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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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＜アイス食べ放題！＞池でパチャパチャするだけのお仕事です。
志波 拓郎と高梨 彩葉は候補生だった。
（バイト代出てアイス食べ放題だったから、甘い物好きな彩葉さん誘ってバイトに一緒に来てみたけど……）
（しばっちからアイス食べ放題の美味しいバイトがあるって聞いて参加したけど……）
（（まさか恋人の振りをすることになるなんて））
過剰に意識しあう２人は、池のほとりを視線をさまよわせ歩いている。最初に口を開いたのはしばっちこと拓郎のほうだった。
「なん……か……いつもより……静かだね……彩葉さん」
「え！？ そんなことないよいつも通りだよ私はしばっち！ わにゃははは！」
動揺して笑い方すらままならない彩葉。
「ごめん、まさか……こういうバイト、とは……えっと」
拓郎も、いつも以上に話し方がつっかえがちだ。
「しばっち全然気にしないでいいよ！ ほらアイスも食べ放題だし！ しばっちはそれシラス味なの？ 勇気あるね！」
対して彩葉は、照れると多弁になる傾向にあるご様子。
「商品として……売ってるから……おいしい……はず」
なるべくいつもの調子に戻そうと必死。
「そうだ……シーサイド……駅前、新しい和菓子屋さん……できたよ」
「あーうんうん、前通ると甘いいい香りがするよね！」
「よし……今度一緒に……食べに行こう！」
「ぜひっ！」
お互いの立場を忘れ、いつもの会話に戻れた二人だったが、ふっと現実に返り、目を逸らしあう。二人の間を初夏の風が吹いた。新しい芽吹きを告げる風だ。
「えっと……カップルのフリって……なに……しよう」
「うーん……手とかつなぐ？」彩葉、手を伸ばしかけるが「無理だ、うん、無理だ！」
もうなんかこれから大人の階段登ったりとか喧嘩とか仲直りとか色々あったりとか、明るい未来しか拓けてない二人。
拓郎と彩葉。つまり彼らは【爆発候補生】であった。生かすも殺すも神（＝筆者小西）次第なんだけど、どうしよっか。
「カップルのフリ……彩葉さんと、だから……できるよ」
「私も」
しばっちとだからできる。そう言いたかったが、言えなかった。恥ずかしいからではない。
神の采配が下ったからだ。
二人の視界の脇、耳福池の中央から、得体の知れない黒い物体が、水しぶきをあげてこちらへ迫っている。
「！？」
池のふちまで来ると、物体は速度を緩めずコーナリング。ザッパーンと大きな音を立てて、岩を打つ波のごとく池水の塊が飛びかかってきた。
「きゃっ」短く悲鳴を上げる彩葉に、「あぶ……！」拓郎の長身が覆い被さる。重たいしぶきが全身を濡らした。
「だい……じょうぶ？」
「うん、ありがとうしばっち」
「ああ……」
至近距離で笑いあってから、気づく。きつく抱きしめあっていたことに。
「！？」
反発する磁石のように離れる二人。水浸しになった髪の奥で、彩葉がどんな表情をしているかは見て取れない。
「はは……」取り繕うように拓郎。「アイス……溶けちゃったよ」
「ほんとだね。食べ放題だから、またもらいに行こ」
「うん……」
またなんかいい感じの２人。ていうかさっきの黒い物体について疑問を持てよ。
「「はくしゅん！」」
この池水ザッパーンの被害を被った者たちは他にもいた。
「さっきの何？」
ずぶ濡れロベルト・エメリヤノフ、ウィッグにずれがないかを心配する。
「油断した……」
神嶋 征一郎も同じくずぶ濡れで呆気にとられている。
「アイスも零してべとべとだし……着替えてぇ」
皮膚に張り付いた衣服をつまみながら、「クソだ」「最悪だ」「死んでしまえ」と、思いつくばかりの悪態をつく。
その姿を眺めるロベルトに、一つの想いが芽生えた。
（こいつが美少年だったら……）
想像が想像を呼ぶ。全年齢対象の健全RPGでは到底描写できない世界が、ロベルトの脳内で繰り広げられているに違いない。
（いい！ けっこういける！ 興奮する！）
思わず征一郎の両肩をつかむ。ロベルトのろっこん「Прекрасный мальчик」の発動条件がそろった。
「……ん！？」
征一郎の体が、衣服丸ごと縮んでいく。ロベルトの所望通り、びしょびしょ美少年の出来上がりだ。
「テメェの仕業か！？」
「いい、すごくいい！」
「ふざんけんな！ 死ね！ クソ変態野郎！」
「その罵倒の嵐がさらにそそる」
「ざけんな早く戻せ！」
ロベルトの腹部を、つま先で本気蹴り。ロベルト、体をよじって咳き込むも、微笑だけは収まらない。
「戻し方は……知らない」
「な……本当に死ね！」
うずくまる背中へかかと落とし。痛みにもだえながらも、それがまたいい、と昂るロベルトであった。
（バイト代出てアイス食べ放題だったから、甘い物好きな彩葉さん誘ってバイトに一緒に来てみたけど……）
（しばっちからアイス食べ放題の美味しいバイトがあるって聞いて参加したけど……）
（（まさか恋人の振りをすることになるなんて））
過剰に意識しあう２人は、池のほとりを視線をさまよわせ歩いている。最初に口を開いたのはしばっちこと拓郎のほうだった。
「なん……か……いつもより……静かだね……彩葉さん」
「え！？ そんなことないよいつも通りだよ私はしばっち！ わにゃははは！」
動揺して笑い方すらままならない彩葉。
「ごめん、まさか……こういうバイト、とは……えっと」
拓郎も、いつも以上に話し方がつっかえがちだ。
「しばっち全然気にしないでいいよ！ ほらアイスも食べ放題だし！ しばっちはそれシラス味なの？ 勇気あるね！」
対して彩葉は、照れると多弁になる傾向にあるご様子。
「商品として……売ってるから……おいしい……はず」
なるべくいつもの調子に戻そうと必死。
「そうだ……シーサイド……駅前、新しい和菓子屋さん……できたよ」
「あーうんうん、前通ると甘いいい香りがするよね！」
「よし……今度一緒に……食べに行こう！」
「ぜひっ！」
お互いの立場を忘れ、いつもの会話に戻れた二人だったが、ふっと現実に返り、目を逸らしあう。二人の間を初夏の風が吹いた。新しい芽吹きを告げる風だ。
「えっと……カップルのフリって……なに……しよう」
「うーん……手とかつなぐ？」彩葉、手を伸ばしかけるが「無理だ、うん、無理だ！」
もうなんかこれから大人の階段登ったりとか喧嘩とか仲直りとか色々あったりとか、明るい未来しか拓けてない二人。
拓郎と彩葉。つまり彼らは【爆発候補生】であった。生かすも殺すも神（＝筆者小西）次第なんだけど、どうしよっか。
「カップルのフリ……彩葉さんと、だから……できるよ」
「私も」
しばっちとだからできる。そう言いたかったが、言えなかった。恥ずかしいからではない。
神の采配が下ったからだ。
二人の視界の脇、耳福池の中央から、得体の知れない黒い物体が、水しぶきをあげてこちらへ迫っている。
「！？」
池のふちまで来ると、物体は速度を緩めずコーナリング。ザッパーンと大きな音を立てて、岩を打つ波のごとく池水の塊が飛びかかってきた。
「きゃっ」短く悲鳴を上げる彩葉に、「あぶ……！」拓郎の長身が覆い被さる。重たいしぶきが全身を濡らした。
「だい……じょうぶ？」
「うん、ありがとうしばっち」
「ああ……」
至近距離で笑いあってから、気づく。きつく抱きしめあっていたことに。
「！？」
反発する磁石のように離れる二人。水浸しになった髪の奥で、彩葉がどんな表情をしているかは見て取れない。
「はは……」取り繕うように拓郎。「アイス……溶けちゃったよ」
「ほんとだね。食べ放題だから、またもらいに行こ」
「うん……」
またなんかいい感じの２人。ていうかさっきの黒い物体について疑問を持てよ。
「「はくしゅん！」」
この池水ザッパーンの被害を被った者たちは他にもいた。
「さっきの何？」
ずぶ濡れロベルト・エメリヤノフ、ウィッグにずれがないかを心配する。
「油断した……」
神嶋 征一郎も同じくずぶ濡れで呆気にとられている。
「アイスも零してべとべとだし……着替えてぇ」
皮膚に張り付いた衣服をつまみながら、「クソだ」「最悪だ」「死んでしまえ」と、思いつくばかりの悪態をつく。
その姿を眺めるロベルトに、一つの想いが芽生えた。
（こいつが美少年だったら……）
想像が想像を呼ぶ。全年齢対象の健全RPGでは到底描写できない世界が、ロベルトの脳内で繰り広げられているに違いない。
（いい！ けっこういける！ 興奮する！）
思わず征一郎の両肩をつかむ。ロベルトのろっこん「Прекрасный мальчик」の発動条件がそろった。
「……ん！？」
征一郎の体が、衣服丸ごと縮んでいく。ロベルトの所望通り、びしょびしょ美少年の出来上がりだ。
「テメェの仕業か！？」
「いい、すごくいい！」
「ふざんけんな！ 死ね！ クソ変態野郎！」
「その罵倒の嵐がさらにそそる」
「ざけんな早く戻せ！」
ロベルトの腹部を、つま先で本気蹴り。ロベルト、体をよじって咳き込むも、微笑だけは収まらない。
「戻し方は……知らない」
「な……本当に死ね！」
うずくまる背中へかかと落とし。痛みにもだえながらも、それがまたいい、と昂るロベルトであった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年06月06日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年06月13日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年06月13日 11時00分
