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気づけば、
橘 千歳
は三夜湖のほとりまで来てしまっていた。まだ昼過ぎだというのに、もうこの日は終わってしまったかのような疲れを感じる。ちょっとやそっとの走りこみでは荒れない呼吸が、今ははあはあと耳障りだ。たまらず足を止めると、また目に湿っぽいものがたまってきた。勝手に裏切られたような気持ちになっている自分が腹立たしい。
「おーい。橘?」
声のしたほうを見ると、
御剣 刀
と
小山内 海
だった。
『こんにちはー』
海は歩きながら器用にペンを走らせ、千歳に向けてスケッチブックを掲げる。
「どうした?」
「えっ? 何が?」
刀の問いの意味に気づかないふりをして、千歳は不器用に笑ってみせる。
「千歳ちゃーん!」
別方向から来るのは、
桜庭 円
と
雨宮 草太郎
校長のユニーク極まりない組み合わせだ。円の腕には猫のにゃーくん、毛皮の身には暑さが堪えるのか、円の腕にしがみつきだらりと下肢を投げ出している。
刀と海の乗ったスワンボートが水面を漂う。校長先生は生徒の見回りに、円はにゃーくんと散歩に行った。一人湖畔に残った千歳は味のしないおにぎりをもすもすと食べ、大きなため息をついた。
(私、どうしてこんなもやもやしてるの?)
朗らかな円。人懐こい海。どちらも小柄で同性から見ても可愛らしい。
(やっぱり女の子は小さくて可愛い方がいいのよね……)
そして姉の舞。顔立ちは同じでも、あのエレガントな雰囲気は彼女だけのものだ。しとやかな令嬢、完璧な姉。その姉と楽しそうにしていたすばるの笑顔を思い出すと、気持ちはさっと暗い雲に覆われてしまう。誰にもやもやしているのだろう。すばるか。姉か。それとも。
(たぶん、もやもやしてる相手は……自分)
千歳は膝を抱え込み、体を小さくする。さわやかなはずの風が、どうにも涼しすぎるように感じられた。
「よっ……と。こりゃまたボロいボートだな」
九夜山は観光スポットとしては、とうに寂れてしまっている場所だ。きしむ桟橋、塗料が剥がれ、赤錆のところどころに浮いたボートにもそれがよく現れている。
御剣 刀
は
小山内 海
に手を貸してやり、隣のシートに座らせた。
『ちょっと ぼろいね』
「だなあ」
『おかねはらったし だいじょうぶだよね?』
「まあな。でも一応気をつけろよ?」
海はうなずく。ペダルをぐいと踏み込むと、スワンボートは青い湖面を静かに滑り出した。
『きもちいいね』
海は刀の肩をちょんちょんとつつくと、笑顔で文字を見せた。足漕ぎなのでスケッチブックを手放す必要はない。こりゃ大正解だったかな、と刀は古びたスワンボートに感謝した。メンテナンス不足なのだろう、時々ペダルに妙な引っ掛かりがあってうまく漕げない時がある。
「漕ぐのは俺がやるから、小山内は方向指示してくれ」
刀はペダルを踏み込むことに集中した。スポーツとは勝手の違う、思い通りにならないペダルに苦労しながらボートを進める。
ゆっくりと流れる景色と、いつになく真剣な刀の横顔。二人だけのスワンボート。
(こういうのもいいなぁ。やさしい、時間。だよね)
できるだけ長い間こうしていたいな、と海はぼんやり考えていた。箱の中の色鉛筆が踊る音、穏やかな波音。ボートのきしむ音すら心地よく感じられた。
(湖からの景色を目に焼き付けて、後から自分のイメージと合成するのはどうかな? それならここでゆっくりできるし……)
突然がたんとボートが大きく揺れる。
「……!」
音と衝撃に驚いて、海は腰を浮かし立ち上がりかけ、バランスを崩して前のめりに倒れる。
「小山内!」
ボートの舵に頭を打ちつけそうになる海を、刀はとっさに抱き寄せた。小さな体が船体に叩きつけられる、そんな最悪の想像が一瞬のうちに頭をよぎり、気がつけば体が動いて海をしっかりと抱えていた。
「……大丈夫か」
海はこくんとうなずく。顔が赤い。
(ヤバい、顔が近い。これは照れるな)
(あわ、あわわ、あったかい……じゃない、恥ずかしい!)
手を貸してもらい、海は元のシートにすぽんと収まる。危険がないのを確かめて、刀は無言でゆるゆるとボートを漕ぎ出した。静かな空気の中、二人の鼓動だけが響く。
乱れた心を収めようと無心にボートを漕ぐ刀の視界に千歳の姿が見えて来た。身を縮めて湖のほとりに座り込む姿はいつもの彼女らしくない。
「やっぱり、変だな」
つい口に出してしまっていたらしい。つつかれた肩の方を見やると、
『ちとせちゃんを みてた?』
「ああ、うん。最初会った時、変だと思ったんだ」
『わたしも へんだとおもう なにかあったのかな』
「だよなあ……」
どうしたらいいものか。気の強い千歳のことだ、何があったのか聞いても話してくれまい。あとが続かない刀を待たず、海は小気味よい音でペンを滑らせ、二つの言葉を贈った。
『いってきてあげたら?』
『かたなくんは やさしいもん ほおっておけないんでしょ』
しばし海を見て、強くうなずく。
「悪いな。ちょっと行ってくる。ボートどうする?」
『きしにつけといて わたしは このままのってる』
大急ぎでペダルを踏み、桟橋にボートを寄せる。すみません連れはまだ乗るんで、と係員に声をかけると、刀は早足に千歳のいるほうへ向かっていった。
(ちょっとさみしい、けど、大丈夫)
体をずらして、隣のシートにひょいと移る。刀の座っていたシートはまだ暖かかった。
(ゆっくりなら私でも漕げるよね。景色、もう少し見ようかな)
寂しさと切なさがうまく処理できなくて、海は湖面をじっと見つめていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月30日
参加申し込みの期限
2013年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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