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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【プーラナーガラン寺院 深蒼殿】
「シュー君、大丈夫です……?」
「ああ……ずいぶんいいよ。ありがとう、美咲紀……」
実に際どいところだった。
八神 修
を貫いた触手は肺を完全に貫通しており、美咲紀がろっこんによる治療を施さなければ命は無かったろう。
それでも完全な治癒には至らず、修の呼吸はひゅうひゅうと風の通る音を伴い、美咲紀に肩を借りねば歩くこともできなかった。
「すまない……今回は、俺が、足手まといだな……」
「気にすることないのです! 私たちは二人で一人、助け合うのは当たり前なのですよー」
「ふふ。そうか……」
いつもより弱々しい彼の笑みを目にして、美咲紀は努めて明るい声を発する。守られるばかりではない、今は自分が彼を守らなければ。
(今度は私が、シュー君を守るのです! いつも頼り切ってばかりではいられないのです)
そんな決意が、美咲紀の足を支えていた。
「ああ、マリー! あなたって本当に素敵。目を開けば見えるのよ。私の目はそこらじゅうにある。見る、とも少し違うのかもね、きっとそう。でしょう? マリー、ああ、私は分かっているもの。あなたの理論は妄想なんかじゃない、私分かっているの。全て!」
桃川 圭花
は二人について歩きながらも、くるり、くるりと踊り回る。彼女の精神の混沌は寺院の奥へ進むにつれ深まり、今に至っては意思の疎通もままならない。まるで何かと交信しているかのようだ。
「えっ、何? そうなの、マリー? そう、それは大変ね。分かってる、許されないことだわそんなの、ええ任せて。報いを受けさせるのよ。威張るだけの王様だなんて百害あって一利なしだわ。ええ、そうよ!」
「……美咲紀。今は……進もう。もう……すぐそこだ」
ひゅうと息を吸い込み、修は辛そうな顔で美咲紀の手元を指差した。
志波 武道
の残した地図は曖昧にして正しく、寺院の構造を完全に捉えている。彼らはそれをたどるだけで良かった。
そして目的地は、目の前だ。
交わるT字の通路を折れると、そこにはさほど広くないものの小奇麗に片づけられた部屋があった。
「わ……大きい! シュー君、何でしょうこれ?」
中央には細長い木板を立てて並べぐるりと覆い隠された、何かが安置されている。
「ええ、今から見るところよ。マリー、あなたはこれが知りたかったんでしょう? 分かってる、大丈夫よ。私とあなた、二人の発見だわ。そうよ、あなたの偉業の第一歩よ」
くるくると回る圭花が無造作に板へ触れ、それを除きにかかる。
「ちょ、危ないのですよー桃川さん!?」
「桃川を、押さえていてくれ。俺が、やる……」
美咲紀が圭花の腕を引き離れたところで、修は胸を押さえながらも精神を集中するそぶりを見せ、ふ、と一瞬息を止める。
修のろっこんは板を細かな木片へと分解していき、やがて内側に隠されていたものが、彼らの前に姿を現した。
「……? あれっ!? これって……?」
美咲紀は思わず首を傾げる。
言わば、神像だろう。神では無いのかもしれないが、少なくとも信仰の対象や、タユタラの民にとって尊ぶべきものであるのは確かなはずだ。
「なぜだ……? なぜこれを、彼らは崇拝していた……?」
くねる触手を頭部に持つ、クラゲかイソギンチャク。あるいは珊瑚のような特徴を身体に持つ……像は、コーラリアンの姿をしていた。
【クーラシン王宮 賢王の御座】
満ち満ちる謎も疑問も、
高杉 かよう
には些事に過ぎない。
「……動けば雷電の如く!!」
蜂の身から人へ戻り、宙より強襲する。眼下に迎え撃つのは幾つもの顔を持つ、御座の主だ。
王は重複する精神を持つ。影となった者らから剥ぎ取った肉を纏い膨張させた頭部には彼自身と、彼を支えた家臣たちの頭脳や知の全てを擁している。
複数の頭脳を束ねた彼は高次の存在へと至ったが、人であることが彼の枷となった。彼は歪み、手を触れず不可思議な事象を引き起こす能力を得ながらも、その魂はもはや正常な型を留めてはいなかった。
「ひしししししげよげよげよ」
「発すれば、風雨の如し……!!」
念動の波がかようを襲い床を抉る。触れずとも王は何もかもを潰し砕くことができた。
しかし彼は駆け抜けながら身を翻し、際どくそれを避けて見せる。
弓引き構えた拳には、蜂の尾針が伸びていた。
「衆目駭然として敢えて正視するものなし!! これ我が東行高杉君に非ずや……ってな。俺のことだぜ!」
全力の一撃。同時に拳の衝撃へ乗せて蜂毒を送り込むが、
「うおっ!? っとと、危ねぇ。やるねぇおたくも」
見えない波が走り抜けて石の床を削り、かようは飛び退き距離を取る。
人探しも謎の解明も投げ打ち、強大な敵へ立ち向かうという大仰な遊びに興じているが、それとて触れどころを見誤れば火傷をする。既に幾度となく毒針を持つ拳を打ち込んでいながら、賢王クーラシンの肥大した頭部が傾く様子はない。
「……剛毅な方。手助けは必要ですか」
「おっ! 美人の助っ人外国人と共闘も悪くないぜ」
返事を待たず、ソフィア・マクマスターは一足飛びに跳躍し、片腕でクーラシンへ斬りかかる。かようが後を追い、ソフィアと挟み込む形で王の背後を取り、背中から拳と針を突き入れた。
立ち回りながらもかようはちらと、御座の間の入り口へ視線を走らせる。
「サヤ。ほんとにやるのか? 大丈夫かよ?」
「心配しないで、とは言えないわね。でもやるしかないでしょう?」
楢木 春彦
は怪我を負っているようだ。
一条 紗矢香
は彼に寄り添い支えながら、何かをするつもりらしい。
かようは波を飛び越えながら、白い歯を見せ笑った。
「いいぜ、やっぱチームプレイは大事だよな。まっ、エースは俺だけどな!」
紗矢香の瞳がどこか青みを帯びているのに、気づく者は無かった。
「……呼ばれもせず御座をまたぐのは、英雄か大虚け者か。其方らはいずれであろうな」
「っ……国王クーラシン。レッドヒル・マリーはどこ?」
肉なき者らとの交信と、それは一線を画す。一方的な接続ではなく、交互に繋がれているような……いや。その逆だろうか。
気を抜けば瞬時に取り込まれる。紗矢香は傍らの春彦の存在を強く意識しながら、王との対話に臨む。
「私たちは、彼女と会わなくちゃ。必要なら封じなければならないの。あなたも彼女によって変えられてしまったんでしょう? 彼女は、マリーは今どこに……」
「卑しき下の者が、王に物を尋ねるか。答えよと? 高貴なる王に、不遜にも命じようというのか?」
「偉そうに、言うじゃねぇか!」
王の言葉はかようにも届いている。
ソフィアの剣が膨れた頭部へ滑り込むのと同時に、毒針を帯びた拳を華奢な身体の胸へと突き入れる。
「下らぬことです、王よ。あなたの野望が魔女を召し抱えなどしなければ、街は……あのような無惨をさらしてはいなかった。シスター・ヘレンは、彼は、討たれはしなかった!」
しかしこちらから声を届けることができるのは、紗矢香だけだ。
「答えて、マリーはどこ!? 知っているんでしょう、今どこに、ぐ、うッあ……?」
びくりと、紗矢香の肩が揺れた。逆流する思考の波が、彼女を頼りない葉のように翻弄する。
「うあ、あ、あたまの……中に。私の、中に……!!」
「サヤ!? おい、しっかりしろよサヤ!!」
いつの間にか入り込んでいた肉なき者たちが彼らを取り囲み、影は踊る。
「は、入って、来ないで……私の中に……っ!!」
「マリーは余のモノだ。この力、余のモノだ。余こそが、常世の王だけが持つにふさわしきモノだ。渡しはせぬ。誰にも渡しはせぬ」
「トドメ、刺しちまえ!!」
瞳を青く染め、がくがくと痙攣を始めた紗矢香を抱きしめながら、春彦は叫ぶ。
「これ以上はサヤが持たねぇ、頼む、早く!!」
「言われるまでもねぇ。シスターの姉ちゃん、行くぜ!!」
ソフィアはうなずき、かようは蜂へと変じて舞い上がり、肉なき者らは声なき喝采を叫ぶ。
念動の波が蜂を追い壁を走る。広がる亀裂が御座の間を、王宮全体を激しく揺らす。
かようは侵入の折、見定めていた。王宮が侵食されているが故に脆く崩れかけている、壁や天井の綻びを。
ソフィアが滑り込み、剣で王の足を床へと縫い止める。
「ナイスだ姉ちゃん、こいつで試合終了だ!!」
空中で人の姿へ戻ったかようは、天井に飾られたシャンデリアの名残へと掴まり、全体重と衝撃を叩き込んだ。
走り抜けた亀裂は加速しながら連鎖し、石壁は剥がれ天井は崩れ落ちる。
「マリーは此処に在らず。余は此処に在らず。マリーは余と共に在る。渡しはせぬ。常世の支配者こそが持つにふさわしき……」
ソフィアが飛び退いた直後、落下する超重の石塊に押し潰されて弾け、肥大した脳漿を散らしながら王は倒れた。いかに超常の力を得ようとも、生物である限り耐えられはしなかっただろう。
かようは危なげなく地へ降り立ち、よろめいたソフィアを助け起こす。
くずおれた紗矢香を抱き止めながら、春彦はその青く灯る瞳と王を見比べ、ぽつり、疑念を漏らした。
「……ここに在らず? どういう意味だ……?」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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