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魔女の咬み痕
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【西館一階講義棟】
闇に染まる水面を揺蕩うそれらはまるで天に瞬く星々のようで、あるいはそこを航行する宇宙船をも思わせた。人間の感性に訴えかけるかのように人型をしたそれらの異形は、美しく七色にきらめいている。
しかし目を奪われればその刹那に、奴らは容易く人体をひしゃぐ。
「がっ、あああああっ」
「ジャックさん!!」
志波 武道
の眼前で、ジャック・マクマスターの左腕はあらぬ方向へ折りたたまれた。
武道が揃えた指先を異形の首筋へ叩き込むと同時に彼は解放されたが、その左腕がもはや役目を成さないことは明白だ。武道は自身の理性までもが折り曲げられたような錯覚を覚え、こみ上げた吐き気をすんでのところで飲み下した。
「だ……大丈夫ですか!?」
「ぐ、うッ……くそっ、これほどの災禍とは……! 恨むぞ、マッケラン……」
ジャックは吐くように何かをつぶやきつつ、右手に握った剣をやみくもに振るい、武道が引き剥がした人型を四つに裂く。
が、暗く長い廊下の向こうへ視線を投げれば、同様の異形がいくつも水をかいてにじり寄るのが嫌でも目に入った。
「これも、『レッドヒル・マリー』の所業なのか。何とおぞましい……」
「レッドヒル……赤い、丘? 坂? 誰なんです、それって……?」
身構え、異形を迎え撃つまでの僅かな間に、武道は額に脂汗をにじませたジャックへ問う。彼には当然にして迅速な治療が必要だが、その隙も道具も今の彼らは手にしていない。
「魔女だ……稀代の。神秘大学が開かれて以来、他の追随を許さない天稟の持ち主だと聞いた……、来るぞ!!」
異形は群れとなり、押し寄せる。
「……私が囮になる! みんなはその隙に仕留めて!」
香月 良衣
の覚悟は悲壮というより、この場にあってなお前を向いた勇猛として彼らの目に映った。
良衣のろっこんは自身や周囲に渦巻く負の感情を、自らの身体能力として転化する。しばし目を伏せ意識を集中し、にわかに宿った剛力で異形の腕を捕らえ、抑え込む。そうしている間は少なくとも、仲間たちの命が伸びた。
「よし……良い気概だ、ライ。そのままだ、そのまま捕らえていろ……」
良衣の捕らえた人型の頭頂へ、ジャックは剣を真っすぐに突き込む。
(……ああ。そっか……まだ英雄って言葉に、憧れてたんだ。私)
良衣の足を前へと踏み込ませたのは、持ち前の精神力のみに依るところではない。片腕を折られながらも退くことなく、そればかりか口元へシニカルな笑みさえ浮かべてみせた男の姿は、良衣の胸の奥へくすぶっていた感情を打った。
良衣は奮い立った。
「ああ、ずいぶんリアルな夢だなぁ。どうもこれ、戦えるゲームみたいで良かったけど……この、このっ!」
椅子か机の成れの果てといった木切れを振るい、
史越 奈津樹
もまた良衣が押し留めている異形を打ち据える。
彼は未だ、判別を付けかねていた。
すなわち、これは夢か。否か。あるいは彼の好む、デジタルゲームの中へでも迷い込んでしまったのだろうか。
「……ナツキ」
「この、このっ……あ、はいっ?」
不意に、ジャックは彼を呼んだ。
剣を異形へ突き立てたまま、彼は右手で腰のベルトを外すと、無造作に奈津樹へ差し出す。
「え……これは?」
「俺は今、左腕が使えん。腐らせておくことも無いだろう……使え」
受け取ると、いささか古めかしくも、回転式拳銃の重さは奈津樹の両手へのしかかる。託す、と言っているらしい。
奈津樹の思考はそれでもなお浮ついてはいた。しかし武器の重さは少なくとも、彼へ深刻な現実の一端を伝えたようだ。
「分かった。借りますよ」
「よし……使い方は分かるな?」
口を開く代わり、奈津樹は引き金を二度引き絞り異形の頭部を撃ち抜いてみせた。
「レッドヒル・マリー。ね」
良衣と並ぶように、
朝鳥 さゆる
はやはり椅子の切れ端のような木切れを手に、人型の伸ばす腕をしのいでいる。
きらめく異形に悪意や敵意の類は無いのか、彼女のろっこんはその発動条件を満たさなかったが、さゆるにとってそれはあまり関係がない。戦いの果てに生きるも死ぬも、さゆるにはさして興味のないことだ。
ただ、それでも疑問はあった。
「魔術、とさっき言っていたけど。こんな化物を生み出す魔術って、何なのかしら?」
マリーとやらが何者かは分からずとも、彼女にはどうやら多くの敵が存在したことは推測できる。
その全てを無に帰すほどのいかなる儀式を、彼女は行ったというのだろう。
「彼女は一体、何をしたの?」
「それは……分からん。聞いていないんだ」
ジャックが答えるとさゆるはそっけなく肩をすくめ、木切れのささくれた先端を人型の眼孔へと一分の躊躇いも無く突き立てた。
群れが途切れる気配はない。
【東館三階実験棟】
薄い金属板をもったいぶりながら擦り合わせるような音。やがて、凛として響く音へと変わる。
「冗、談じゃないわよ……何なのよ、あれは!?」
シモーヌ・デュボアの喚き声すらも、繰り返されるそれら一連の連なりによってかき消された。
しゅ、りん。しゅ、りん、と。
左半身を巨大な蟹に寄生されたかのような、恐ろしく左右のバランスを欠いた男だった。はさみ男とでも呼ぶべきか。まるでシオマネキだ。
「く、くそっ、あんな、あんなもので……斬られたら」
「落ち着いてろよ、はすっぱな姉ちゃんよ!」
人の腕や脚など簡単に断ち切るだろう鋏を振り上げ猛然と駆け寄る男を、
高杉 かよう
は正面から迎え撃つ。
小瓶に入れた蜂蜜をひと舐めする。彼のろっこんには、蜂を模る力があった。
「蝶のようには舞えねぇが。蜂のように飛び、蜂のように刺してやるぜ!!」
拳に毒を持つ針を生み出し、拳を叩き込む。針ははさみ男の右半身へ深々と突き刺さる。
「どうだ、効くだろ……ッ、うっお!?」
が。男は口からあぶくを噴き散らしながらも怯むことなく、鋏を振り上げた。鋭利なその先端はとっさに仰け反ったかようの頭部を貫くことはなかったが、白い野球帽のつばと彼自身の額を深く切り裂いた。
異形の変容部が血流を阻害しているのか、男の肌は青く浮き出た血管が這いまわりながらも血の気が失せている。蜂の毒は巡らないようだ。
「痛ぁっ……へ、やってくれるじゃねぇか」
「下がって!」
ひびの走る大型のフラスコを、
白 真白
はろっこんで硬化させ男の頭部へ叩きつける。何度か殴打を繰り返し、ようやく男がよろめいたところでかようの腕を引き、距離を取った。
まるで意に介さないように振る舞うかようと比べ、真白に少なからずの恐怖はある。それでも彼女は震える四肢を叱咤し、立ち向かうことを決めていた。
「ふう、ふうっ。そうだよ……これは、ホラーゲーム。そう思えばいいんだ。そう思えばいい。でなきゃ……私……」
そうしなければ、耐えられそうになかったので。
はさみ男はやみくもに鋏を振り回し、フラスコや試験官、実験器具のようなものを机もろともに断ち割り、憤慨するように泡を噴いた。
鋏が、
一条 紗矢香
の細い腰を狙い突き込まれる。痩せた彼女の身体ならばひと息に断ち切られてしまうだろう。
「……悪いけど。あなたに構っている暇はないのよ」
組み紐を口にくわえた紗矢香はろっこんを行使し霧となって解け、手応えを失った鋏は石壁へと突き刺さった。
再び姿を現しながら、紗矢香はちらと周囲へ視線を巡らせる。
「春彦がいない……はぐれたの?」
ただでさえ明かりに乏しい暗がりの中だ。幼馴染はどうやら、闇の中で彼女の姿を見失ってしまったらしい。
真白も同様に告げる。
「あっ……!? 楓子ちゃんと由貴奈ちゃんもいないよ!」
「分断されたか。こいつは厄介だ、どうする?」
鋏を壁から引き抜こうとする男を油断なく見据えながらかようが尋ねた、その時に。
「うっあ、あああ、ああああ!!」
耳をつんざく声を轟かせたのは、またしてもシモーヌだった。
「く、くそっ。くそっ、あの女……!! あのアバズレ、何てこと……やりやがった、くそっ、何てこと……!!」
ずるり。ぴしゃ。ずるり。何かが焦げ、溶け落ちるような音も。
見れば女が、バスタブのような容器から這いずり出てくるところだった。当然にして、ただの女ではないことは一目して知れた。
女の身体は液状化し溶け落ちている。強酸の風呂にでも浸かっていたかのように。それでいて女の身体は完全に熔解してしまうことなく、循環しつつ溶け落ち続けている。
「クソッタレっ、レッドヒル・マリー!! 殺してやる!! あの子まで、こんな風に変えちまうなんて……!」
「し、知り合いなの?」
真白の問いに答えたシモーヌの声には初めて、震えが混じり込んでいた。
恐らくは恐怖ではなく、怒りに因る震えが。
「……ディートリント。あの子はあたしを慕ってた。犬っころみたいに、いつもあたしについて回ってた……」
ずるり。ぴしゃ、ずるり。熔解する女の頬は苦悶に引きつり、縋るように手を伸ばす。
しゅ、りん。はさみ男が、壁から鋏を引き抜く音が背筋を撫でた。
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3人まで
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推理・サスペンス
ホラー
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
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