this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
魔女の咬み痕
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
【東館三階実験棟】
鋏をかいくぐり、蜂と化す。
目覚めて間もない
高杉 かよう
の能力だが、危機的状況に追い込まれたことがその習熟を早めた。
蜂の身体のままはさみ男の頭上へ飛び、能力を解除し強襲する。
「ジャンケンしらねぇのかよっ? どんだけ頑張ってもなぁ、ハサミは石に勝てねぇんだよッ!!」
直下へ叩きつけた拳からは毒針が飛び出し、はさみ男の生身の右肩へと突き立てた。先ほどは通らなかった蜂毒は、鋏を振り乱し彼らを追い回したことで血の巡りもいくらか促進されたのか、今度は一定の効果を発揮したようだ。男は足を止め悶え苦しむようなそぶりを見せた。
「……明かりが見える。出口かしら?」
鳴らないスマートフォンにどこか疲れたような表情を浮かべつつも、
一条 紗矢香
は前方を指差した。
実験棟はそこで終わり、続く長い廊下の向こうにはぼんやりと淡い、紫か青の光が見えている。
「かようくん、今のうちに。デュボアさんも走って……」
「ああ。まったく。クソッタレだわ」
ふと。忌々しげな声に振り返り、かようと紗矢香は目を見張る。
「!? なっ……はすっぱ姉ちゃん、あんた!?」
「デュボアさん、いつの間にそんな……」
シモーヌの腹に、一振りのナイフが深々と突き立っていた。流れ伝う赤黒い奔流が、既に彼女の半身を染め上げている。
「アバズレめ。あの女……ちくしょう。思い出したわ」
はさみ男の狂乱する声が背中に響くが、紗矢香とかようは彼女から目を離せず、ただ見つめていた。
シモーヌの顔は苦痛に歪むでもなく、変わらず眉を不機嫌そうに吊り上げている。彼女の姿はどこか、何か、現実感が欠けていた。
「あたしの高尚な役割、だって? はん。ふざけんじゃないわよ。思い出しちまったじゃないのよ」
「一体……何なの? あなたの役割って……!」
問いかけた紗矢香への答えではなかったのかもしれない。ただ彼女はぽつりと、誰ともなくつぶやいた。二人の背後へ手をかざしながら。
「魔女をここへ封じ込める。あたしはそれに命をかけた」
瞬間。強烈な熱気が、二人の背中を焦がす。再び振り向くと、目の前ではさみ男が劫火を上げて炎上していた。
やがて男は耳朶を震わせる絶叫と共に完全に焼け落ち、後には炭化した肉の名残と灰が残された。しかしそこに、シモーヌ・デュボアの痕跡はひとつとて見い出せなかった。
「最後は、はすっぱ姉ちゃんに救われた……か?」
「……行きましょう。出口は近いわ……」
【東館二階廊下】
紙片には続きがあった。
八神 修
はそれを読み上げたものか、判断に惑う。なぜ惑うのか。彼はその根拠を見い出そうと、深く思考を巡らせている。
どこかに違和感がある。拭い去れない違和感。ひどく小さくて、そして決定的な何かを見落としている。そんな予感が彼を苛んでいた。
「シュー君、どうかしたですか? 続きは?」
「ほら、もうすぐ出口だよ。ここを出る前に読んでしまおうよ」
椿 美咲紀
とリヒャルト・エドムンド・フランツが彼を促す。美咲紀とてその開けっ広げな性格と裏腹に細やかな気配りや聡明さも持ち合わせているはずだが、彼女は気づいていないようだ。
美咲紀は修を信頼している。修は彼女を守らねばならなかった。その修が、紙片を読み上げることに違和感を、いや抵抗を感じている。
「……ああ。そうだな……読もう」
それでも、修は自分を止められなかった。止められない自分がそこにあることをはっきりと認識するに至ったのは、彼の擁する頭脳明晰の確かな証でもあった。そして紙片そのものに己を読み上げさせる何らかの強制力が働いている可能性に彼が思い当たった時には、何もかもが遅すぎた。
マリーとデュボアが互いへ刃を突き立て合うのを、私は見ていた。私は彼女の右腕であったから。
私も最後まで戦い、彼女のそばで果てるつもりだった。
しかしその時、私は目の前の光景が不思議な既視感を帯びていることに気付き、心を奪われていた。
私はどこでこんな光景を見たのだったろう。夢の中だろうか?
戦いの終結から……何十分? 何時間? 何日? 分からないが、ともかくしばらくが経った頃、カノウがそこへ現れた。
未だ美しいままのマリーを彼が抱き上げ、恐らくは医務室へと運んでいくのを、私はただ見つめていた。
彼に残されたかすかな理性のひとかけらがそうさせたのだろうか。もう、何もかも無駄だというのに。
もう、全て終わってしまったというのに。そう思いながら。
だが、果たしてそうだろうか?
「っ……これ以上……」
「? シュー君?」
これ以上読んではいけない。それが修の論理が導き出した結論だった。
理由までも見い出すには至らずとも、紙片が彼を操ろうとしている事実から、そこに何らかの悪意が介在していることはもはや疑いようもなかった。
「……いや。続き、を」
鼓動が早まるのを感じた。恐らくはマリーの死が引き金であったのだろう。
そして悟った。彼女にとって私という存在が、いかなる意味を持ち得ていたか。
くふ、くふふと、あの愛おしく恐ろしい笑みの向こうで、彼女が私をどのように見ていたかを知った。
私の気付かぬうち、彼女は私の見る夢までも編纂していた。
今、変化が始まろうとしている。私は私でない何かへ変わっていく。いいや。誰かへと変わっていく。
私の自我は書き変えられ、組み替えられ、やがて溶けて消えてゆく。
だが不思議と、不安や恐怖はない。
なぜだろう。この変化はどこか、安堵とあたたかさに満ちている。
「どうしたの? 続きは?」
怪訝そうにリヒャルトは尋ねた。
「シュー君、続きを読んで?」
美咲紀の無邪気が修を促す。
瞬間、修は違和感の主を特定した。
「……お前、が……」
「? シュー君? 顔色が悪いですよ?」
この場に至りなお、私は考えずにいられない。
己の罪を書き残すつもりではあった。確かに私は罪人だろう。この煉獄を生み出す所業へ多大に加担したことは今さら否定しようもない。
しかし書き進めるうち、確信に至った。私は少なからず名家の生まれであるという気構えばかりが行き過ぎた堅苦しく蒙昧な若造であったかもしれないが、あえて断じよう。
これで良かったのだ。
罪深くも愛ゆえに全て投げ出したことを、私は微塵の後悔もしていない。
ああ……もう筆を置こう。
私が何者に変わるのであれ、せめて私の意思が残るうちは、私自身のままでありたい。
安らかなるまま、リヒャルト・エドムント・フランツのままで最後を迎えたい。
「……えっ?」
「下がれ、美咲紀!」
紙片がその役割を終え強制力が失われると同時に、修は美咲紀を抱き寄せ背にかばった。いつでも分解の力を解き放てるよう意識を集中し、睨む。
「リヒャルト、さん……?」
「こいつが元凶だ!!」
二人の前で、青年は淡い紫の光が漏れ出る扉へ手をかけ、開け放つ。
「くふふっ」
声は目の前の青年が発する低いそれでありながら、含み笑いにはどこか艶のある響きを帯びていた。
「夢の道は、再び繋がれた。ありがとう。ようやくここから出られるわ」
青年の姿をした何者かは扉の向こうへ身を投げ出し、姿を消した。
【バルコニー】
「ああ……外だわ。私、生きてる……!」
視力を奪われたに等しい今の
桃川 圭花
にも、涼しい夜気を肌に受け感じることができた。
「うおっ、こりゃすげえな!」
「生き残りの報酬というところか? 確かにすごい風景だな」
石造りの手すりへ腕を乗せ、
化神 小次郎
と
新田 亮
も空を見上げる。
虹色に透き通るオーロラのカーテンが、星空に踊っていた。確かにそれは彼らが血生臭く狂気に満ちた現象にさらされながらも生存した、その報酬であったのかもしれない。
しかし、何もかもが終わりを迎えたわけではない。
「さて、ひとまずは生き延びましたか。それで……」
その証を、
日向 透
が静かに告げた。
「ここは、どこなんでしょうね? これはまた……ふふ。ずいぶんと恐ろしげな場所のようだ。ふふふ……」
神秘大学は小高い丘の上に豊かな水量を湛える湖の中心に建っていた。袂からは大仰な石造りの橋が伸び、眼下の道へと連なっている。
道の向こうには、街が広がっていた。歪に捻じくれながら伸び、混沌としながらも静まり返り、闇に沈んだ都がそこには横たわっていた。
悪夢はまだ、醒めない。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『魔女の咬み痕』のリアクションをお届けします。
すみません。終わってません! お話はまだ続くのです。
これよりは異界と化した都へ舞台を移し、皆さまはレッドヒル・マリーと呼ばれた何者かのさらなる足跡をたどります。
お次はいかなる悪夢が、皆さまの前へ姿を現すのでしょうか?
詳しくは次回に述べますが、今回無残な死を迎えてしまった方も、この先の冒険へご一緒していただくことができます。
もしまだもう少しお付き合いをいただけるのならば、次回も引き続きご参加いただけましたら嬉しく思います~。
それでは、今回もご参加いただきまして、ありがとうございました。
次回、あるいはまた別の機会にでもお目にかかれますことを、心より楽しみにしております~。
お疲れさまでした!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
魔女の咬み痕
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!