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水底の廃墟
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読めない古地図を丁寧に折りたたみ、上着のポケットにしまい込む。
「……よし」
香水瓶をぎゅっと握りしめ、地図を読み解くことをあきらめた智瑜は伏せかけた瞳をもたげる。読めないものは仕方がない。
(高いところから見れば交番も見つかるはず)
こんなに可愛い香水瓶、きっと落とし主も探しているはず。
「あっ、お帰りなさい!」
折よく広場から戻ってきた莉鳥を、智瑜は丘の上にある大きな神殿へと誘う。
「地図によると、町の真ん中の階段を登っていかなきゃいけないみたいです」
「……そう」
智瑜の示す先へと目を向ける。数十本もの白い大柱に支えられた白い神殿が見えて、莉鳥は栗色の瞳を細めた。
「行ってみませんか」
「そうね」
神殿へと伸びる白い石段の登り口に辿りついてから、智瑜は小さく首を傾げた。石段の周りの街路にはたくさんの人たちが行き交っているのに、どうしてここだけ人気がないのだろう。
「……あの」
いかにも運動が得意そうな足取りで石段を軽々と上って行く莉鳥の細い背に声を掛けようとして、気づいた。人気のない石段の登り口、黒髪の少女が佇んでいる。
「おや、今日はー」
うなじを隠すほどの黒髪を水に揺らし、ずれた眼鏡を押し上げながら、少女はのんびりと微笑んだ。おっとりとした笑顔で、先を行く莉鳥の背越しの神殿や町を眺める。
「やあ、寝て起きたら綺麗な水の中、とは、なかなか風流ですねー」
ふっふ、と笑う
薄野 五月
に、智瑜は朗らかに頷き返す。
「夢、でしょうか」
みんなで同じ夢を見るということも、この寝子島ではきっとそんなに珍しいことではない気がする。
「さて、……ですが、何やら見覚えのある場所です」
水底の町を見渡し、五月は眼鏡の奥の瞳を嬉しさに細める。以前訪れたときは、町にひとの姿はなく、幻のような魚が泳ぐばかりだった。たったひとり町で遊んでいた少年と、ほんの束の間、かくれんぼをして一緒に遊んだ。
「やあ、それにしても賑やかですね」
ふっふ、と笑みが零れる。青い水の底、人気もなく静かに佇むばかりだった町の様子も風情があったけれど、今日のように白い路地のあちこちを色とりどりの衣装纏った人々が楽し気に歩いているのもお祭りのようで楽しい。
(……でも)
町にはこれだけたくさんの人々で溢れているのに、町の央に位置する神殿に向かう現地の人々が見受けられないのは何故だろう。
(うーん、何かあるのでしょうか?)
不思議に思いながら、水底の町を見回す。上着のポケットを探れば、冬のあの日、この町の住人の少年から貰った蒼く透明な鱗が指先に触れた。
「やあ、」
蒼い鱗を片手に、もう片手で額に手庇をして、五月は石段の上にそびえる巨大な神殿を見上げる。
「こうして再びお邪魔出来るとはとても嬉しいご縁です」
――おれも、楽しかった!
以前のあの日、最後に聞いた少年の声が耳に蘇る。一緒に遊べたことがただただ嬉しそうだった、あの声。大好きなじいちゃんがいるから寂しくないと、大丈夫だと笑っていた少年は、今どこに居るのだろう。
(ユニ君)
再訪の叶った町で、再びあの少年に会いたくなった。探そうと決めて、
(さて、どちらを探してみましょうか)
探すあてはない。それほど大きな町ではないけれど、これだけ大勢のひとの中で小さな少年ひとりを見つけることは難しそうだ。
賑わう街並みに視線を巡らせようとして、掌の中の蒼い鱗に思い至った。これに決めてもらおう。
(表ならあちら、)
神殿を仰ぎ、
(裏ならこちら)
町を見る。青い水の中、魚にしては大きな鱗を軽く投げる。水よりも蒼い鱗は薄い花びらのようにひらひらと水中に踊り、表を向けて白い石畳の上に落ちた。
「……うん」
雪のような白砂が舞い踊る石畳の路から蒼い鱗を拾い上げ、ポケットにしまう。目の前の石段に足を踏み出しかけて、止まる。
(神殿って、神聖な場所ですから)
「お邪魔します」
神社の鳥居をくぐる前のように丁寧に一礼し、今度こそ石段を登り始める。
(寝子島神社の石段よりも長いですね)
地上の階段を登るときと同じような重さが足にかかる。山登りに取り掛かる気持ちに襲い掛かられて、運動が大得意というわけでもない五月は一瞬水中を見上げた。
知っている。跳びあがって両足を石段から離してしまえば、水の中と変わらず重力から解き放たれて自在に泳ぐことができる。
寝子島っ子なだけあって、泳ぐことは得意だ。それにここでは息継ぎの必要もいらない。
自由に水中を泳げる楽さと愉快さにはとてもとても惹かれる。でも、
(せっかく石段がありますもの)
そっと思い直す。ちゃんと自分の足で登ろう。
並んで一緒に登ってくれる智瑜と笑みを交わし、あとはただただ無心に足を動かす。
「えっほ、えっほ」
「よいしょ、よいしょ」
お互いの掛け声でお互いを励ましながら、長い石段を登って登って、
「……おや?」
長い階段の半ば、段の端にぺたりと座り込む銀髪の少女を見つけた。先に石段を登って疲れ果てているのか、白い頬に血の色を透かせ息を乱している。
「あっ、……ごめんなさい、邪魔ですよね」
慌てたように立ち上がるなり、少女は疲れた足をもつれさせた。スカートの端を際どく翻し、前のめりにつんのめる。地上であれば石段を転がり落ちるそのはずが、水の中でその痩身はふわりと浮いた。
「わ、きゃあっ」
水中に舞う己の身に逆に驚き悲鳴じみた声を上げる
塔ヶ崎 璃亜
に、五月は咄嗟に手を伸ばす。細い手首を掴み、羽根を引き寄せるように石段の上に足をつけさせる。
「あ、ありがとう、ございます……」
「いえいえー、不思議空間ですよねえ」
目元からうなじまで真っ赤にする璃亜に何でもないように笑いかけ、五月は休憩がてら足を止めた。
「街があんなに……」
眼下に広がる町の遠さと小ささに、智瑜がふわりと頬を緩める。
(登り過ぎたかな?)
交番らしい建物も見えないし、と首を捻る。けれど、もう少し頑張れば真っ白な神殿に辿りつける。先に登り切っているだろう莉鳥にも追いつける。
「……やはり綺麗な場所ですねー。ふっふ」
どこまでも青い水に沈む白珊瑚の街並みを見晴るかし、五月は楽し気な笑みを零した。
「えっと……」
石段を登って来て息を切らせながらもどこか楽し気なふたりの少女の横顔を見上げ、璃亜はようやく整いつつある呼吸を繰り返す。水の中でフツウに息ができる不思議さにほんの少しだけ、青い瞳を和ませる。
(此処は、)
いつものように冷たい布団に入って、自分の体温で温めているうちに眠ってしまっていたはずだった。それなのに、ふと瞼を開けてみれば、あったのは見慣れた暗い天井ではなく圧倒的なまでに青い水。
(此処は何処でしょう?)
目が覚めてから幾度となく繰り返した問いをまた繰り返す。もしかしたら夢の中なのかもしれないと思って頬をひねってみるも、
(……どうやら夢じゃないようですね)
痛かった。
頬をさすりさすり、水の中を見回す。溺れもしない水中の石段の上で足踏みをする。何度見回しても、不思議な町だった。
「神殿を目指していたんですか?」
智瑜に問われ、璃亜は頷く。賑やかな広場も気にはなったけれど、それ以上に町の天辺の神殿が気になった。
「ですが、階段が長くて……」
色素が薄いせいもあってか、元より激しい運動は苦手だった。休み休み登れば何とかなるだろうと思っていたものの、気づけば足を動かしているよりへたり込んでいる時間の方が長くなってしまっている。
(でも、……)
それでも、賑やかな町の中にあって不思議なほど静かに建つ神殿はどうにも気になって仕方がなかった。
「一緒に行きましょう」
「ふっふ、お手を拝借」
智瑜と五月が左右から伸ばしてくれた手をありがたく掴ませてもらい、璃亜は石段を登り始める。
「よいしょ、よいしょっ」
「えっほ、えっほ。はーい、ご一緒にー」
「えっ、あっ、……えっほ、えっほ」
声を掛け合いながら白い石段を登り切ったその先には、見上げるほどに巨大な純白の神殿。柱に屋根に青の波紋を揺らす神殿の前に立ち、
「すみません、」
智瑜は思い切って声を張る。
「誰かいますか?」
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コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
前回シナリオ
水底の町
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月22日
参加申し込みの期限
2017年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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