意味で半眼になります。
いぬ達は基本ピュアなので、この辺りは異界在住の存在が書いた可能性も否定できません。
そして亮の心の箍が外れる極めつけに見たものは、
【 イケメン彼氏募集中 by花子 】
「誰だよ、これ書いたの。出会い系サイトじゃないんだぞ!」
亮の中で、いぬの短冊に込めたピュアなドリームが全てぶち壊れた瞬間。
思わずやり場なく叫ぼうとした亮の背中に、そっと何者かの肉球が乗りました。
ひとといぬとを離れて、頭に妙なモヤモヤ感とグルグル感を従えて。いぬ皇と
八神 修
とのやり取りを物陰からこっそり見ていたトワは、その破綻と同時に、最後の理性でその場に飛び込むことはせず、途中で反対方向のこちらへと、冷静になるまで全力で駆け抜けてきました。
「少し頭冷えたマス……どうにも、ただ形もなく『皆がそう望んでるからー』の理由だけでは無理そうマス。しょうぐんのくせに『Democracy』無縁なのでショーカー?」
ヨークシャーテリアの姿をしたトアが可愛らしく首を傾げます。
「Hmm……でも、あんなに顔までこわいのに、いぬ達には嫌われてないデス。ヘンな感じシマスデス。
そういえば……」
トワは沢山にぶら下げられたさくらの木に目をやります。
ここにさくらの木の短冊を掛ければ、願いが叶うと云います。
「まぁ……でも、ナニゴトも『tyranny of the majority』
それならば、願ってみまShow,
──いぬとねこの共存を、その代名詞のヨウな、さくらの樹にー!」
トワは高らかに宣言しました。その声に、周りのいぬ達も驚きに目を向けます。
「ねことも仲良くなりたいいぬ達はここに短冊つるすマス! 今、しょうぐんはそのことでQuarrelしてるデス!
そこを皆で、目に見えて分かる『カズノボウリョク』すれば、きっと、新しいねこのともだち出来るマスー!」
「ねこ! 一度見てみたいワン!」
「吾輩でも友達になれるでござるワンか!?」
「口づてではなく、ジジツとして多くのいぬが望むのナーラー、
ショウグーンも無下には出来ないと思うデス?」
その言葉に、中立共存の会から『既に身近なねこ』の話を聞いていたいぬが次々と集まってきました。
「書くバアイ、そのままだと埋もれてしまうデスカラ……
ショーグーンの目に留まるように、かまぼこ板に色を付けたり……いぬとねこが並ぶ絵を付ける! マス!!」
こうして、トワの言葉にバラバラに好き勝手に書いていたいぬ達が、こうして新しい板を持ち、『見たことがないけれども、いる』ではない、新しい『ねこ』という存在をはっきりと求め始めた瞬間でした。
「あなたは……」
亮が振り返り目にしたその先──
そこには、全く見知らぬ老犬の姿がありました。
しかし、老犬といえど、その足は大地をしっかりと踏みしめており、それでいて物静かな佇まいと洞窟の奥から響くような重みのある声は、亮に威厳を感じさせるには充分です。
「いぬといえど、価値観は全てそれぞれが違うものなのじゃワン。
それを君の心の判断基準で貶めてはならぬのじゃワン。
……願いというのは……それが、例えどんな願いであっても……純粋で尊い物なのじゃワン」
「……。
……なるほど……一理ありますね……」
何かを思い噛みしめるように告げる目の前の老犬に、亮は己の感情を恥じずにはいられませんでした。
あまりに受けた心からの感銘の重さに、思わず俯いた亮。
そして、そんな老犬は自分の短冊板を傍の木に吊そうとしています。
このような、普通の人すらも超越したような考えの老犬は、一体何を願い叶って欲しいと思うのか──
亮は、その願いが叶えば良いと手を合わせて祈り……
そして『何を祈ったのかを目にしました』──本来『先に見るべきものを』よりにもよって、全力で祈った後から、その目に焼き付けたのです──
【 ギャルの パンティ おくれ ! 】
「邪100%じゃねぇか!」
亮の夢は、既に『当初の時代から、既に大人気で国際的になりすぎて、いつの世代が分からなくなったネタ』をもって砕かれました。もう限界まで木っ端微塵に砕かれました。
「……他、行くか」
亮は、あれほど逞しく見えた体が一瞬に気合いと共に抜けて、やつれ気味にその場を後にしました……。
その涙を見せないのが、彼の最後の漢気であるように──
「いぬもねこも健康で仲良く過ごせますように……っと」
「ね、円おねーちゃん。これで、いぬさんもねこさんも仲良くすごせたらいいよねっ」
期待を込めてにゃーくんが言います。
「そうだよねぇ。いぬとねことか……本当のところはあの二人どうなんだろうね?」
円は頭にいぬ皇とねこの王さまの様子が浮かびます。
「そもそも──ボク達、この国の事殆ど知らないんだよね」
ねこの王さまと、夢の中で遭遇した
ただ広い草原の広がった一つの丘
で起きた出来事も、ねこの世界に関係している以上、いぬの世界とも全く無関係ではないと思うのです。
「……思えばボク達全然この国の事知らないよね? 歴史とか成り立ちとか……知っているならお年寄りかな?」
こうして、円はお年寄りっぽいいぬに手当たり次第に声を掛けました。
その殆どが『いぬ皇は素晴らしい、としか知らない』といういぬ達の中で……少し離れた所、大きなさくらの樹を話し相手に、先ほども亮に『ひとどころか、いぬも、邪100%である』を叩き込んだいぬが、その話題を振られた時に、表情を変えました。
まるで、世界が終わる光景を、その目にしたような顔をして。
「というか、桜庭はどこだろう……?」
さくらが舞い散り続ける広場で、
御剣 刀
が布に包まれたルヴィアを大事にしつつ、途中ではぐれてしまった円を目で探していた時──本来ならば、ここには来ないであろう存在を見つけました。
「いぬ皇、いつの間に。
こんな所で何をやってるんだ?」
「見て分からぬか、さくらの木で作った板に願いを書いておる」
刀の問いに答えたいぬ皇は、語尾にござるもワンも付けようとはしませんでした。それは、何か目から鱗が落ちたかのように。あるいは、何かを放棄したかのように。
「……かたなは、願い事には何を書くつもりなのだ?」
ぽつりと、零すようにいぬ皇が問い掛けます。
「願い事は……『皆の幸せが手に届きますように』って」
その言葉に不思議そうにいぬ皇は尋ねました。
「己の願い事は書かんのか?」
刀はそれに、自らに誓うように答えました。
「俺?
俺の幸せは『手が届かなくても無理やりつかみ取る』から書かなくても大丈夫だ。
──うん、たまにはこうやって言葉にするのも大事だよな~」
そう言いながら、その願いを吊り下げて、傍らにそっと降ろしていたルヴィアに軽く話しかけ。
「そう言えば、いぬ皇は何書いたんだ?」
刀がその方を向いた時。
『いぬとねこの中立共存を目指してワン!』
『いぬとねこが同じ空間ですごせますようにワン!』
トワが先導して皆に声を掛けた短冊群。
その文字を、自分の短冊を片手に、俯き沈黙していたいぬ皇はほんの少し俯いた後。
からん、と。音を残して、いぬ皇は。その姿をいぬの混み合いの中に消していました。
「──?」
刀は不思議そうに、音が四方に当たって鳴った下げられたばかりの短冊にそっと目にやりました。
そこには、本格的な流暢な筆文字で、一文。
『 国を、斬り分けてしまった前に、戻りたい 』
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月24日
参加申し込みの期限
2017年05月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月01日 11時00分
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