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ラブ☆部活&同好会デー
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三折部 朝衣
は部屋にいた。両脚を投げ出した姿で座っている。セミロングの髪には軽く寝癖が付いていた。ぼんやりとしながらも、たまに掌を当てる。頭の中に捻じ込むようにグリグリと押した。ぱっと離して、そっと掌を近づける。反り返った毛先が当たった。
不貞腐れた表情で真横に倒れた。寝癖の付いた方の頭を下にして横向きになる。微かに開いた窓から緩やかな風が入ってきた。とろんした目は何も見てはいなかった。
静かな寝息が聞こえてきた。表情が明るくなる。開いた口は笑っているようだった。
「……良い波が……もっと、大きな……エアーを……」
瞼に力が入る。かっと見開いて上体を起こす。強い瞬きが意識を急速に引き上げた。
「もったいないわ!」
着ていたジャージを脱ぎ捨てた。押入れを探ってウエットスーツを引っ張り出す。
急いで着替えて上からシャツとパンツを穿いた。
「行ってきます!」
元気な声で家を出た。手に提げていたサーフボードケースは肩に引っ掛けて海へと走って向かう。
口から小刻みに息を吐く。軽いジョギングは海が見えた瞬間、ランニングに変わった。最後は短距離走で砂浜へと駆け込んだ。ケースからサーフボードを取り出して砂地に刺す。
ウエットスーツとなってストレッチを手早く済ませる。ウォーミングアップに時間を掛けた。
サーフボードを脇に抱える。
「行くわよ!」
リーシュコードを蹴り飛ばす勢いで走り出す。波頭を踏み付けてすぐにサーフボードの上に腹這いとなった。全力のパドリングで沖に出た。そこで小さな波を遣り過ごす。波間をしばらく漂って遂に大きな波を捉えた。
「いいよ、いいよ!」
興奮した声を上げて波に乗る。全身に風を受けながら斜めに下りる。限界まで粘ってボトムターンを決めた。波の頂点に舞い戻り、勢いに乗って下った。最後は頭から海に跳び込んだ。
何度も波と戯れ、やがて凪の状態を迎えた。サーフボードを脇に抱えて砂浜に戻ってきた。すぐに防風林から現れた黒い集団に目がいく。
見知った顔を見つけたのか。朝衣は早足で近づく。表情が和らいで駆け足となった。闖入者の扱いにならないように笑みを心掛ける。
「皆さん、こんにちは。あたしはサーフィン部のOGよ」
直後に
鎌八 まもる
に詰め寄った。
「どうして平日にこんなところにいるのよ」
「今日は『ラブ☆部活&同好会デー』ってことでサーフィン部の体験入部で海にきたんだ。オレとしては平日に役場をサボって、波乗りしている悪い大人の方が気になるよ」
「あたしはね、ちゃんと休暇を貰ってるから大丈夫なのよ。それで今日は海で何を教えるつもり?」
「パドルだよ」
一言で答えた。朝衣はにやりと笑った。
「基本が重要ってことよね。人数も多いみたいだし、あたしも協力するわ」
「その時はよろしく」
話が終わるとまもるは生徒達に向き直った。ウエットスーツに慣れていない者は手足を伸ばすような格好をしていた。
「クラブハウス『Fish New Club』でスーツとボードは借りてきた。ウォーミングアップも済ませている。パドルの方法も教えた。あとは遠泳レースに臨むだけだ」
「パドルって手で掻いて進むだけじゃないですか。詰まんなくないですかねぇ」
男子はサーフボードを砂地に立てた。気怠そうに寄り掛かって不満を露わにする。
まもるは朗らかな笑みで言った。
「パドルの練習だけだと面白くないからレースなんだよ。それにだ、パドルで速いとバンバン波に乗れる。競技なんかでも有利になるぞ」
「わかりますけど、亀みたいな格好で必死になるって、ビジュアル的にどうなんですかね」
「ウミガメに勝てるようなパドルができたら、きっと世界を狙えるぞ」
まもるは爽やかにウィンクをして見せた。
「パドルレースか」
高杉 かよう
は手にしたサーフボードを見た。リーシュコードは足首と繋がっている。横にいた
ミミ・アハユル
が下から顔を覗き込んだ。
「かよう、どうかした? もしかしてレースが嫌になったとか……」
「そんなことはないがパドルってのは初めてだからな。それよりも本当に俺と勝負するつもりなのか?」
「それは当然として、勝ちにいくわよ」
ミミはポニーテールをリズミカルに振る。
「単純な腕力勝負で俺に勝てると思うなよ」
「ミミのハワイ魂を見せ付けてやるわ」
二人の闘志が燃え上がる中、まもるはコースの説明をした。
生徒達によるパドル遠泳レースの時が迫る。
まもるはサーフボードに乗って海上にいた。沖の辺りには朝衣がいて後ろを見る。波を探しているようだった。
生徒達はサーフボードを抱えて横一列になって合図を待っている。
「パドル遠泳レースの始まりだ! レディー、ゴー!」
まもるの声で生徒達が一斉に走り出す。波飛沫が上がった。脚力の優れた者からサーフボードに腹這いになった。両腕を海中に入れて力強いパドルを開始した。
かようは先頭に立った。全力のパドルは易々と他の男子に抜かれた。
「なんでだ!?」
「かよう、テールがふらふらしてるよ。フラダンス踊ってるみたい」
にこやかな顔でミミが真横に付けた。
「真っ直ぐに進まねぇんだよ」
「腕の力が違うからだね。左をもっと力強くしたら安定すると思うよ」
ミミは少し前に出た。教えられたコースに従って右手に緩やかに曲がる。
「絶対に負けねぇぞ!」
かようが追い掛ける。サーフボードの揺れは小さくなった。左腕を意識して動かす。
別のところからまもるの声が聞こえてきた。
「海水を掴んで掻く感じだ! もっと大きく、腕全体で! 脇は締めろ!」
「そういう感じでやればいいんだな」
かようはまもるの言葉を取り入れた。サーフボードは安定してノーズが小さな波を切り裂く。先行するミミとの距離が縮まる。両腕に更なる力を送り込む。
横に並んだ。かようは少し目を怒らせた。
「本気の勝負じゃなかったのかよ」
「手加減なんてしてないって。ハワイでサーフィンはしてたけど、ここまでパドルをしたことはないよ。もう、腕の感覚がなくなりそう」
ミミは笑いながら両腕の力を抜いて流れに任せた。
「そうなのか。俺はそんなに疲れてないんだけどな」
「かようはベースボールで鍛えてるよね。ミミはサーフィンをしてたからパドルは得意なんだけど、時間が長いとそうでもないみたい。でも、勝負は負けないよ」
「俺も調子が出て来たし、これからだな!」
遠目に見ていた朝衣は目を細めた。
「青春よねぇ」
その直後にはっとする。
「まだ、あたしも若いんだけどね!」
近くに人はいない。言葉は波に呑まれて消えた。
まもるは生徒達と共にパドルで進んだ。周囲の様子に目を配る。
「そこの赤ウニ君!」
赤みがかった短髪の生徒に声を掛けた。
「僕ですか?」
「そうだ、君だ! 掻く手はS字じゃない! ボードが安定しないから真っ直ぐを意識して!」
「やってみます」
見る間にボードは安定した。推進力を得て速度が上がる。
「良い感じだ! そのままをキープな!」
まもるはパドルで他のところへと向かう。
「皆、筋がいいな」
自然に笑みが零れた。
決められたコースを全員が一周した。まもるは自由時間を与えた。
何人かは砂浜に戻って仰向けに倒れ込んだ。サーフボードの上に立とうとして引っ繰り返る者の姿が多く見られた。
かようとミミはスタート地点に戻っていた。
「アハユル、もう一勝負しようぜ!」
「いいわよ。一人ならしないけど、二人でするパドルレースは楽しいね!」
目を交わした二人は一斉に走り出した。
太陽が大きく西へと傾く。オレンジ色の光が拡散されて雲は焼き立てのパンにそっくりだった。見上げた何人かは切なそうな顔をする。
頃合いと思ったまもるは全員に伝えた。
「体験入部は終わりだ! クラブハウスに戻るぞ!」
「わかりました!」
「すぐに上がります!」
あちらこちらから声が届いた。
まもるは全員が揃ったのを確認して移動を開始した。
クラブハウスには
新井 すばる
と
神野 美野梨
の姿があった。海側のテラスでバーベキューの調理に精を出している。網で焼かれた野菜や肉が生徒達の胃袋を鷲掴みにした。
すばるはまもるに笑い掛ける。
「ようやく帰ってきたね。食べ頃だよ。タレも用意してあるよ」
「ありがとう、助かる。肉も野菜も美味そうだが、この竹輪はなんだ?」
「バーベキューに竹輪は付き物だよね」
すばるは笑顔で押し切った。
全員に紙皿が渡った。肉と野菜、それに竹輪が盛られ、賑やかな夕餉を迎えた。おかわりをする者が続出した。一番人気の肉は争奪戦となった。脇役に思えた竹輪も奪い合いに発展。その中には朝衣の姿もあった。
「それはあたしの肉よ!」
すばるは嬉しそうな表情で竹輪を頬張る。
腹が満たされる頃、太陽は水平線にぶつかって柔らかくひしゃげた。飛び散ったオレンジ色は冷えて緋色が混じる。
ミミは懐かしそうに海を眺めていた。かようは隣に来て同じ景色を目に入れた。
徐にポニーテールを解いた。軽く頭を振る。
「今日は楽しかったわ。フラダンス部がナッシングなのは残念だけどね」
「そうだな」
耳にしたすばるは急いでクラブハウスに駆け込んだ。そしてウクレレを手に戻ってきた。弦を指で弾いてアロハ・オエを奏でる。
ミミは目を丸くしてすばるを見た。優しい目が踊りを促す。
「ミミ、フラダンス踊りたくなったよ」
「え、ここで見せてくれるの?」
かようは驚きながらも笑みを浮かべる。
「そうよ。皆もいいかな?」
「いいよー!」
「見たい、見たい」
他は熱烈な拍手で意志を示した。
優しいウクレレの音色の中でミミはフラダンスを披露した。鮮やかな夕陽を背中に浴びて柔らかく踊る。時の流れが緩やかに感じる。見詰めていた生徒達の顔が赤く染まってゆく。
かようは放心した状態で口にした。
「……これがフラ。南国みたいに暖かくて、夕陽が……とても綺麗だ」
ミミは肢体をくねらせて妖艶に踊る。
朝衣の歌声が静かに流れてきた。ウクレレの伴奏と共に一人の踊子を守り立てる。
美しい煌めきの中、ラブ☆部活&同好会デーは終わりを迎えた。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
ラブ☆部活&同好会デーという教頭の思い付きシナリオ、遂に完成いたしました!
長い道程でした。汗水は垂らしませんでしたが、途中で風邪を引いて鼻水は垂らしました!
全力で突っ走った結果、無事に完走しました。皆さんのリアクションに大いに助けられました。
少しリアクションの内容に触れておきます。部や会にはっきりと入る意志を示したPCさんもいれば、
保留のような形でとどまったPCさんもいます。アクションに書かれた内容を踏まえて私が判断しました。
ご自身の所在を明確にしていないPCさんは、部や会のコミュニティに希望を書いて頂きますと、
入ったことになります。もちろん、体験入部を経て「入らない」を選択しても構いません。
本人の意志が、一番、大切と考えています。
アクションの選択肢は二つまでとなっていましたが、リアクションでは例外も含まれています。
逆に一箇所の希望のPCさんが、複数で登場する場合もあります。自然な流れを心掛けました。
そのように強く信じて下さい! 信じる者は時々、救われるのです! はい、綺麗に纏まりました(滝汗)。
最後になりました。今回のシナリオに参加して下さった全ての方々に厚く御礼を申し上げます。
お前ら、最高に弾けていてカッコ良かったぜ(おおおい)!
このようなお調子者の私ですが、これからも末永くよろしくお願いします。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
85人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月13日
参加申し込みの期限
2017年08月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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