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ラブ☆部活&同好会デー
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北校舎一階の特別教室。その一角には畳が敷かれ、
伊勢 エリカ
が正座の姿勢で花器に花を生けていた。花鋏が凛とした音で枝を切り、彩りを添えていく。本人も青地の着物に大小の花を散らして艶やかに染められていた。
絵画のように美しく、穏やかな時が流れている。楚々とした振る舞いは鏡面に等しい湖面を思わせた。
――また勧誘の時期が巡ってきたか! 時が過ぎるのは早いな!
すっと瞼を閉じる。窓の方に耳を傾けた。
――ここまで賑わいが聞こえてくるではないか。華道部も、この大きな波に乗らねばな!
眦を決して花器に向き合う。最後の一挿しに思いを巡らせる。枝を持つ手が微かに震えた。
――茶道部に提供する作品だ。一切の妥協は許されない! 華道部の宣伝に手を抜かれては堪らないからな!
一瞬で迷いは払拭された。まるで定位置と言わんばかりに雪柳が収まった。
ドアの方から拍手が送られた。エリカは正座を崩さず、手で向きを変える。
本条 小萩
と
丹羽 紅葉
が揃って入ってきた。どちらも着物で個性を表していた。
小萩は紅花で染めたような生地に花々を散らした図柄であった。手にはビニール袋を持ち、チラシの束と香り袋を収めていた。自信に満ち溢れた顔で上下に振る。
「最後の雪柳が全体を纏めて美しさを際立たせています! 美の女神に見初められた小萩が軽く動揺したのです!」
言いながらビニール袋を振る。青い瞳をエリカに向けて懸命に振り続けた。
「本条、チラシは完成したのだな!」
「当然です! 『スーパーレジェンド伝説ko-ha-gy』を制作した天才漫画家の小萩に不可能はないのです!」
「そうか、さすがだ! あと、それだ。その行動に意味はあるのか?」
紅葉がはにかむような表情で前に出た。柔らかい綸子に新緑が目に優しい。麻の葉や青海波が精緻に描かれ、亀甲と花模様が散りばめられていた。締めている帯は淡い鴇色で椿や牡丹、桜等が古式ゆかしい風情を醸し出している。
「チラシに香の匂いを移して配ったら、華道部らしさが出るような気がして。本条さんにお願いしました」
丸く結い上げた赤い髪に、そっと指先を当てて恥ずかしそうに横を向く。お太鼓結びに初々しさが滲み出る。
「なるほど、よく考えたな。二人に負けないように私も今以上に頑張らないといけないな」
エリカはすっくと立ち上がる。
「決戦の場に出向くぞ!」
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花を地でいく小萩の魅力に期待していいのです! あくまでメインはお花なので出張り過ぎずに勧誘に励みます。そうでした! 小萩自体が大輪の華なので、そこの部分は許して欲しいのです!」
「私は着物姿をアピールして、チラシを配るね」
自身を鼓舞して三人は一斉に動き出した。
北校舎を出ると各々がチラシを手に小股で歩く。
紅葉が遅れた。他の二人とは違って別の方に目を向けていた。
「あの、剣崎さん」
「私のサインが欲しいなら手続きを踏んで欲しいわね。エレナ部への入部は歓迎するわ」
剣崎 エレナ
が悠然と振り返る。朝陽を受けて黄金に輝く縦ロールは鉄壁で崩れることはなかった。
「丹羽さんだったのね」
「剣崎さん、手が空いていればだけど、勧誘を手伝って貰えないかな、と思って。私、口下手だから……」
エレナは腕を組んで紅葉の姿を見た。
「着物姿ではバレエの力も発揮できないわね」
「そう、ね。だから剣崎さんに」
「踊って欲しいのね」
「え、あの、それは?」
困惑を隠すような笑みで紅葉は少し後ずさる。反対にエレナは前に出た。紅葉の手を握ると賑わう通りに向けて前進を開始した。
正門から止めどなく溢れる生徒に勧誘の声が襲い掛かる。至る所で揉み合いが起こり、活気に満ちた祭りの喧騒にも似ていた。
エリカは目の当たりにした。上気した顔が小刻みに震える。
「見ているだけで血が滾るではないか!」
エリカは声を上げた。隣にいた小萩が大きく頷いた。
「小萩の主戦場に相応しいのです!」
二人は勢い込んで参戦した。
愛用の耳付き帽子を被り、
パトリシア・プロウライト
が元気に走る。目を輝かせて寝子島高校の正門に滑り込んだ。
すでに生徒達で溢れ返っていた。パトリシアの笑顔が弾ける。大の字となって垂直に跳んだ。
「ひゃっほーう! 先輩方がたくさん! 制服がたくさん!」
目移りする状態となった。帽子の耳が激しく振られ、好奇心が抑えられない子犬の姿で混雑の只中に突っ込んでいった。
――皆の情熱がギュウギュウに詰め込まれて、キラキラですよー。
白い歯を見せてとにかく笑う。目の動きが慌ただしい。
「キラキラ? キラキラは……」
渋い顔で口をもごもごさせる。思い悩んだ末、ぱっと笑顔に変わった。
――頑張ってるってことよね!
頻りに頷いて羨ましそうな顔を周囲に向ける。何かを我慢しているかのように著しく落ち着きを欠いた。
――うーん、いいなぁ、いいなぁ! パティさんも青春したい!
凛々しい剣道着に、あはー♪ と笑みを零す。サッカーのユニフォームには胸を躍らせた。執事服には、きゃー♪ と黄色い歓声を上げた。
視点が定まらず、ふらふらと歩く。酔っ払いのような状態となった。
――文化部の制服姿もいいし、運動部のユニフォームもいいよね~!
同じ制服なんてどこにもなくて、学校の個性が盛り込まれているからトキメキが止まらないよ~!
千鳥足が酷くなる。泥酔状態に見える。
――こんな時には大人の意見が参考になるよね! マルクに聞いてみよう!
大勢の生徒に囲まれた中、パトリシアはろっこんを試みる。
「ねぇねぇ、マルク、どんな部活がパティにいいかな~」
帽子に呼び掛けることでろっこん『いつでもいっしょ』が弱いながらも発動した。
「え、なに? よく聞こえないよ」
マルクの微弱な声は雑踏に掻き消された。パトリシアは道の端にしゃがみ込んで、同じように聞いてみた。
すると小さな声を辛うじて耳が拾った。
「……好きにしろ」
「たった、それだけ!?」
いくら呼び掛けても返答がない。ろっこんの効果は切れていた。
「そんなこと言われても~」
渋々と立ち上がる。そこに飛び込んできた。目を見開いた状態で、えー、と間延びした声が漏れる。
制服姿でエレナが跳んでいた。前後に開いた足は水平に近い。跳躍を繰り返し、にこやかな表情で生徒達を見下ろした。
――凄いけど、意味がわからないよね!
思いつつ、近づいていくと目に優しい新緑が見えてきた。赤い髪を丸く纏めた紅葉が恥ずかしそうにチラシを配っていた。
「華道部です。よかったらチラシを……お願いします」
「甘い砂糖に群がる黒い蟻のようにチラシを持っていくのよ」
上からの声に紅葉は萎れたように身体を縮めた。先程よりも小さい声でチラシを差し出す。その主従関係を憐れに思ったのか。ほとんどの生徒が素直に受け取った。
「頑張ってください」
中にはそのような言葉を残す生徒もいた。
パトリシアは紅葉の着物を棒立ちになって見詰める。
――デザインがカワイイ! 着物は日本女性のユニフォームだね!
意識をエレナに向ける。躍動感に溢れる踊りで周囲の目を引き付けていた。間近にいた紅葉の可憐な態度が際立ち、生徒達を引き寄せる。今も対応に追われていた。
「華道部は北校舎で体験入部を、え、踊りはありません、ごめんなさい。詳しいことはチラシに……はい? チラシの匂いはお香です。喜んで貰えたら嬉しいわ」
紅葉は柔らかい笑みを見せた。
「良いコンビだね!」
パトリシアは色々な勧誘を見て回る。やはり制服には弱く、よろよろと酔っ払いの姿で立ち寄った。
花椿 涼太郎
が人波に翻弄されていた。自由の利かない状況で微笑んでいる。全てを受け入れると言わんばかりに両腕を広げた。
――僕の美しさに惹かれて生徒達が熱狂しているね。燦然と輝く太陽に憧れ、身を焦がしても近寄りたいと思わせる、この完璧な美は、なんて罪作りなんだ。
「ほんの少しの間、君達にこの身を捧げよう」
場違いな甘い囁きに周囲の目が集まる。その中心で涼太郎は慈愛に満ちた表情を浮かべた。太陽とは真逆の震えを周りに引き起こした。
涼太郎は身体の自由を取り戻した。生徒達の怯えるような視線に微笑みを返す。
――わかるよ。今頃になって僕の美しさの一端に触れた影響が出始めたんだよね。でも、安心していいよ。その怖さは感動に由来するものだからね。
口元が緩んだ。
「は、はは、はーはっはっはっは!」
突然に笑い出した。黒い海が避けるようにして細い道が現れる。
「美が作り出した奇跡だね」
涼太郎は細い道を悠々と歩いた。赤い着物がちらちらと目に入る。
――僕が好きな薔薇のように赤いね。
少し向きを変えて近づいていくと小萩であった。生け花の素晴らしさを滔々と語り、透かさずチラシを渡す。
「そこにいるのは本条くんじゃないか!」
声に気付いた小萩が背伸びをした姿で手を振った。
涼太郎は足を速めた。距離が近づくに連れて眼差しが優しくなる。
「今日は着物姿なんだね。美しさと愛らしさの調和が素晴らしいね」
「涼太郎さんの美を見抜くセンスに脱帽です。今日は華道部としての活動です」
「そうか、本条くんも部活動を謳歌していたんだね」
愛ずるような目で口を閉ざす。
――実家の駄菓子屋の手伝いが忙しくて部活は考えていなかったな。
少し時間に余裕が出来た今ならば……。
一見すると悩んでいるような涼太郎の姿に小萩がやんわりと問い掛ける。
「華道部、どうですか? 綺麗なお花がいっぱいですよ」
「綺麗な花か。僕が好きな赤い薔薇もあるかい?」
「あるのです! 季節に合わせたお花を取り揃えています! オスカー・ワイルド曰く『自然は芸術を模倣する』のです!」
小萩は熱く語る。持っていたチラシの束で自身に風を送った。涼太郎は耳にした言葉をゆっくりと味わう。
「自然の美もいいけど、人の手によって創り出される美も捨て難いね」
「小萩達のような美の求道者にとって、美しいものに触れる機会は大切なことです」
自身に言い聞かすように言った。
「そうかもしれないね。僕も体験入部に寄らせて貰うよ。チラシ、頂いてもいいかい?」
「読み物としても楽しめます」
受け取ったチラシからほんのりと香り立つ。自然と呼吸が深くなる。
「大自然の懐に抱かれた、そんな香りの中でチラシを楽しめるとは思わなかったよ」
涼太郎は軽く手を挙げて歩き出す。すぐに振り返って小萩に言った。
「生け花で椿はあるのかな」
「藪椿があるのです。普段は椿という名で扱っています」
「それを聞いて安心したよ。僕は椿も好きだからね。苗字が花椿だから、という訳ではないよ。神様の気紛れさ」
どこから取り出したのか。涼太郎は一輪の薔薇に鼻を寄せる。泣きぼくろのある左目でウィンクをして去っていった。
エリカは二人の部員の勧誘をそれとなく見ていた。それでいて華道部の部長として他の生徒達に接し、聞かれた質問に適宜、答えてゆく。青い炎のように熱さを裡に秘めてチラシを配る。
手持ちのチラシがなくなった。掌の残り香を胸いっぱいに吸い込んだ。
「部員の頑張りに報いないとな!」
青い空に誓うのだった。
貴家 衿花
は気難しい顔で立ち止まる。目の前のグラウンドでも勧誘は行われていた。受け取ったチラシをぱらぱらと捲る。思案する間、ポニーテールがゆらゆらと動く。本人と同様に迷っているようだった。
衿花は眼鏡の奥の目を軽く指で揉んだ。少し顔を上げて溜息を吐いた。
――希望する部があるわけじゃないけど、全く興味がない訳でもないからタチが悪いわ。強いて言えば女の子らしい部になるのかしらね。尖った心を丸くして、出来れば女子力も磨きたいというか、女の子らしい物を身に着けてみたいというか。
軽く頭を振った。
「泥沼の思考に嵌っていくわ」
一瞬、動きが止まった。また頭を振る。
――家庭科同好会には眼付きの悪い先輩がいたわね。それなら着物姿でチラシを配っていた華道部か。踊っていた人は考えないようにして。
「まずは動かないとね」
ミミ・アハユル
は一人でグラウンドを眺めていた。アップ気味のポニーテールに褐色の肌は陸上部員を思わせる。引き締まった腰が肉感的なので見た目の判断には大いに迷う。実際、陸上部員が悩ましい顔で通り過ぎていった。
「フラダンス部はナッシングなのね」
左手のプールに目をやる。諦めきれないという表情になり、前のめりで歩き始めた。
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日常
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定員
1000人
参加キャラクター数
85人
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シナリオガイド公開日
2017年08月13日
参加申し込みの期限
2017年08月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月20日 11時00分
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