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螺旋階段の家
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一歩踏み出した足から、ぶわりと埃の舞う気配がした。
次の瞬間には、その身が立ち入った重くカビの臭いがする空気の濁りが、一気に
八神 修
の肺を浸蝕する。
「マスクを持ってくるべきだったな」
思わず眉根を強く寄せて修が呟いた。古い木とカビの臭いに呼吸が苦しい。
だが、建物の外観上、より酷い状況を覚悟していたことが幸いしてか、現状それほどのものではないとも思える。
「……。もしかして噂で人が立ち入っているから、空気が入れ換えられているのか……?」
修は不法侵入もやむなしという判断だったが、それよりも前から噂は広がっていた。しかし、郵便物は取り込まれてすらいない。ということは、
「無人は、確定か」
修は改めて辺りを見渡す。
そして、これが和邸でなかったことに感謝した。
割れた窓から薄光が差し、埃を燦めかせているこのような環境下で、靴を脱げというのは、流石に誰にとっても酷なことに違いなかった──
◆ ◆ ◆
怪しかった雲行きから、ついにポツポツと雨が降り始め。次第に空一面を黒く覆い尽くして、激しい雷雨となった。
「うわっ、雨降ってきた」
九夜山の山中、螺旋階段の家へ訪れようと歩いていた
桜庭 円
は、一気に雲行きが怪しくなった空から強い雨の気配を感じていた。
そして数十秒ともたずに、案の定降り始める雨。
雲の様子を見るに、この雨が強くなることはあってもしばらく止むことはなさそうだ。
円は、目的地の玄関先である、ボロボロの屋根の下に飛び込んで、何とか一息ついた。
屋根には穴も空いているが、雨宿りする分には何とか困らない範疇である。
「んー、これは誰の所有になってるんだろうなぁ……」
見上げながら呟く。しかし、強くなる雨は、その探索の自由をより一層狭めるようだった。
「よしっ、もう中に入っちゃおう。中に入れば何か分かる事もあるはずだし」
そして円は、一度決めた事には躊躇うことなく、振り向いた先の玄関扉を大きく開き、建物の中へと進んでいく。
◆ ◆ ◆
円が屋敷に潜入した後。
雨脚と遠雷の音が見る間に激しくなり、ついには空一面を夜に近しいくらいに黒く覆い尽した、激しい雷雨となっていた。
「ひどい、雨……!」
空が雷で光り、そのうえ土砂降りとなった雨の中を、リュックサックを背負った
マリエッタ・ラシュリエ
が屋敷の玄関前に向かって飛び込んでくる。
普段のふわりとしたエアリーボブの髪は雨でぐしゃぐしゃになり、衣服もリュックも水をびっしり吸ってとにかく重たい。
リュックを下に降ろせば、背中までしっかり濡れていることにげんなりする。
「まったく……大変な気分転換になったわね」
マリエッタは、木天蓼大学大学院の理工学研究科博士前期課程に身を置く院生だ。研究に少し行き詰まり、頭を少し切り替える為に、日帰りで九夜山にハイキングに来ていた最中。
午前中は晴れていた。しかしそれがどうしてこうなったのか。
「ついてない……」
リュックから身体を拭く為のタオルを引っ張り出せば、かろうじてまだ濡れていない部分があった。
完全に中の荷物全てが濡れていない事が幸運に思えたが、とにかく不意打ちでこれは酷すぎる……マリエッタは、身体どころか心までびしょ濡れになりながら、深いため息をついた。
その瞬間──ふと、
ニャーン……
小さいがはっきりと耳にした、もの悲しい猫の鳴き声。
「猫……?」
マリエッタはその声を確認するように、玄関扉をじっと見つめる。
ニャーン……
もう一度、猫が鳴く。
それは、あまりにも物哀しく響く声。
気がつけばマリエッタは、それに誘われるように、ドアに手を掛けて、ふらりと屋敷の中に足を踏み入れていた──
◆ ◆ ◆
予想以上に広さを感じる屋敷内。
修の目に入ったホールの奥中央に『螺旋階段の家』という噂の名称元になったと思われる、巨大な螺旋階段が見受けられた。
修は一階の各所を、一つ一つ丁寧に確認していった。
居間らしきところでは、複数の椅子の上に一つだけ乗っていたクッション。ふと、目線を走らせれば大きな絵画に、猫と共に描かれた老人の姿があった。
「他に家族の写真らしき物もない。これがこの家の主人の絵だろう、か……?」
そう思い口にした瞬間──絵画の中の猫が笑った。
修に目を向けて明らかに嗤った。
そして、絵画から人体とは思えない長さの手が、一気に修に向かって飛び出してくる。
修は咄嗟に身を翻して部屋を飛び出して走り始めた。それでもまだ伸びて来る手腕。かつては無かった健常な高校生の速さによる全力疾走であっても、修が走るスピードよりも、圧倒的な速度で。
「……!」
捕まる──本能がそう察した瞬間、
手首から何か弾ける音と共に、甲高くもおぞましい悲鳴が聞こえ、そのまま建物は静寂を取り戻した。
「……何?」
気配がなくなった事を感じ、勇気をもって修が振り返る。
そこには何もなかった。
ただ、駆け抜けてきた廊下で付けていた念珠が散って、珠が無残に転がっていた。
「……なるほど。
調べるにしても警戒した方が良さそうだ」
それからの修は、コンピューターの如く、その頭脳をフル回転させ情報集積に集中した。
今、身を守る品は御札のみ。それを踏まえ、慎重に探索を再開する。
広い屋敷の中に、電話があるのを見つけた。しかし、情報の宝庫であるアドレス帳を見つける前に、コードの見当たらない繋がらないはずの電話が鳴り出し、明確な怪異に触れて先程と同じ轍を踏む訳にはいかないと、修は急ぎその場を離れた。
そして広いキッチンの洗い場で目にしたものは、洗われずに乾燥しきった一組の食器と、ペット用の食事の器が一つ。
戸棚を開ければ何が出てくるか分からない以上、物を動かす事を極力控える。
そのままキッチンを一巡りすれば、最初から開き放しだった戸棚の上に、キャットフードの袋が無造作に置いてあるのを見つけた。
こうして、修はそれまでに得た情報を纏め上げる。
「猫が一匹、住人も一人。食器も洗われることなく、玄関の封筒の様子からも……家を出たとは考え難い」
食器はかくも雄弁である。そう思いながら、修は最後の一つの事項を確認する。
「そして。
ここには、明らかに人に害を与える怪異がいる。
──退治する必要があるだろうな」
それを、修は小さく、しかしはっきりと宣言した。
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シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月18日
参加申し込みの期限
2017年08月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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