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<終章>いぬねこの国
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『いぬとねこの中立共存を目指す会』本拠地の二階、そこはねこの王さまと共にいた面子が想像していたものとは若干異なっていた。
正座でぷるぷるしてはいるが、緊張感の殆どない犬のしょうぐん。
そして、傍に控えていた
御剣 刀
は一度瞬時に殺気を刃物としてそちらへと向けてから、感じ取った一同の顔とその気配に一瞬戸惑い、犬のしょうぐんが頷くのを確認してそれを納めた。
犬のしょうぐんの周りから漂う空気が、完全に中立共存の会の支配下から離れている。
何が起きたのか。誰かが問い掛けたが、いぬきちと会長は曖昧に目をそらすだけだった。
「と、取り敢えず、しょうぐんさんの縄と正座を解いてあげたい……です」
『犬のしょうぐんがきっと物凄く苦しんでいるに違いない』──そう思っていた
恵御納 夏朝
が、想像していたギャップに若干苦しみながら問い掛けると、会長はどんよりと投げやり気味に頷いた。
急ぎ、
綾辻 綾花
が駆け寄って縄を解く。
「あの……しょうぐんさまと話す間だけでも……このクッションの上に座らせてあげてほしいんですが……」
夏朝が、この世界に来た時から持っていたクッションをそっと差し出す。
「おお……これは良い座布団だワン。かーさ、有難く使わせてもらうワ──うおぉ、足が痺れたワン~……」
何とも間の抜けた気配が漂う。
「いぬの──お前、吾輩達の目的が奪取ではないと知って、わざとここに居座っていたニャな」
ねこの王さまが呆れを隠さずに核心を突いた。
「ねこの──お前こそ、我の救出よりも『中立共存の会との話し合い』を優先しに来たのであろうワン」
確かに、最初のねこの王さまの目的は『いぬねこ達を叩き出し、互いの国自体を封印すること』だったはずだ──それが、会長という敵対しているトップの一角を連れたまま、こうも悠長に現れれば『これから目に見えて、争いごとに持ち込む』というのも考え難い。
「これは、お互い様ではないかワン」
「全くだニャ。お互いが裏切ったニャね。
まあ、しかし。大方『異界の来客に促された結果』であれば仕方ないニャ」
「──いくら何でも、せめて話題にはついて行かせて欲しいにゃ!!」
お互いが同じ方向へ目的の宗旨替えを行っていた事実を知って、笑みすら浮かべた二国のトップに、中立共存の会の会長が半泣きで縋るように割り込み訴える。
そしてようやく、同じ場に各国のいぬとねこ、そして中立共存の会の最高責任者が集まった。
「犬のしょうぐんが我が中立共存の会に落ちた以上!
後は、そこのねこの王さまを捕まえるだけだわん!」
しかし、その口火を切ったのはその三者ではない、投網を持った焦げ茶色をしたいぬきちだった。
いぬきちは、この状況下でありながら、まだねこの王さまの捕縛を諦めていなかった。
「落ち着いて。私たちは話し合いに来たの」
花風 冴来
がその威に負けることの無い落ち着きと共に話し掛ける。
「え? えっと……!」
「騙されてはいけないわん! こいつらは全員わるものなんだわ──」
状況を把握しきれずどもる会長に、さらに焚き付けようとしたいぬきちに、後ろ手に紐で手を縛られた
日暮 ねむる
が微笑んだ。
「君はさっき、僕の手を縛ったいぬ君だよね。
僕が本当に悪者だったら、僕は黙って真っ先に君を眠らせていた。能力を黙っていることもできた。
この手の紐は、一つの信用条件だと思っているよ」
笑顔を向けるねむるの言葉に『ぐぬぬ……』と、いぬきちはそれに言い返せずに、歯をガチガチと噛み合わせた。
「え──ま、待ってほしいにゃ。
話し合い──? それは、今なら、
今のうちなら、話せばこの二匹に話を聞いてもらえるということかにゃ?」
「……」
寝子島からの一同が沈黙した。それだけでも中立共存の会の発言が、今までどれだけ虐げられてきたものかが伝わって来るようだった。
「会長、だめだわん! やつらがこちらの言う事なんて聞くわけがないんだわん!
そもそも、こいつらが──」
叩き付けられたその言葉に、ねこの王さまと犬のしょうぐんは目をつむり、一切の反論を、そして口を開くことをやめた。
それは一方的に罵られる用意とも取れる仕草であり。
同時に、寝子島の一同に今まで会話し伝えられた内容は──異界の来客であったからこそ、その理由も、その思いも語る事ができたのだと。言外にその思いの事実を伝えていた。
それに増長するかの如く、いぬきちの心ない罵倒が続く。二匹は答えない。
「どうして……」
その言葉を俯き聞いていた綾花が、零すように呟いた。
「アヤカ……?」
「王さまが責められるのは辛いです──
王様もしょうぐんさんも、民の皆が好きだから……大切だから争って欲しくないから分断という形を取らざるを得なかったのに。
そんな、一方的に責めるのは……悲しいです。
王さま、王さまに経緯をきちんとお話してもらって、会の皆さんに納得してもらいたい、です……」
震える綾花の声に、場が一斉に静かになる。
「争いで、分断……?」
会の二匹が不思議そうに首を傾げる。
その問いに、ねこの王さまの深い蒼をした瞳がうっすらと開かれる。しかし、そこに言葉は無い。
「しょうぐんさま……
辛いだろうし、疲れていると思う。
話したくないことや、言われて納得いかない事も……
でも……僕からも、お願いします。この世界の昔の話を──」
しかし、犬のしょうぐんも、ねこの王さまに倣いそれを言葉にする事を放棄した。
まるで、その過去を話すならば、無言のままに捕まり、封じられた方がましであると判断したかのように。
「わ、我々は、ただいぬねこの皆と仲良くしたかっただけにゃ! 大昔にあったらしい喧嘩のことなら、きっと嘘に決まっているにゃ」
沈黙に堪えかねて、動揺を隠しきれないままに、会長が思い当たった事を言葉として震わせる。
八神 修
はそれに、会長の結論は先に置いて別のところから問い掛けた。
「ああ『皆』と仲良くしたいというのは、よく分かる。
だが──両王も『皆』の一人だぞ?
今のその『皆』から犠牲を出して、その不幸を踏み台にした国を、いぬねこ達は誇れるか? それを、自分の子供にどう説明する?」
修の発言に、二階にあぶれず上がってこられた、いぬねこの会のメンバーは一斉にざわめき立った。
いぬとねこにとって──確かに、両国のトップは極めて特別な存在だった。
「た、確かに……二匹とも同じ姿をしてるにゃ……」
だが、それまで。
──その二匹を、同じ外見のいぬとねこでありながら、誰も『皆の一人』だとは認識していなかったのである。
尊敬される代わりに、民の誰にも仲間入りはされなかった。
そこには、頂に立つ存在の孤独が、浮き彫りになっていた。
「王達はきみたちの知らない昔を知っている。聞いてみるといい。きっと分かり合える」
「で、でもにゃ……」
会長に露骨な躊躇いが見える。それを冴来はすぐに察した。
「そうよね。今迄話を聞かなかった二匹の言い分なんて、貴方たちは聞きたくないかもしれない。
それはご尤も」
会長だけでなく、その場のいぬねこの会メンバーの殆どが頷いた。
それは、ニ国の頂点が治めてきた平和に見えてきた世界の闇のようだった。
確かに、それぞれの国は、まるで箱庭のような楽園であった。
しかし、その陰で。己の手が届かない場所への平和を、王達は容赦無く切り捨ててきたのだから。
「けれど、自分達の意見を誰かに聞いてもらいたいのであれば、まず相手の意見に耳を傾けなければならないわ。
これは貴方達が自分達の手で国を作るとなったときでもそう。
みんな仲良くいる為には、必要不可欠なことよ」
否定を叫び掛ける、いぬきちの口を押さえるようにして。
それを聞いた『いぬとねこの中立共存を目指す会』会長は、震えながらもゆっくりと今まで目も合わせなかった、犬のしょうぐんとねこの王さまの言葉を待つように、じっとその姿を見つめ始めた。
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月21日
参加申し込みの期限
2017年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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