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魔女の咬み痕
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【東館二階廊下】
はっきりと覚醒しているようでいて、後頭部にわだかまる微睡みのような感覚があった。
しかし、脳がわめき散らす警告や全身を鋭く走り抜けるこの痛覚は、本物だ。
「ぐッ、う、お、おおおおおっ」
奇怪な怪物が、
八神 修
の腕を掴んでいる。人体のあらゆるパーツが歪に張り付けられたような、肉混じりとでも呼ぶべき姿をしたそいつは、三本の腕を伸ばして修を捕らえ捻じり切ろうとしている。
「しゅ、シュー君!!」
「ぐ、なんて力だ……こ、このままでは折れっ、がああああっ」
蒼白な
椿 美咲紀
は足元に落ちていたいかにも重厚な書を拾い上げると、両手に構え肉混じりの頭頂と思われる部位へ叩きつけた。肉混じりは金属が激しく擦れあい軋むような奇声を発して怯んだものの、修を解放しようとはしない。
圧迫により破れた皮膚からは流れ出した血が伝い、数秒後に彼の腕は三分割に分かたれるだろう。
「っ、どいて!!」
美咲紀と入れ替わりに飛びこんだのは、
新田 樹
だった。
この場にあって彼らは常から身に着けているような品物の中からいくつかを持たされていたが、樹が手にしていたのは護身用の警棒だった。
樹は全力で、硬質な警棒の先端を叩きつける。はっきりと耳に届いた骨が砕ける音は修の腕ではなく、肉混じりのものだ。樹が何度も振り上げ叩きつけるたび音は鳴り、肉混じりはどす黒い血液をごぼりとあふれさせる。
「このっ、離れろォっ……!!」
ひときわに大きいごきりという音を合図に肉混じりは吹き飛び、石造りの床へ生々しい響きとともに倒れ込んだ。肉混じりの人体部位の構造では自分で起き上がることはできないのか、手や足をめちゃくちゃに振り回して軋み声を上げている。
「だ、大丈夫ですかシュー君!?」
美咲紀は駆け寄り、周囲の光景とはいささかに不似合いな白い花を手に舞い、修を癒す。彼は額に浮かんだ脂汗を袖口で拭い、すぐさまいつもの冷静を取り戻した。
「ああ、ありがとう美咲紀。それに新田の妹だったか、助かったよ……」
「いえ、とっさのことで」
「い……いやだ、こんな……こんなのに殺されるのはっ、あああ……!」
震えた声に振り向くと、十代の後半か二十代といった金髪の青年が目を剥きながら床へへたり込んでいる。
青年はリヒャルト・エドムンド・フランツと名乗ったが、今のところ彼について分かっているのは極度の怯え症ということだけだ。今も書架を背にしたまま、肉塊から少しでも距離を離そうとしてか必死に足をかいている。
もちろん彼にはいくつも尋ねたいことがあったが、修はひとまず仲間たちを制した。
「すぐにここを離れたほうがいいな。あの化物が仲間を呼ぶかもしれない。行こう……工藤さんも」
「ん? ああ、ええ。そうね」
工藤 来夢
のどこか達観したような様子には、仲間たちもいささかの違和感を覚えただろう。
「見て、向こうに書庫があるみたいよ。アタシがもし漫画の主人公なら……まずは情報を集めるわね!」
「……まんが? です?」
眉をひそめて首を傾げた美咲紀に、来夢は目を輝かせ言った。
「つまり、どうしてアタシたちは今、こんなことになってるのか? この世界についての情報、あの怪異から逃れるためのヒント。そういったものがあるかもしれないじゃない?」
「なるほど……確かにそうかもしれませんね」
樹が神妙な顔で同意すると、修もうなずく。疑問は多くありながら、この場において自分たちに許された選択肢が思いのほか狭いことを、彼ら自身もまた痛感し始めていた。
「よし、行こう。リヒャルトさん、あなたも。俺たちがあなたを助けますから」
「ほ、ほ、本当? 本当だね? ああ、頼むよ、お願いだから。僕を助けて……!」
「ええ。その代わり、知っていることを教えてもらえますか?」
「わ、分かったよ。分かった、だから、お願いだよ……!」
慎重に周囲をうかがいながら暗い廊下を歩き始めた彼らの向かう先には、大書庫があった。
【東館三階へ続く階段の踊り場】
「もう。ツイてないわね」
荒い息を整えながら、
一条 紗矢香
は思わずつぶやいた。
見知らぬ建物、それも奇怪なクリーチャーのごとき存在がうろめく場所へ、彼らは気付かぬうちに呼び寄せられていたようだ。
あの歪に肉が混じり合ったような怪物からはひとまず逃げ延びたものの、暗がりの中にはひとつの安堵すらも見い出せない。
「ナンか、アレだな。お前と再会した時みてーな状況だよな、これって」
それでも幼なじみである
楢木 春彦
がふとそんなことを口にすると、紗矢香の顔にはひとひらの笑みが浮かぶ。
「ええ、確かにね。
MFS!
の時に、少し雰囲気が似ているかも」
「だよな。あん時ゃイテー目にもあったけど、どうにか脱出できたんだよな」
「あちこち、巧妙にヒントが散りばめられていたものね。とにかく探してみましょうか。どこかに脱出の手がかりが……」
「ちょっと、いつまでくっちゃべってるつもりなの!?」
この場には紗矢香と春彦を始め、いくつかの人影が集まっている。
そしてその中には、一つの爆弾が混ざり込んでいた。
「あたしはね、あんな化物に食われてやるわけにはいかないの! 冗談じゃないわよ、クソッタレ……!」
シモーヌ・デュボアは栗色の髪をアップにまとめた美しい女性で、年の頃は十代から二十代といったところだろう。しかし特筆すべきは彼女の恐ろしく攻撃的な気質であり、響く金切り声は周囲の怪物たちを集めてしまいかねず、彼らはいささか手を焼いていた。
「いいこと? あたしにはあたしにしかできない高尚な役割があるのよ、凡俗のあんたたちと違ってね! 死ぬ気であたしを守りなさい、くつろいでんじゃないわよ!」
「まあまあ。シモーヌ氏」
危機的状況にあってか、
千歳飴 楓子
の瞳は平時よりいくらか見開かれている。というより、普段から慣れ親しむホラーゲームや映画における知識や感性が現実となったことで、彼女の恐怖感をいくらか鋭敏なものにさせているらしい。
「まずは、情報交換といかないか。教えてほしい、この場所は何なんだ? あの怪物たちは? あなたの高尚な役割とは、何なんだ?」
「それは……し、知らないわよ! 何であたしが見も知らないあんたたちに講釈垂れなきゃならないのよ、大体あんたたちがあの魔女のイカレた信奉者じゃないって証拠はあるの!? ええ!?」
楓子はシモーヌを取りなそうと歩み寄るが、取り付く島もない。
「あたしの、役割だって……? くそっ。くそっ。知らないわよ、そんなもの……!」
彼女もまた、大いに混乱しているようだ。
「……あっ!?」
シモーヌは何もかも振り切るようにして大股に階段を登ろうとしたが、その矢先につまずき前のめりに倒れ、段差に膝を打った。
「ちょっ……サヤ!? オマエ、何やってんだよ!?」
彼女に足を引っかけたのは、冷たい瞳で見下ろす紗矢香だった。
「うるさくすると、またあの怪物が寄ってくるでしょう? 黙っていてくれるかしら」
「痛っ……なっ何するのよあんた、このクソガキ! あんたごときが、くそっ、あたしを誰だと思って……!」
「ほーんと、そうだよねぇ?」
紗矢香に並び目を細めた
壬生 由貴奈
は冷静で、だからこそ辛辣に告げた。何をすべきか、何をせざるべきか、彼女の理性と知識がすぐにも答えを導き出す。
「あんたが誰だか知らないし、別にうちらを信用してほしいとも思わないけど。協力は必要だと思うよぉ? あの怪物から逃げたいっていう気持ちは同じなんだし」
「っ、それは……」
「まぁ、エサになりたいならそのまま喚いていたらいい……うちらは脱出する手段を探すだけだから、ね」
由貴奈が指差した先には階段の終わりと、どこかへ通ずる扉があった。
この場が安全であるなどとは、誰にも言えない。どのみち窓のひとつもないこの建物から脱出するのには、常に動き続けなければならないだろう。
成り行きを見守っていた
白 真白
と
高杉 かよう
も顔を見合わせ、半ばシモーヌへ、半ば仲間たちへ聞かせるように口を開いた。
「私も、ホラーゲームはあんまり好きじゃないんだけどね。いきなり出てくるとびっくりしちゃうし……それでも、今はとにかく出口を探さないと」
「最近ろっこんに目覚めたもんでな、能力を試したかったところだ。化物が相手ってんならちょうどいい。任せろよ、俺がぶっとばしてやる」
やがて彼らが階上の扉を開き、部屋の中へ足を踏み込むに至ってもシモーヌはぶつくさと口汚く言葉を吐き散らすのを止めなかったが、少なくとも一人闇の中を彷徨うつもりもないようだった。
「くそっ、くそっ……どうしてあたしがこんな目に。くそっ!」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
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