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<終章>いぬねこの国
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「ほ、本当にこれでいいんでしょうか……?」
綾辻 綾花
が動揺の声を上げながら、ねこの手で器用に箸を持つ。
「でも……確かに、理に適っているね」
恵御納 夏朝
が複雑そうな顔をしながらも、納得した様子で紙皿を手に取った。
「なるべく、本当に美味しそうに食べて欲しいんだ。頼む」
それは、
八神 修
が風上に配置した──バーベキューのセットだった。
ほぼ一夜の全てを懸け、失敗を繰り返してはただ一人運搬を繰り返し。そして、吹く風向きを確認しては一人孤独にこっそりと設置した。
そして修は、人間用の為にサイズの勝手は違うが努力の末に何とかバーベキューの器具に点火し、そこに本拠地の建物が遠くに見える風上から、容赦無く香ばしい臭いを漂わす肉を焼き始めた。
それは、風に乗って嗅覚が敏感になったその場のいぬねこ全員の食欲を、陣営関係無しに直撃した。
「何か良い匂いがするデス!!」
『いぬとねこの中立共存を目指す会』本拠地の二階で、
トワ・E・ライトフェロゥ
が、
御剣 刀
の破った窓から匂いのする方角を確認した。
「煙上がってるデス! 誰かがバーベキューやってるマス!」
その言葉に、本拠地のいぬねこ達は愕然となった。
中に異常を知らせに飛び込んで来た見張りのいぬねこも、その匂いに半数ほどが『警告してくる』と告げて走って行ったっきり……戻ってこないという。
「きぃいっ。何という事だわん!我々を誘い出して一網打尽にする案なんだわん!」
いぬきちがヒステリックにわめけば、
「しかし、一昼夜何も食べていないとお腹が減るにゃ……」
会長が、ぐぐぅと腹の虫を鳴らす。
「会長! めちゃくちゃ親切なねこが、美味しく焼けた肉とししゃもを分けてくれたワン。
しかも、見てるとこんな狭いところでは無く、外でのびのびと縄跳びまで始めて──!」
「ししゃもだってにゃー!?」
「『たらふく食べた上に運動』だってわーん!?」
……こうして、中立共存の会の会長といぬきちは、ついに堪えきれず仲間と一緒に我先にへと外へ飛び出していった。
残ったのは、犬のしょうぐんと寝子島出身のいぬねこのみ……
「……。
お前達も、何か食べたいものがあれば」
言葉を選んだのが分かる、沈黙を避けた犬のしょうぐんの言葉に、
大天使 天吏
が首を振る。
「いえ、私はお腹はすいていないので。
しょうぐんさま、持ってきます。何か食べたいものはありますか?」
「いや、問題ない。気を遣わせてしまって済まないワン」
「いぬ皇、今なら全く問題なく逃げ出せるが……?」
刀が、夜から消えていた表情に変わり、今はこの状況に僅かな微笑ましさと少しの呆れを滲ませて問い掛ける。
「いや、ここで我がいなくなれば、話はまたややこしくなるワン。
連れ出すつもりなら、もう別働隊がここに来ているはずだワン。だから、アレらの目的は、あくまで話し合いなんだろうワン」
犬のしょうぐんは、そう告げてから少しの間を置いて独り言のように口にした。
「人間をやめて久しい、が。やはり人間とはおかしな生き物だワン。
本当に、稀に突拍子も無いことをする」
犬のしょうぐんの言葉に、その場一同は素直に頷くことしか出来なかった。
「このお肉、ヘルシーで美味しい……」
一階にいてその報を聞いていた
三宅 葉月
も、皆に紛れてこっそりお肉の味を堪能している。次々に焼ける肉と野菜に魚介類のオンパレードと、本拠地は完全に無力化していた。
「にゃーくんも、焼き魚食べる?」
「たべるー。コーネリアちゃんも一緒にたべようー!」
「あら、コーネリアにも分けてくれるのね」
ここでは魚介類を中心に、
桜庭 円
と
ブリジット・アーチャー
、一緒に来たにゃーくんとコーネリアが一緒に焼き上がったものを食べていた。潮の焼ける香ばしい匂いが堪らない。
「王さまも、ししゃも食べますか? 美味しいですよ」
「もらうニャ。こうして食べていると、ハロウィンの時の屋台巡りを思い出すニャね」
綾花とねこの王さまがのんびりと弾けるししゃもを焼いている。
「あ! ねこの王さま! こんなところで何しに来たわん!」
そこに飛び込んで来たいぬきちに、綾花がとっさにねこの王さまを背後に庇う。
それを極めて恥ずかしくそうにそっと制しながら、ねこの王さまはさも当然とばかりに口にした。
「オサムの用意したししゃもを食べているニャ。
お前は名前も知らニャいが、同じ味の共有くらいは出来るニャ。とっとと肉でも食ってくるニャ」
「暗に、味すら共有出来ないと言っているわん! このばかねこさま!」
いつの間にか楽しんでいないいぬねこがいなくなった場所で、呼吸するように発生していた喧嘩の火種を見つけて、修が慌てて止めに入る。
「まあまあ。お腹が減っていては話も出来ないだろう。存分に好きなものを食べてほしい。
俺たちは話し合いに来たんだ。食が満ちなければ礼節以前の問題だろう?」
「む、確かにそうだわん……」
「うん、手品や魔法に興味のあるいぬねこさんは注目ー」
しばらく、食にうつつを抜かすことなく、辺りを注視していた
日暮 ねむる
が軽く声を掛けると、空腹に食べる事から大分心に余裕のできた、中立共存の会と思われる大半のいぬねこ達が一斉に目を輝かせてそちらを見た。
「実は、僕には触れた相手を眠らせる力がある」
「きっと嘘だにゃーん。ぼくらだってお腹がふくらんだら眠くなるって知ってるにゃーん」
「嘘だと思うならここで実演してもかまいませんよ」
嘘だと言ったねこに、早速ねむるは、触れた相手を眠りに落とす、威力に加減をした己のろっこん“In to the Sleep Act2”を発動させた。
「ふにゃ~……お魚が一面にお空で食べ放題にゃ~──はっ!
本当にゃ! 眠くなったにゃー! こわいにゃー!」
「──この手の内を明かしたうえで誓うよ、僕は戦うつもりはない」
怯えとそれでも隠さない好奇心を半分に取り囲むいぬねこ達の中心で、ゆっくりと安心させるような声音でねむるは続けた。
「王と将軍両名と中立共存を目指す君達を仲介し、誰も傷つかぬ形での解決を手伝いに来ました。
食べ終わったら、よければ中に入れてくれないかな。不安なら手を縛ってくれても構わないよ」
同時に傍らでは、
「こうして、ね」
夏朝が、この世界に持ち込めた猫シールを紙皿に貼り付けて、ろっこん“重く軽く”を発動させる。瞬間、それは今にも宙を浮きそうな程に軽くなった。
「すごいワン! これならいくら持っても手が疲れないワン!」
逆に同じ仕草で、空の紙皿を鉛のように重くする。そして、夏朝はそれらに一番驚いていた一匹のいぬにシートごと預けた。
「預かっていてほしいんだ。
『何でも出来るこれがあるから』って心配されちゃったら話し合いにならないから」
瞬きしたいぬは、それに正直にコクコクと頷いた。
……この様子ならば、きっと懸念であれば良いと、夏朝は思う。
それでも、夏朝はそのシールを持ついぬの特徴と居場所を逐一確認することにした──何もかもが破綻したその時に、あのシールで、敵地から脱出を可能にする為に。
「食べ終わったわん! 皆戻って『話し合い』するわん!
いきなりこのねこの王さまを捕まえても良かったわんが! このバーベキューで話し合いくらいはしても良いかもしれないって、会長が言ってたわん!」
「え? 私はそのようなことは一言も──」
「会長言ってないにゃ~ん?」
「い、いえ! 言いました! 確かに言いましたにゃ!」
それらの会話を目撃し、初見の寝子島から来た存在からも何となく察することができた。
どこで崩れたのか、いぬきちと会長。それからその他のいぬねこの民から見るに『いぬとねこの中立共存を目指す会』の構成は、もはやろくに成り立ってはいないのであろうと。
その切っ掛けを作った葉月は、黙々と焼いた野菜を食べている──
そして、原っぱには建物に入りきれなくなった十数匹のいぬねこ達と共に、
夢宮 瑠奈
がいた。
「お嬢ちゃんの歌は素敵にゃ。もっと聞きたいにゃー」
「はいっ。でも、もう少し建物の近くに移動しまーす」
瑠奈は決めていた。
建物の規模的に、全員は入らない。
深刻な会話をするなら、近すぎる箇所で歌を歌っては話の邪魔になってしまうかも知れない。
──ならば、外から。外から中へ届く距離。
皆に、平和になってほしいから。一部の偉いいぬねこだけが、平和になっても駄目だから。
瑠奈が、本当はこれから今までずっと、この世界に──ねこの生誕祭も、中立共存の会のハロウィンも、いぬのさくら祭りも、ずっとずっと触れて、世界をこの目に見てきた。
皆がそれを知っていれば、きっと誰もがあの話し合いへの参加を勧めてきたことだろう。
だが、瑠奈は敢えてそれをしなかった。
歌い続けることを選んだ。それこそが、武装もしない、ろっこんではなくとも“歌には力がある”と信じ続けた少女の選択。
手には、ねこの王さまからもらったうっすらと輝く紫の石を握って。瑠奈は、静かに歌い始めた。
それは静かに、テンポの落とした互いの牙を隠してほしい、収めてほしいと願う『平和』の歌。
歌は──その願いを、確かに叶え受け止めた、光る紫の石の波動に乗って。
瑠奈の想いは、建物内も含む、この場全てのいぬねこたちの『心』に届いた──
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15人
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シナリオガイド公開日
2017年10月21日
参加申し込みの期限
2017年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月28日 11時00分
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