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<終章>いぬねこの国
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「あら?」
ブリジット・アーチャー
は、何の違和感もなくその大草原に立っていた。
金色の、すらりとしつつも毛先にウェーブ掛かった毛の尻尾。そして同じ毛並みをした、細身ながらも高級感漂う二本足の『ねこ』。
「ん? ここは……?」
「その声は……円ね」
そして、ほぼ同時に。傍にいた四本足の黒ねこが、先程まで一緒にいた、人間であったはずの友人の声で話し始めた。
つい先程まで。
それは、
桜庭 円
といつも一緒にいる茶トラ模様のオス猫にゃーくんと、ブリジットが最近飼い始めた、銀の毛並みに黒の縞模様が入るシルバータビーの可愛らしいメス猫のコーネリア。その二匹が一緒に遊んでいる姿を、微笑ましく見ていた時のことだった。
二人は、瞬きさえしていなかった。
しかし、その世界は一瞬で、机もティーセットもない草原へと、二人を巻き込みその姿を変えたのである。
「円おねーさん!」
「にゃーくん! 無事だったんだね。良かった」
四本足の小さな背丈で辺りを見渡す円に、先程とは違い二本足で立って話し始めたにゃーくんの姿に、ブリジットも流石に驚きを隠さなかった。
深い蒼の瞳で、瞬きを一つする。
「……。
ここでは全てが会話の出来る猫になるのかしら?」
「流石、ぶりちゃん状況把握が早い。
うん、いぬにもなったりするけど……これは多分、来たことのある世界の現象だと思う」
「あれ? コーネリアちゃんは?」
にゃーくんがさっきまで遊んでいた相手の姿を探して、くるくると辺りを見渡す。
すると、
「……ここ、お話、できるの?」
いつの間に隠れていたのか。ブリジットの後ろから、やはり二本足で立った、小さなアメリカンショートヘアのねこの姿がこっそりと現れた。
「コーネリア、無事で良かった──あなたも話せるの?」
「ブリジット、とお話出来るのは、嘘みたい……!」
小さなコーネリアは、言葉に慣れていない様子で、たどたどしくも嬉しそうに、ブリジットに向かい手振り身振りで話を始める。
瞬間、
ブリジットと円の意識下に一斉にノイズが入った。
「わ……っ!?」
「なっ……!?」
本当に一瞬の出来事。
しかしその一瞬は、円とブリジットへ、この世界の有り様と直前の光景を、容赦無く脳裏に叩き込んだ。
「今のは──何かしら?」
普段は動揺の『ど』の字も所持しないブリジットが、流石に状況を理解しきれずに円に問い掛ける。
「うわ……こういうことだったのか……」
同時に円は、脳内で全てのピースが嵌まったかのように呟いた。
今までの疑念が全て氷解する瞬間──そして、今置かれている緊迫した状況。
「──ぶりちゃん。今見たとおりなら、ここは何が起こるか分からないから、少し危険かも知れない。
ひとまず、他にひとが集まっていそうな所に行こうと思うんだけれどもどうかな?」
「そうね。異論はないけれども。
私としては、少し危険でも、先に見えた『ねこの王さま』という存在に少しでも話を聞きたいところね。
今の状況が分からなければ、どこが安全かの判断もつかないもの」
臆することのまるで無いブリジットの言葉に異論は無く、むしろ円はそれに軽い安心感を受けてほっとする。
こうして四匹となった二人と二匹は、丘の見える草原を歩き始めた。
◆ ◆ ◆
戦争が、あった。
戦場では命の刈り取りが行われ、互いに侵略を受けた街では相手の国の暴徒が家を襲い、命も尊厳も奪う略奪の限りが行われた。
人間の姿をしながら、それは人間の有り様とは到底思えない光景──己の姿を認識するよりも早く、その光景を脳裏に見た
花風 冴来
は、草原で思わず口を押さえて震える身と共にしゃがみ込んだ。
「何て、酷い……」
「冴来さん……!?」
隣にいた
日暮 ねむる
が、とっさに冴来へと声を掛ける。
そこでようやく、今置かれている自分達の姿へと思考が届く。
冴来とは直前まで一緒にいた。声も間違えようがない。
しかし、今冴来の姿は、金色を纏ったねこに。伸ばしたねむる自身の手も、真っ黒なねこのものになっていた。
しかし、驚きよりも優先させる感情がある。
先程、脳裏に映った光景は、惨たらしいの一言では到底足りない。
そのようなものを不意打ちで見せられれば、日常から人の善を願う心を持つ冴来にとって、どれだけのダメージであったかは想像には難くない。
「冴来さん、大丈夫?」
「……ええ、大丈夫」
ねむるが、冴来の様子が完全に落ち着くまで待ってから、改めて声を掛ける。
自分達がいぬやねこになっている時点で尋常ではないが、この世界が異常なまでに張り詰めていることは明確だ。
──油断は、できない。
ねむるの思考が、誰にも聞き取れない心の音と共に切り替わった。
「もし、あの眩暈の中の光景が本当なら……ここに、あの王の一人がいるのは間違いなさそうだね。
探してみよう、少しは何かの役に立てるかも知れない」
「そうね……行かなければ」
冴来が、ねむるの言葉に俯いて隠れた表情と共に立ち上がった。
確かに冴来の脳裏にも、幻影としてありったけの惨劇を叩き込まれた。
立ち上がった今も、その心象は消えることなく、深く尾を引いている。
しかし、その現象に──今に、冴来は可能な限り手を貸し助けたいと思った。
むしろ『止めなくてはならない』、そう思う。
──何故ならば、冴来の目には。
幻影の中で見た行動は、過去も今も誰一人として『正しくなかった』のだから──
◆ ◆ ◆
呟く。否、唸るように。
幻像を目にした
八神 修
は、強く拒絶するように首を振った。
「違う、そうじゃない……」
光景への否定。
丘の頂上で一人、そこで修が目にした幻像は斯くも残酷であり。
そして、この場所が馴染みの世界であることを悟った修は、しばしの間、それらを認めるまでに時間を要した。
しばらく俯き。しかし、よろめきながらも地に足を付けて、しっかりと立ち上がる。
「そうじゃない……
必要なのは、隔離ではない……
どの考えも共感できる、思いを伝え合う機会なんだ」
自分に、強く言い聞かせる。
修は、そこから自分に出来うることを全力で、思考の形として巡らせ歩き始めた。
◆ ◆ ◆
そこは、丘だけが見えている、清々しい緑の草原だった。
見覚えのある景色。
御剣 刀
は、不思議そうな様子で辺りを見渡した。
「ここは……
あの丘
じゃないか。どうしてこんなところ、に──」
突然、胸の鼓動が一つ、大きく跳ねた。
「──!?」
眩暈が襲う。
刀はしばし、その眩暈の狭間にて脳裏に写る光景に、片手で顔を押さえて俯いた。
浮かぶ。
この世界には、己の姿を捨てた王達がいた。
死ぬよりも長い、終わりを差し出した王達がいた。
愛した存在を民に殺され、それでも争いを止める選択をした王達がいた。
──全ては、民を守る、ただその目的の為だけに。
刀はその身を震わせた。
そこにあったものは『己の全』を投げ打ち『他者の一』を守った、一つの極致。
「──」
口を開こうとした、声が出ない。
この世界に来た時、気がつけば二本足のいぬになっていた刀は、ゆっくりと顔に当てていた黒色の手を下ろす。
刀はそのまま自分の手を見やる。いぬの手だが、そこにあったのは確かに『己の手』であった。
「……」
刀は無言で辺りを見渡し、その鋭い眼光が、丁度遠くに見える空間のひび割れを見出した。
ぼんやりと寝子島の風景を映し出しているそれを見て、刀は躊躇いなくその空間を覗き込む。
一瞬の揺らぎはあった。それでもはっきりと、それが潜り抜けられることを確認した刀は他の歪みを探し始める。
この世界に、守護していた民に捕縛された王がいる。
裏切りにも似たその現実に、今、その心中はどれほどのものであるだろう。
「……」
それを胸に抱いた刀は、躊躇いなくろっこん“加速”を発動させた。
ばらばらに開いた歪みの中へと、手当たり次第に飛び込んで、その先を確認していく。
無謀に近いその行為。
しかし、それを警戒する存在も、その速さを気に留める存在もここにはいない。
誰一人として、その行為に気付く者はいない。
その目にも止まらぬ速さは──今までの刀の限界を遙かに超えたものであったのだから。
◆ ◆ ◆
「……っ」
ここがどこかを認識する前に、
綾辻 綾花
へと映し出された戦争の光景は、最早凄惨の極みであった。
しかし、眩暈の先。綾花が最後に見たものは、
平和な青空の元。一人の青年と、白百合の花束を手にした一人の女性の姿──
「(ああ、
だから
あの時王さまはユリの花が好きだと)」
そこで、我に返った。
綾花は自分の姿を確認すると、手先だけ白い毛をした足先で自分の頬をぺしっと叩いた。
確かに衝撃ではあった。でも、今はそれどころではない。
黒ねことなっていた綾花は、いつも大切に持ち歩き、今回も無事になくさずに持ち込めた、以前
ねこの王さまからもらった指輪
を前足のブレスレット代わりにしっかりと固定する。
ねこの王さまが、ここのどこかにいる。
探さなくてはと思った瞬間、
「ああっ、もうしつこいニャ!!」
突如、声が響いた。
綾花の目にした風景に、突然一匹の二足歩行で走る金茶色のねこと、それを追い掛ける十匹程度のいぬねこの姿が飛び込んで来る。
「王さまっ!?」
「アヤカ!? 逃げるニャ! 巻き添えを食らうニャ!」
「王さまの増援かわんっ? 一緒に捕まえてしまえだわん!!」
綾花の知っているトイプードルのぽちとは違う、濃い茶色の毛を丸くカットした別のいぬが高らかに指示を出す。
「いい加減にし──わニャ!!」
後ろに気を取られたねこの王さまが、避けられずに綾花に激突し、一緒くたにもつれ転がる。
そこに、大きな投網が投げ放たれ、二匹は揃って網の中に捕縛されてしまった。
「捕まえたわん! ちょこまかとちょこまかと……!」
「しくじったニャ! すまニャい、まさかアヤカを巻き込むことになるとは……!」
網が絡まり身動きが取れない。このままでは捕まってしまう──追い詰められた瞬間、綾花は絡む網越しにハッと思いついたように視界を巡らし、とある一点に目を向けた。
「大丈夫ですっ、王さま逃げてください!」
綾花は、投網についていた『メイド・イン・いぬとねこの中立共存を目指す会』と非常に長く書かれた、制作元を示すタグを目にして網ごとそれに触れた。
瞬間──二匹を捉えていた投網が、一瞬にして一冊の本に変化した。
題名は『メイド・イン・いぬとねこの中立共存を目指す会』
綾花が己のろっこん“読破”の進化能力で、文字のあるものを本へと変化させたのである。
「なっ!? 王さまの増援の魔法かワン!?
かなり凄い魔法だワン!」
「他にもいるかもしれないわん、一端逃げるわんーっ!」
先程までの勢いはどこに行ったのか。
こうして、ねこの王さまを追い掛けていた中立共存の会のメンバーは、蜘蛛の子を散らすように二匹の前から逃げていった。
「た、助かったのか……ニャ?」
「王さまっ!」
綾花が、状況を把握出来ていない王さまを苦しいほどに抱き締める。
国のお祭りとかで、皆から慕われているようで。今までずっと、たった独りだった王さま。
「王さま、大丈夫ですか? 怪我はないですか?」
ねこの王さまは、瞬きと共に辺りを見渡し、そして綾花の姿を確認して頷いた。
「……ああ。アヤカのお陰で、助かったニャ」
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月21日
参加申し込みの期限
2017年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月28日 11時00分
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