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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
５０００兆円貰った！
◆美少年ランド、開園！ （１）
鋭い停車音が辺り一面に響いた。扉を開けた漆黒のリムジンから、来島 アカリの脚が伸びる。その可愛らしい顔はちらりと後ろを振り向くも、直ぐに外の世界へ向いた。
「どうします？ 命も想いも買えますよ」
想い。黒服の発した誘惑にアカリの心臓が跳ねた。芽生えそうな黒い欲望を、固い決意で摘む。頑張ると決めたのだから、お金に頼りたくない。
「これは、とっとく。これに頼ったらダメになるし……。そういうのは、買う物じゃないから」
「そうですか。それもまたよろしい！ 貴女の道行に祝福がありますよう！」
黒服に見送られ、アカリは日常の世界に降り立った。それと同時に、ポケットの携帯が鳴る。さっそくメールを確認してみると、ロベルト・エメリヤノフからのものが一番上にあった。
内容は、貸切にした遊園地で遊ぼうという誘い。行くと返したアカリに、嬉しさと同時に沸き起こる疑問一つ。
もしかして、先輩も５０００兆円を――？
（貸切……？ なんでわざわざ？）
一方その頃。獅子目 悠月もロベルトから連絡を受けていた。唐突な誘いと、貸切という状況に少々疑問が沸くが――
（友人と遊園地に行くのは初めてだな）
――少し楽しみな気持ちもあった。悠月の胸が躍る。丁度予定も空いていると、その旨だけを返信して待ち合わせの場所へ向かった――。
「なんだ、これは」
「獅子目、なんでお前まで居るんだよ」
「居て悪いか？」
しかし、いざ遊園地に着いた悠月とアカリは異様な人混みに困惑することになる。迷ってしまいそうな気がして、嫌々ながら身を寄せる二人。その場は小学生から中学生まで、いやアカリと悠月まで入れれば高校生までの少年で構成されていた。そのかんばせはロベルトの好みを反映して皆美しい。
「よし。みんな来たね！」
「ロベルト、これは一体どういう――」
人数の確認を終えたロベルトが先頭まで躍り出た。悠月が説明を求めようと口を開きかけるも、それをかき消す大声が響く。
「さぁみんな！ 今日は好きなだけ遊んでいいよ！」
「はぁーい！！」
ロベルトの声に半ば重なる形で、青空まで届くような元気な声。
散り散りになった美少年たちの目には、ロベルトに媚びるような輝きはない。皆、遊園地で自由に遊べるという状況に喜んでいるだけのようだった。
「どこから行く？」
「俺あっち！ ロベルトも来いよ！」
無邪気な声と笑顔が、遊園地の中を行き交っている。うん、美少年、かわいい！ ロベルトはゆるゆるになった顔を隠さない。少年に手を引かれるままメリーゴーランドへ乗るロベルトの姿を見て、悠月は心中モヤモヤ。顔を顰める。そんなことも露知らず、ロベルトは造り物の白馬の上で美少年と戯れていた。丁度一周して戻ってきたロベルトに、悠月は言う。
「こんなに大勢で終始回るつもりか？」
「違うよ？」
なんだ違うのかと、否定で返されたことに少々ほっとして、悠月はロベルトの隣でそわそわと佇むアカリに目を向けた。
「来島がいるのは……まあ許容してやろう」
「許容って……なんで上から目線なんだよ」
「うんうん、相変わらず仲が良いね！」
「仲良くないです！ ……ま、まー仕方ねーから俺もお前くらい許してやるけど？」
喧々喧々、両耳を通り抜ける美少年の声に満面の笑みなロベルトに、アカリはすっかり気が抜けてしまったようで。収まり始めた喧嘩を見ていざ行かんとロベルトが二人の手を引いて園内を歩きだす。暫し歩けば、三人の前に高く聳えるレールと、ジェットコースターの看板が現れた。
「遊園地といえば、これだよね！」
普通の遊園地ならば並ぶところだが、さすが貸切。三人は入り口で待つ間もなく席に着く。
他のジェットコースターの例に漏れず、ゆったりと斜面を昇り、焦らしに焦らした頂点で少しの浮遊感と、急降下が襲う。高速で走り抜けるコースターの中で、叫ぶアカリとは対照的に、悠月は終始無言で息を飲んでいた。
「ま、それなりに楽しめたな」
「叫び通しだったくせによく言う」
「べ、別に怖くて叫んでたんじゃねーし！ お前こそ怖くて声も出せなかったんだろ！？」
降りた途端、先程まで叫んでいたのが嘘のように余裕綽綽の態度をとり始めたアカリを悠月が煽る。煽られた当人は顔を真っ赤にして反論したが、それでは肯定しているに等しかった。
それを見て、ロベルトはまた微笑を作る。しかし、その表情は悠月の様子を見て曇った。
「だ、大丈夫……？ 怖かった……？」
降りて以来口数少なな悠月を心配し、その顔を覗き込む。
「いや。だが……」
「……悠月！？」
刹那、悠月が肩を震わせ笑いだした。
鋭い停車音が辺り一面に響いた。扉を開けた漆黒のリムジンから、来島 アカリの脚が伸びる。その可愛らしい顔はちらりと後ろを振り向くも、直ぐに外の世界へ向いた。
「どうします？ 命も想いも買えますよ」
想い。黒服の発した誘惑にアカリの心臓が跳ねた。芽生えそうな黒い欲望を、固い決意で摘む。頑張ると決めたのだから、お金に頼りたくない。
「これは、とっとく。これに頼ったらダメになるし……。そういうのは、買う物じゃないから」
「そうですか。それもまたよろしい！ 貴女の道行に祝福がありますよう！」
黒服に見送られ、アカリは日常の世界に降り立った。それと同時に、ポケットの携帯が鳴る。さっそくメールを確認してみると、ロベルト・エメリヤノフからのものが一番上にあった。
内容は、貸切にした遊園地で遊ぼうという誘い。行くと返したアカリに、嬉しさと同時に沸き起こる疑問一つ。
もしかして、先輩も５０００兆円を――？
（貸切……？ なんでわざわざ？）
一方その頃。獅子目 悠月もロベルトから連絡を受けていた。唐突な誘いと、貸切という状況に少々疑問が沸くが――
（友人と遊園地に行くのは初めてだな）
――少し楽しみな気持ちもあった。悠月の胸が躍る。丁度予定も空いていると、その旨だけを返信して待ち合わせの場所へ向かった――。
「なんだ、これは」
「獅子目、なんでお前まで居るんだよ」
「居て悪いか？」
しかし、いざ遊園地に着いた悠月とアカリは異様な人混みに困惑することになる。迷ってしまいそうな気がして、嫌々ながら身を寄せる二人。その場は小学生から中学生まで、いやアカリと悠月まで入れれば高校生までの少年で構成されていた。そのかんばせはロベルトの好みを反映して皆美しい。
「よし。みんな来たね！」
「ロベルト、これは一体どういう――」
人数の確認を終えたロベルトが先頭まで躍り出た。悠月が説明を求めようと口を開きかけるも、それをかき消す大声が響く。
「さぁみんな！ 今日は好きなだけ遊んでいいよ！」
「はぁーい！！」
ロベルトの声に半ば重なる形で、青空まで届くような元気な声。
散り散りになった美少年たちの目には、ロベルトに媚びるような輝きはない。皆、遊園地で自由に遊べるという状況に喜んでいるだけのようだった。
「どこから行く？」
「俺あっち！ ロベルトも来いよ！」
無邪気な声と笑顔が、遊園地の中を行き交っている。うん、美少年、かわいい！ ロベルトはゆるゆるになった顔を隠さない。少年に手を引かれるままメリーゴーランドへ乗るロベルトの姿を見て、悠月は心中モヤモヤ。顔を顰める。そんなことも露知らず、ロベルトは造り物の白馬の上で美少年と戯れていた。丁度一周して戻ってきたロベルトに、悠月は言う。
「こんなに大勢で終始回るつもりか？」
「違うよ？」
なんだ違うのかと、否定で返されたことに少々ほっとして、悠月はロベルトの隣でそわそわと佇むアカリに目を向けた。
「来島がいるのは……まあ許容してやろう」
「許容って……なんで上から目線なんだよ」
「うんうん、相変わらず仲が良いね！」
「仲良くないです！ ……ま、まー仕方ねーから俺もお前くらい許してやるけど？」
喧々喧々、両耳を通り抜ける美少年の声に満面の笑みなロベルトに、アカリはすっかり気が抜けてしまったようで。収まり始めた喧嘩を見ていざ行かんとロベルトが二人の手を引いて園内を歩きだす。暫し歩けば、三人の前に高く聳えるレールと、ジェットコースターの看板が現れた。
「遊園地といえば、これだよね！」
普通の遊園地ならば並ぶところだが、さすが貸切。三人は入り口で待つ間もなく席に着く。
他のジェットコースターの例に漏れず、ゆったりと斜面を昇り、焦らしに焦らした頂点で少しの浮遊感と、急降下が襲う。高速で走り抜けるコースターの中で、叫ぶアカリとは対照的に、悠月は終始無言で息を飲んでいた。
「ま、それなりに楽しめたな」
「叫び通しだったくせによく言う」
「べ、別に怖くて叫んでたんじゃねーし！ お前こそ怖くて声も出せなかったんだろ！？」
降りた途端、先程まで叫んでいたのが嘘のように余裕綽綽の態度をとり始めたアカリを悠月が煽る。煽られた当人は顔を真っ赤にして反論したが、それでは肯定しているに等しかった。
それを見て、ロベルトはまた微笑を作る。しかし、その表情は悠月の様子を見て曇った。
「だ、大丈夫……？ 怖かった……？」
降りて以来口数少なな悠月を心配し、その顔を覗き込む。
「いや。だが……」
「……悠月！？」
刹那、悠月が肩を震わせ笑いだした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年07月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年07月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年07月08日 11時00分
