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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【異端教区 外来人街】
「止まってください! あれが来ます……」
新田 樹
が手鏡で民家の向こうを確認し、雷鯨をやりすごす。電荷がスパークを起こす恐ろしげな音が遠ざかるまで、彼らは息を止めて身を潜めた。
「……ふう。行ったみたい」
「ええ。助かりましたよ」
日向 透
が微笑みかけると、樹は照れくさそうなはにかみを返す。依然として彼女の表情は演技によって形作られてはいるが、そのベクトルはいささか変化し、か弱くも手持ちの能力を活かして生き残ろうとする健気さを演出している。あるいは内心、ひどくこの状況を楽しんでいる自分を悟られんがためでもあった。
(今度は死なないようにしなきゃね! でなきゃ、長く楽しめないし)
「それにしても……あれは一体、何があったんだろう?」
桜 月
が不安そうに指差したのは、彼らの当面の目的地である教会だ。
「あんな大穴を、何がどうやったら開けられるんだ?」
「ここにも、いろんな怪物がいるみたいだからねぇ」
並んで様子をうかがう
壬生 由貴奈
が、そんな言葉で月の疑問を補う。
「あの鯨か鮫みたいなのの他にも、何かいるのかも。気をつけないと」
「そんなやつが……ここは本当に、奇妙なところなんだね」
教会までは百メートルばかり。近づいたことで、少しずつその外観が見えてきた。
もっとも、作りとしては別段珍しいものではない。三角屋根に尖塔を持つ、白い外壁の教会だ。
目に付くのは、壁の一角を地面もろとも正円状に切り抜く、直径にして十メートルにも届こうかという巨大な風穴だ。内部が完全な吹きさらしになっており、穴の縁は真っ黒に焼け焦げている。
彼らはこのあたりを徘徊する雷鯨たちを想起したが、それにしてはいささか被害の規模が大きすぎるようにも思える。
「さて。この街で一体何があったのやら……」
透は歌うように言いながら、民家の脇に打ち捨てられている、破壊され朽ちかけたピアノに手を触れた。今は見る影もないが、在りし日には持ち主のたおやかな指が鍵盤の上を軽やかに舞ったことだろう。
彼のろっこんは、そんな物品のたどってきた過去の断片を読み取る能力だ。まぶたを伏せると、情景は彼の脳裏に再生され、鮮烈な光となって飛びこんできた。
「なぜ……! なぜ私たちの信仰を脅かすのです!? このような暴虐になんの意味がありましょう……神は決してお赦しになりま、あ、いやっ、や、やめ」
「……脅かしているのは、あんたたちだろう。俺たちにも譲れないものがある。こんな姿になっちまってでもな。なあ、分かるだろう?」
「おい、教会だ。連中あそこに立てこもってやがる」
「ああ。今行くよ。ん、もう一人はどうした? あんたの連れは」
「あいつは変わっちまったよ、もう。完全に。お前も変わりかけてるぜ」
「分かってる。あんたもな。なあ、どう思う? これは意味のあることなのか? こんなになってまで、俺たちは街を……」
「さあな。意味なんてあったか? 意識が薄らいでいくのを感じる、今この瞬間も。何もかもがどうでも良くなっていく」
「俺たちは……なぜこんなことを? いつ、誰にこんなことを許容した? そうだ。誰かが……俺の頭の中を、弄って……」
いつの間にかソフィアがそこへ佇んでいたことに透は気付き、顔を上げ笑いかける。
「おや。しばらく姿が見えませんでしたが、どこへ行っていたんです?」
「……最後にお会いしてから、ずいぶんと時が経つというのに。あなたたちはまるで変わらないのですね。不思議な方々」
奇妙な言葉を口にしつつ、彼女は壊れたピアノを、民家を、そして教会を見やり、疲れたような顔を覗かせた。元よりくたびれた表情を浮かべた女ではあるが、透はそこに懐古の情を見た気がした。
そういえば、彼女は擦り切れて色褪せているものの、修道服を身に纏っている。透は小首をかしげ、
「もしや、あなたはあの教会に……」
「伏せて!!」
叫びは、樹。瞬時に対応したのは、由貴奈だ。
張りつめた空気が、はち切れそうなほどに膨張する感覚を覚える。
「やっぱりねぇ、そうくると思ってたよ……!!」
崩れ落ちた壁から飛び出した金属の梁を、由貴奈はろっこんで操作し、幾本も土の上に突き立てた。直後に爆音を伴う巨大な雷がそれらへ落ち、空を鳴動させる。
避雷針代わりの梁は一瞬にして焼け溶け、その向こうから、そいつが姿を現す。月は隠しきれない戦慄に声を震わせた。
「こいつが、あの大穴を……!?」
一見して、そいつは雷鯨たちを率いる群れのボスのように思われた。個々の鯨たちと異なることのひとつは、体躯が数倍にも達すること。純白の巨体はまるでシロナガスクジラだ。
それにそいつは、四肢というにはあまりに多い、幾本もの人の腕や脚をでたらめに生やしている。腹部には、女性の乳房を思わせる膨らみすら揺れていた。
雷は収束し、球電となって家々を貫き焦げた穴を開けてゆく。人が触れればどうなるかは言わずもがなだろう。
「……シスター・ヘレン」
ソフィアの呼んだ名を、彼らは耳をつんざく雷轟のさなかに聞いた。
【プーラナーガラン寺院 深蒼殿】
光の標をたどり、板張りの長い廊下を進む。
「……? あれ?」
それが予兆であると、
志波 武道
はすぐにも気づいた。
「志波先輩、大丈夫ですか」
「あ、うん。何でもナイナイ、ダイジョウブ☆」
八神 修
の憂慮を、あえて演じた軽薄な笑みでかわす。
寺院にも簡素な窓はある。しかし夜闇が深まったわけではない。次第に視界がぼやけて暗がりが増していくのは、標を見るこの能力の代償なのだろう。
(あまり……長くは持たないな……)
武道はメモ帳を取り出すと、たどるべき光の道筋や、目に映るものを記録しておくことにした。まだ、全てが見えているうちに。
「痛ッ。頭が……」
「シュー君! 無理しないで!」
よろめいた修を
椿 美咲紀
が支える。
修や美咲紀の得た、あの異形たちの接近を知らせる共感能力もまた、大きな対価を伴う。即ちこの激烈な偏頭痛だ。自然とふたりは能力の行使を最低限に留めていたが、それが仇となったのかもしれない。
「囲まれてる。前後を塞がれた」
「に……逃げられないですか?」
あの触手を持つ異形の動きは鈍いが、それは本体に限ってのことだ。別の意思を持つかのように蠢く頭部の触手は素早く強靭であり、当然ながら接触は避けたかった。
加えて、彼らにはあまり機敏に動けない理由がある。美咲紀がちらと、彼女へ視線を向けると、
「だから、死なない。私は死なない。輪は巡っているのだから。私は死なない、そうでしょう?」
取り止めなく胡乱な言葉をつぶやき続ける
桃川 圭花
が唐突にこちらを見据えて笑い、美咲紀は息を呑んだ。
狂気に身を浸す圭花は、光差す希望に夢中なのか、保身のことになどまるで考えが及ばないようだ。かといって仲間を見捨てることもできず、四人の道行きには晴れぬ暗雲が立ち込めていた。
「いや。四人ではなく五人、か……ソフィアさん」
「ああ……随分とお久しぶりですね。一年ぶりといったところでしょうか。もっともこの街に、時の概念など今さら当てはまるものかしら……」
彼女に声をかけた修は、うっすらと気づき始めていた。ソフィア・マクマスターが、自分たちと同じ時を生きてはいないことに。
神秘大学を脱した直後に、彼らはこの街へ放りこまれた。いくばくの時も経たぬうちに目覚めたはずだったが、タユタラの街はレッドヒル・マリーが解放されてより数年も経たかのように、異形の群れに支配されている。
そして、時折ふらりと現れてはいつの間にか姿を消しているソフィアの顔には、小さいながらいくつかの古傷が増えていた。修道服のほつれと汚れは進み、左の袖は千切れて無くなっている。
「ソフィアさん。あなたは……」
「おしゃべりに興じている余裕はなさそうですね。ええ、残念ながら」
あなたはまだ、生きているのか?
そう問いかけたところで、視界の向こうに真白く透明な表皮に虹色の光を纏う、人型の有櫛動物めいた異形たちが姿を見せた。
修と美咲紀は転経器から取り出した金属棒を構え、武道は手刀を水平に突き出し腰を落とす。
ソフィアが初めに飛び出し、狭い通路へ詰まった異形の群れへと切り込む。剣で触手を薙ぎ払い、本体を斬り伏せ額に銃弾を撃ち込む。
武道が手刀を叩き込めば異形の身体は麻痺して倒れ込み、修と美咲紀が棒の先端で頭部を貫き叩き潰す。
瞬く間に、場は泥沼のような乱戦へと突入していく。
「私は死なない。死なない。なぜならエビデンス不在の仮定の上に築かれた理論は妄想に過ぎないのだから。死後の世界が存在する証明にはならない。けれど輪廻転生は私の世界観の中で成立し得るわ、全ては現に存在するこの世で起こるっているのだから。現象の再現に至る操作を特定できれば、ありとあらゆる事象を証明できる。私たちの世界に輪廻転生が存在し得ることは証明できる。そうよ。解き明かしたのね。レッドヒル・マリー。あなたって本当にすごい。あなたは狂っていると多くの人が口を揃えて言うのでしょうね、でも私はそうは思わない。狂気なんて概念こそが時代遅れなのよ。現代には、そんなもの、ない。存在しない。啓蒙の光が行き渡らない中世暗黒時代に、社会的要請のもと生み出された野蛮な概念に過ぎないのよ。だから死なない、私は死なない。それは証明される、すぐにでも」
圭花の連ねる言葉はさながら悪趣味なホラー映画の劇伴のように調和し、世界は彼女と一体化してゆく。圭花にはそれが、この上もない幸福のように思えた。
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墨谷幽
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魔女の咬み痕
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
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