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<終章>いぬねこの国
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「……中立共存の会の連中は去ったみたいだニャ」
髭の生えた鼻をひくひくさせて、先程まで追い掛けて来ていた『いぬとねこの中立共存を目指す会』の気配を確認していたねこの王さまが呟く。
「アヤカの魔法は素晴らしかったニャ。
吾輩は元々、あのような華となる魔法は不得手だニャ。使って驚かすことが出来るなら少しは学ぶことも考え──あれは」
ねこの王さまが目を向けた先、そこには見覚えのある白靴下の毛色にオレンジ色の毛並みをした一匹のねこの姿があった。
向こうも、
綾辻 綾花
とねこの王さまの姿を見つけて急いで駆け寄ってくる。
「王さま!」
「その姿はカーサかニャ!? どうしてここに……!
それを言ったらアヤカもニャが……!」
ねこの王さまの問い掛けに、ここに来る直前に手にしていた、もふもふのクッションをそのまま持ち込んでいた
恵御納 夏朝
が頷いた。
「気がついたら、ここにいて」
急いで走ってきたせいで息を途切れさせながらも、何とか夏朝が自分に分かる状況を説明する。
とはいえ、状況と言っても綾花と夏朝の状況はほぼ同じだった。
『気がつけば、ここにいた』のだと。
「本当に酷い有様だニャ……どうしたものか……」
「あ、王さま!」
「──ルナ!」
呼び声と共に、悩むねこの王さまの後ろから、混じり気の無い白い毛色をした
夢宮 瑠奈
が姿を見せた。
「綾花ちゃん、かーさちゃんも!」
そして、丘のふもとに同じ世界に何度も来ている三匹集まり挨拶をし合う中。
同時に、少し離れた所から丘の上に訪れた
羽生 碧南
が、ここに来た瞬間に目にしていた光景を重ねて、この草原を俯瞰するように見つめていた。
「笑えない、わよね。これ」
この世界は碧南も他の存在同様に、この世界で動物になるのが慣れた場所ではある。
しかし、今回は碧南がいつも参加してきたお祭りどころではないことが、先に目に見えた光景と併せて、辺りの緊迫感からもひしと伝わって来た。
碧南は、お祭りの時はずっといぬであった姿が、今は明るい栗色の毛をしたねこになっているのを確認して、ひとまずは目に見えているねこ達の集まりへと向かうことにした。
ねこの王さまとの面識はなかったが、息を詰めたあの時のイメージ映像が、あれをねこの王さまだと言っている。
「聞いた方が……ううん、聞かないと駄目よね!」
碧南は自分に言い聞かせるように、己の迷いを振り切った。
何が起きているのか、事情を聞かなければこれからどうしていいのかも分からない。
側に見える奇妙な歪みには、寝子島の景色が映っている。
何もかもを見なかったことにして忘れて帰ることも出来たが、碧南の心がそれを引き留めた。
「ニャ、新しい来客ニャ」
体感が、このねこ達は安全だと告げている。
碧南は勇気を出し、そのねこの王さま達の輪に加わり──ここに来るまでに見たものについての話を切り出した。
「……」
ねこの王さまの、毛でふっくらとした様子でも分かるように、顔から表情が引いていく。
周囲も例外なく目にした光景。それはねこの王さま以外の全員が、改めて話して良いのか分からず黙っていた内容だった。
しかし、いつかは話さなければならないことでもあった。
その思いを携えて、その場の皆は、碧南とねこの王さまの様子に固唾を呑んで見守った。
「……なるほど、ニャ。それは異界からの来訪者が全員見えているものとして間違いなさそうニャ」
碧南が話し終えた数秒の間を置いて、ねこの王さまは自身を納得させるように頷いた。
「ニャ。皆でそんな申し訳なさそうな顔しないでほしいニャ。
むしろ、追いかけ回されている説明の手間まで省けたニャ」
◆ ◆ ◆
それから、一度丘の上から辺りを一望すると告げたねこの王さまに、危ないからと皆でついて行く運びとなった。
途中、丘を登る姿を見つけ、碧南同様に時間差で丘の上からこの世界を見渡していた、鋭い白銀の毛並みを持つねこの
斉田 珠喪
が降りてきた。
「見てしまったものは、気にするニャという方に無理がある。ニャらば、これからそれについて話を──ニャ、今日は客人が多いニャ。
皆『ねこじま』という所から来たニャ?」
「王さま、寝子島をご存じなんですか?」
綾花が勝手知ったる固有名詞に驚いたように目を見張る。
「中立共存の会主催のハロウィンに行っていた民から噂を聞いたニャ。
いぬの国とも繋がっていたらしい、今一番別の世界に近い所だと」
そう語るねこの王さまの言葉に、珠喪も自分の姿を含め納得したように頷いた。
「なるほど、つまりここは明らかなる異世界、というやつじゃな。
わらわの先の指針も考えねばならぬ。しばし共に行動しても良いじゃろうか」
「ああ『ねこじま』から来た来客は信用に足るニャ」
ねこの王さまは、周囲の皆を見渡して二つ返事で頷いた。
◆ ◆ ◆
「そういえば『いぬとねこの中立共存を目指す会』の会長さんは、王さま達を捕まえてどうするのかしら?」
丘の頂上、見覚えのある樹を眺めながら、瑠奈が不思議そうに可愛らしく小首を傾げた。
「……あいつらは、吾輩らをどこかに閉じ込めて封印でもするつもりニャのだろう。
何しろ吾輩らには、首をはねる刃物すら通らニャいのだから」
ねこの王さまが、肩に掛けていた肉球マークの大きなトートバッグから双眼鏡らしきものを取り出し、辺りを見渡していく。
「共存の会なのに、隔離?」
何気なく碧南が浮かんだ言葉を口にする。
「ああ、そうらしいニャ──だがこちらこそ、共存の意志はニャい」
ほんの偶然、言葉と共に草原一面を風が薙いだ。
「これは……。同じ世界内にまで、あちこちに繋がる歪みが出来てしまっているニャ。どうしたものか……」
「王さま、王さま」
話を区切ったその言葉、その最中を。ほんの僅かな勇気を伴って、瑠奈が真っ白の毛並みをした手を軽く持ち上げて遮った。
「思うのだけれども……いぬとねこの中立共存を目指す会の会長さんがこんな強硬手段に出たのも、きっと思ったように進まないからイライラしているんじゃないかなって思うの」
ねこの王さまの気配が僅かに軋んだ。
「だからあたしは落ち着かせるために、平和をうたいにいきたいと思うの」
「危険だニャ」
ねこの王さまはその提案を否定し、同時に僅かに動揺を走らせた瞳で瑠奈を見た。
「この丘のおかしなことになっている空間とかから、ワープ的なことできるかしら?」
「出来るニャ。だが、駄目ニャ。異界の来客を危ない目に遭わせるわけにはいかないニャ」
その信念にも近い想いから言葉を続ける瑠奈に、ねこの王さまの語尾が強くなる。
互いに譲り合う気配が見えない、取り巻く空気が硬直し、今にも一触即発となりそうになったその時。
「あ、いたいた。王さま、こんにちは」
「驚いた、本当に完全に違う世界なのね」
四本足の黒ねこである
桜庭 円
と二本足の金ねこである
ブリジット・アーチャー
が、にゃーくんとコーネリアを伴い。この集まりを見つけ、とてとてと丘を登ってきた。
最初、その人数に警戒したねこの王さまも、見覚えのある姿に安心したようにため息を零す。
それまで、場に浮かんでいた誰一人としても望まなかった空気も、まるで息をつくように一斉にくだけて消えた。
「数が多いから、敵かと思ったにゃ。マドカと一緒なら敵じゃないニャね」
「うん、皆ともだち。ぶりちゃんと、にゃーくんと、コーネリア」
「
ブリジット・アーチャー
。ブリジットで良いわ」
最初『ぶりちゃん』と紹介され、今まで会った人物との語感の違いに首を傾げていたねこの王さまも、ブリジットの自己紹介に納得したように頷いた。
「ねえ、王さまも犬のしょうぐんも、
漢字で犬や猫って呼ばれたくなかったのは──人だから、なんだね」
円の問いに、全員の注目が集まった。
少しの沈黙の後、ねこの王さまはそれに静かに同意した。
「……遙か昔の事柄ニャ。今となってはくだらニャい事だが、どうにもお互いそれが抜けていないらしい」
「それで聞きたいことがあって。
禁忌は……あのお爺さん犬の事なの?」
円の脳裏には、見知らぬが故にあのイメージに一層焼き付いた存在がいた。
──あの時犬のしょうぐんの傍にいた、円の知らない、一匹のいぬとなった年配の人間の姿──
あれこそが、過去それぞれの国を治めていた王に、超常の力を与えた『禁忌』ではないのか、と。
「いぬ……
ニャ、その光景を客観視出来なかっただけかも知れニャいが……
すまんニャ、マドカ。記憶にないニャ」
ねこの王さまが申し訳なさそうに告げるのを見て、円は頷きつつも問い掛けた。
「王さま、ここからいぬの国へは行ける?」
「……行けるニャ、が。
無駄足になるかも知れないニャ」
「うん、でも──行ってくる。どうしても、気になって仕方無くて。
ぶりちゃん、ごめん。連れて行くと離れちゃいそうだから、にゃーくん任せた。
できるだけ早く戻ってくるから!」
そうして、にゃーくんがブリジットの傍に行くのを目にしてから、円は弾丸のような速さで丘を駆け下りていった。
「……『自分達だけでいるより安心だと思う』と言ってここに来たのに、単身で飛び出して行くとはね」
ブリジットが、その行動力に大きな納得と僅かな諦めを伴って呟く。
「まあ、ブリジットもニャーくんもコーネリアも、ゆっくり寛いでいくニャ」
「あら? 王さまは追い掛けられているのに余裕なのね」
「王さま、僕も丘の頂上は目立つんじゃないかなって思うんですが……」
ブリジットの言葉に、夏朝も同意したように、ねこの王様へと不安そうな眼差しを向ける。
「それがニャ……」
ひらめいた夏朝の言葉に、ねこの王さまは頭が痛そうに片手で眉間を押さえて見せた。
「中立共存の会は、吾輩の張った結界の割れ目を使ってここに来ているニャ。
しかし、もちろん空間管理と結界は吾輩が把握して張ったものニャから──そのようなものを、ドヤ顔で足代わりに使えば」
「筒抜け」
「しかも連中一度、完全撤退してるニャ。だから次にそこを通ればすぐに分かるニャ……夜間に奇襲すら掛けられないニャ」
ねこの王さまは、場違いなほどの大きなため息をついた。
「──中立共存の会は、基本詰めが甘いニャ。色んなものは、任せられないニャ」
「ところでなのじゃが、ねこの王よ」
現状を踏まえ、皆でこれからどうしたものかを話し合い始めた中、珠喪が先程の会話を思い出し、ねこの王さまに尋ね掛けた。
「生物である以上、記憶の欠損は必定じゃ。
だが、わらわはこの世界の全てが知りたい。
そもそも『この二つの国が分裂した原因は何か』──それらも含め、口伝だけでは欠けておろう全てが知りたいのじゃ。
知ることが増えた異界の者がいれば、これから中立共存の会と対立するねこの王とて不利にはなるまい。
どこかに『歴史、民謡、民話、伝承。それこそ歴史にまつわる物全て』が、一番身近に触れられる場所はないかのう」
「ニャるほど、そのアプローチは考えなかったニャ」
ねこの王さまが、しばしその言葉を逡巡するように瞳を閉じて思考を巡らす。
「──それなら、我が国の宝物庫だろうニャ。
あそこには、当時から時間の系譜となりうる石版の時代から書物に至るまで全てを置いてあるニャ。
そこには吾輩の記憶から抜け落ちたこともあるだろう。
これを──」
ねこの王さまは、肩に掛けていた肉球マークのトートバッグから、どこからともなく紙と朱肉を取り出して、肉球をそれに当てて紙に強く印をおした。
「あそこの歪みから入って、一番大きな建物が宝物庫のある城ニャ。
これを見せれば大抵の事は融通利くニャ。
──ただ、国民には動揺させたくないから、できるだけ今起こっている出来事はまだ内密にして欲しいニャ」
「了解じゃ。確かに預かったぞよ」
それを挨拶の代わりとして、綺麗な白銀の長尻尾をしとやかに揺らしながら珠喪が丘を降りていく。
「あの、王さま。
今のお話も含めて……話したいことが、たくさんあるんです。
本当は聞きたいことばかりで失礼かなって思うんですが……」
夏朝がおずおずと行った提案には、その場全体が頷いた。
一連の話で分かった事があるとすれば『このままではいけない』それだけだった。話を聞けば分かる事もあるかも知れない。
「そうだニャ、突然来て聞きたい事もあるニャろうしニャ」
ねこの王さまは、いつの間にか傾いていた夕日に目を留めた。
「今日は、ここで様子見も兼ねて野営をするニャ。
『ねこじま』の来客には、こんニャ状況下ニャが、最高級のねこカリカリをふるまうニャ」
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3人まで
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SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月21日
参加申し込みの期限
2017年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月28日 11時00分
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